夜の練習場で気づいた、飛ばすための小さな間
『力より間が結果をつくる』
飛ばしたいときほど、少しだけ待つ。
その小さな「間」が、ゴルフをやさしくしてくれることがあります。
夜の練習場、あの欲張りな一打
仕事を終えて向かう夜の練習場。
駐車場から見上げると、打席の明かりが夜空の中に浮かんでいる。ネットの向こうは暗く、ボールが落ちていく先まではよく見えない。
それでもクラブを握ると、不思議と体が動きたがる。
マットの上でいつも通りに構え、テークバックして、振り抜く。
──きれいに当たった。
手のひらに残る、芯をとらえた感触。
柔らかくて、澄んだ音。
「気持ちいい。もう一回、もっと飛ばそう」
そう思った瞬間から、肩に少し力が入り始める。
「よし、次はもっと」の落とし穴
いい当たりの後、ゴルファーは欲張りになる。
これは初心者だけではありません。何年やっていても、私自身もつい同じことをしてしまいます。
レッスンで一本きれいに打てたあと、「もう一本、いいところを見せよう」と思った瞬間に、余計な力が入ることがあります。
力を入れると、体は固くなる。
体が固くなると、タイミングがずれる。
タイミングがずれると、また力で何とかしようとする。
こうして、気づけば「力みのループ」に入っている。
悔しいけれど、これはゴルフをする人なら何度も経験する、正真正銘のゴルフあるあるだと思います。
生徒さんが見せてくれた、ある光景
以前、レッスンをしていた30代の男性のことを思い出します。
飛距離へのこだわりが強く、いつも全力でクラブを振っていました。
「もっと飛ばしたいんです」
毎回そうおっしゃるのですが、力めば力むほど、ボールは右へ左へ散っていく。
ある日、私はこう伝えました。
「少しだけ、自分の力で振る意識を減らして、クラブに仕事をしてもらいませんか」
最初は少し不安そうでした。
でも、力を少しゆるめて振った一球が、ふわっと前へ伸びていったんです。
本人がいちばん驚いていました。
「え、なんで力を抜いたほうが飛ぶんですか」
そのとき私は、こう答えました。
「道具を正しく使えると、思っているほど力はいらなく感じるんです」
『力より間が結果をつくる』という言葉の意味
ここで大切なのが、「間」です。
間とは、ただゆっくり振ることではありません。
力を抜いて、ふにゃふにゃに振ることでもありません。
体、腕、クラブ、シャフト、ヘッド。
それぞれが順番に動き、力が自然に伝わっていくための、ほんのわずかな時間差です。
悪い力みは、体を固めてしまい、自分だけが頑張りすぎている状態です。
一方で、いい力の使い方は、力を入れているのに、どこかしなやかに見えます。
プロのスイングがスムーズに見えるのに飛ぶのは、力を使っていないからではありません。
無駄な力を使わず、必要な力をクラブに伝えているからです。
ボールを自分で叩きにいくのではなく、クラブがボールを打ってくれる。
その感覚に少しでも近づいたとき、同じ力感なのに、ボールが思った以上に伸びていくことがあります。
だからこそ、いい当たりの後ほど、一度立ち止まってほしいんです。
「よし、次はもっと」と思った瞬間ほど、体はすでに固まり始めています。
そんなときは、ボールをすぐに置かない。
クラブを持ったまま、ひと呼吸する。
たったそれだけで、次の一球が変わることがあります。
今日から試してほしい、たった一つのこと
いい当たりが出た直後に、必ずひと呼吸置く。
深く吸って、ゆっくり吐く。
そして、「自分が振り回す」のではなく、
「クラブに打ってもらう」と思って構える。
これだけで、肩の力が少し抜けます。
グリップの強さも、ほんの少しやわらぎます。
もちろん、すぐに毎回うまくいくわけではありません。
私もいまだに、気持ちよく当たった後ほど欲張ります。
でも、その欲張りな気持ちに気づけるだけでも、
ゴルフは少しやさしくなります。
気持ちいい、あの飛び方が忘れられなくなる
夜の練習場、最後の一球。
深呼吸を一つ入れて、ゆっくり構える。
自分が無理に振りにいくのではなく、クラブが自然に走っていくのを待つ。
カチン、と澄んだ音がして、白いボールが暗いネットの奥へ吸い込まれていく。
その感触が手に残ったまま帰る夜は、少しだけ心が軽い。
急がなくていい。
無理に力まなくていい。
力より、間。
その小さな余白が、次の一球を気持ちよくしてくれるのかもしれません。
最後の問いかけ
あなたは、いい当たりの後に「もう一球!」と力んでしまった経験、ありますか?
ぜひ、あなたの「ゴルフあるある」をコメントで教えてください。

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