スコアが悪くても「楽しかった」と言える日が、一番いいゴルフ
帰り道の夕焼けに、前半のミスが残っている
西日に照らされた駐車場で、キャディバッグをトランクに積み込む。
空はきれいなのに、胸の中だけが少し曇っている。
前半9ホール。
ティーショットは右の林へ、アプローチは少し足りず、パットはカップのふちをかすめて止まった。
「またか……」
そんな言葉を、心の中で何度つぶやいたかわかりません。
練習場では、あんなに悪くなかったのに。
コースに出た途端、急に自分のスイングがわからなくなる日ってありますよね。
15年、インストラクターとしてたくさんの方に
「基本が大事ですよ」と伝えてきました。
でも、そんな私だってラウンドが終われば、
車のハンドルを握りながら
「あそこで、なんであんなに力んだんだろう」と落ち込む日があります。
ゴルフ歴が30年を越えても、
心はまだまだ未完成な、ひとりのゴルファーです。
悔しいのは、それだけゴルフが好きだから
ミスをすると、悔しい。
同伴者に申し訳ない気持ちになる。
自分にがっかりする。
あの感情は、苦しいですよね。
でも私は、あの悔しさは
決して悪いものではないと思っています。
なぜなら、どうでもいいことには
人はそこまで心を動かされないからです。
「もっと上手くやりたかった」
「ちゃんと打ちたかった」
そう思うのは、それだけゴルフを大切にしている証です。
悔しさは、ゴルフを愛している証拠。
だからまずは、
落ち込む自分を責めすぎなくていい。
ミスを振り返る気持ちも、
うまくいかなかった自分にしょんぼりする気持ちも、
ぜんぶ自然なことなんです。
レッスンの現場でも、みんな同じ顔をしている
レッスンのあと、ぽつりと
「自分にはセンスがない気がします」と言う方がいます。
そんなとき私は、
「私もこの前、3パットしてかなり引きずりましたよ」と話します。
すると、少しだけ相手の肩がゆるむんです。
ゴルフは不思議なスポーツです。
朝靄のかかったティーグラウンド。
鳥の声。芝の匂い。遠くで走るカートの音。
こんなに気持ちのいい景色の中にいるのに、
私たちの頭の中は
「また失敗したらどうしよう」でいっぱいになることがある。
力まないようにと思うほど、肩に力が入る。
落ち着こうとするほど、呼吸が浅くなる。
でもそれは、あなたが弱いからではなく、
その一打をちゃんと大事にしているからなんですよね。
私が見てきた数千人のゴルファーも、
そして私自身も、
みんなその揺れの中でゴルフをしています。
スコアだけで、一日を決めなくていい
あるとき、生徒さんがラウンド後に
こんなことを言ってくれました。
「スコアは悪かったんですけど、今日は楽しかったです」
その一言に、私ははっとしました。
ゴルフって、スコアだけで終わらせるには
あまりにも、もったいない時間が多すぎる。
茶店で飲んだ冷たい飲み物がおいしかったこと。
ミスのあとに「次いこ」と笑ってくれた仲間の声。
たった一球だけ、芯に当たって空へ伸びていったあの感触。
本当に心が動く瞬間は、
数字の外側にあることが多いのかもしれません。
全部を完璧にしようとすると、
ゴルフは急に苦しくなります。
でも、全部は変えなくていい。
たったひとつ、
「スコアだけで今日を採点しない」と決めるだけで、
ゴルフの景色は少しやわらかくなります。
今日の言葉
そんな帰り道に、ふと思い出したい言葉があります。
今日の私には、この言葉がいちばんしっくりきました。
『喜んで支払えば相手も喜ぶ』
この言葉は、お金のことだけではないと私は思っています。
ゴルフには、いろいろな「支払い」があります。
プレー代や食事代はもちろん、
時間も、体力も、悔しさもそうです。
うまくいかなかった日は、
「今日は高い一日だったな」と感じることもあります。
正直、私にもあります。
でも、その一日を
「楽しい時間だった」
「仲間といい時間を過ごせた」
そう思いながら受け取れたら、
その場の空気まで少し変わるんです。
さらに私は、
拍手や笑顔も“支払い”のひとつだと思っています。
仲間のナイスショットを喜ぶ。
「今日は楽しかった」と言葉にして渡す。
ありがとうを、気持ちよく差し出す。
そうすると不思議なくらい、
相手の表情もやわらかくなります。
喜んで支払う。
喜んで受け取る。
そのやさしい循環が、
ゴルフという一日を
スコア以上に豊かなものにしてくれる気がしています。
次のラウンドで、3秒だけやってみてほしいこと
ラウンドが終わったら、車に乗る前に3秒だけ。
空を見上げて、
心の中で
「今日もありがとう」とつぶやいてみてください。
うまく打てた日でも、
ボロボロだった日でも大丈夫です。
それだけで、
一日の終わり方が少し変わります。
もし余裕があれば、
一緒に回った仲間にひとこと、
「今日、楽しかったです」と伝えてみてください。
たったそれだけで、
次のラウンドの空気までやさしくなることがあります。
またゴルフに行きたくなる日を重ねながら
ゴルフは、人生に少し似ています。
思い通りにいかない日がある。
うまくいったと思った次の瞬間に、崩れることもある。
それでも、また次の一打に向かって歩いていく。
完璧じゃなくていい。
ミスがあってもいい。
前半がどんよりでも、帰り道に笑えていれば、それも素敵な一日です。
私もまだ、未完成のままです。
ラウンド後に反省もするし、
「あの一打、もったいなかったな」と引きずる日もあります。
それでもまた、
朝の芝の匂いや、
風の気持ちよさや、
仲間の笑い声に会いたくて、クラブを握ります。
きっと、あなたも同じなんじゃないでしょうか。
スコアカードには残らないけれど、
心の中にちゃんと残るものがある。
その宝物があるから、
私たちはまたゴルフに行きたくなるのだと思います。⛳️
最後に、あなたに聞かせてください
あなたがゴルフをしていて、
「スコア以外で幸せを感じた瞬間」は、どんなときですか?
仲間との何気ない会話でも、
忘れられない景色でも、
たった一球の気持ちよさでも大丈夫です。
よければコメントで、あなたの心に残っている一日を教えてください。

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