復職か転職か、ぐるぐる廻る悩み。そんな時に思い出す ことば
現在、私は適応障害で休職中だ。
そして今、目下の悩みは次の二択である。
(1)モンスター上司との距離を取るため、職種を変えて、今の会社に復職する
(2)転職する
どちらも気が進まない。どちらにもリスクがある。全部忘れて、ずっとこのまま休み続けたい。
……が、決断しなければならない。
そう思うたびに、私は堂々巡りの思考に囚われる。
そんなとき、私は決まって、社会人になって初めての職場で出会った上司を思い出す。
心から尊敬できる上司
新卒で入社した製薬会社の研究職。そのときの上司は、一言で表すなら「神✨」だった。
今でいう『配属ガチャSSR』。
仕事ができるのはもちろん、周囲への気配りと配慮が尋常じゃなかった。
部署を超えて人を巻き込むときは、常に「全員が成果を上げられる道」を模索し、実際にそれを実現していた。一部の人だけが得をするようなやり方ではなく、正真正銘のwin-winの関係を作り上げる人だった。
「みんなが楽しく働きやすくするのが私の仕事だから」
これが上司の口癖だった。しょうもない雑用も気づけば、さりげなく片付けていた。
私が所属していたのは、新規プロジェクトを立ち上げるチームで、若手が主体だった。当然、周囲からの風当たりも強かったが、その上司は部下たちを矢面に立たせることなく、「仕事の本質とは関係ない、人間のドロドロした部分」から守ってくれた。
サポートなんて言葉はおこがましい限りで、私たちは、本来の業務に集中でき、持っている以上の力を発揮できた。
まさに、「この人のために働きたい」と思わせる人であった。
しかし、当時の私は社会を知らなかった。
「社会人ってすごいな、みんなこんな風に周りのことを考えて働いてるんだ!」と、本気で思っていたのだ。本当にバカである。
いろいろな職場を見て、そしてその成れの果てで、現在は休職している私が、もしタイムマシンに乗って、当時の自分に会えるのであれば、ビンタをかました後に
「その人は、オンリーワン ですよーー!」
と言うだろう。
私はこれまで数社で働いてきたが、あの上司のような人には二度と出会えなかった。
メンバー間の仕事の押し付け合いが横行する職場や、モンスター上司を放置する組織を経た今、私は割と、本気で、社会に絶望している。
しかし、それでも完全には絶望しないでいられるのは、あの上司と働いた時間があるからだ。
「世の中には、心から尊敬できる人もいる」
そう思えるだけで、救われているのだ。
尊敬できる上司にもらった言葉
私は何度か転職しているが、現職に転職する際、その上司はわざわざ当時の同僚を集めて送別会を開いてくれた。会社も違うのに。
その席で、
「タイミングと縁次第だが、また一緒に働きたい」
と言って、背中を押して送り出してくれた。
勝手に出ていった私に、そんな言葉をかけてくれるのか――やっぱり神✨である。
---
転職活動と比べて、
これまでの職種を変えて今の会社に復職することは、一見簡単に思える。しかし、それが、将来の後悔に繋がる気がしてならない。
私の"悪い直感"は、けっこう当たるのだ。
「どんな形であれいつか一緒に働きたい」
という、その上司の ことば が、アンカーとして私をいまの職種にとどめているのだと思う。
上司の言葉が教えてくれたこと
今は転職が当たり前の時代になり、社内のキャリア形成もジョブポスティング制へと変わりつつある。
それに伴い、上司や同僚との関係は、以前より希薄になっている。
だからこそ、繋がりを切らさず、「未来のどこかでまた一緒に働く可能性」を肯定してくれる、その上司の ことば のありがみと優しさを強く感じる。
そして今度は私が、この言葉を誰かにかけて、縁を繋いでいく番だ。
一緒に仕事をして、お互いを信頼し合える関係を築いた人たちへ。
もし別れのときが来たら、
「また一緒に働きたいと思ってます」
と私も伝えたい。
未来の再会を信じて、縁を繋いでいくことの大切さを、私はあの上司から教わったのだ。
そして冒頭の問いに戻る
結局は、何を妥協し、どんなリスクを取るのか。そして、それをどう納得し、腹を決めるのか。
上司から貰った ことば を胸に、もうしばらく悩む日々を続けたいと思う。
進むべき方向は、焦らずとも、自ずと見えてくるような気がしている。
なぜなら、私の”良い直感”も、けっこう当たるのだから。
おわり
