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また一緒に回りたい人が、ゴルフでは長く勝つ

『相手を立てる人は長く勝つ』

ゴルフの勝ち方は、スコアだけではない気がします。
一緒に回った人の心に、どんな空気を残せるか。
そこにも、長く続く強さがあると思うのです。


日曜の朝、隣の球が気持ちよく飛んでいった

六月の日曜日。
朝のコースは、スタート前から少しにぎやかでした。

ティーグラウンドには芝の匂いが漂い、ひんやりした空気が肌に触れる。
遠くから「ナイスショット!」という声が聞こえ、白い球が青空に吸い込まれていく。

同伴者が打った瞬間、いい音がしました。

乾いた音。
フェアウェイの真ん中。
しかも、自分より明らかに遠い。

その瞬間、心の中が少しだけざわつきます。

「次は自分も飛ばさなきゃ」

そう思った時には、もうグリップを強く握り直していました。

こういうこと、ありませんか。


比べてしまう気持ちは、誰にでもある

ゴルフは個人競技と言われます。
でも実際のラウンドは、いつも誰かと一緒です。

だから、同伴者のショットは思った以上に自分の心へ入ってきます。

「あんなに飛ぶのに、自分は……」
「ここでミスしたら恥ずかしいな」
「負けたくないな」

そう思うことは、決して悪いことではありません。
私も何度もあります。

むしろ自然な感情だと思います。

ただ、その焦りを持ったまま振ると、だいたい結果はよくありません。

力が入る。
リズムが早くなる。
芯を外す。
そしてまた焦る。

ゴルフは不思議なくらい、心のざわつきが球に出ます。


「いい球ですね」の一言が言えなかった頃

正直に言うと、私も昔は同伴者を素直に褒められない時期がありました。

相手がいいショットを打つたびに、
「いい球ですね」と言いながら、心の中では「負けてたまるか」と思っていました。

特にコンペや競技の場ではそうでした。

相手の好プレーを認めると、自分が一歩下がったような気がしていたのです。

でも、そういう日のラウンドは、たとえスコアで勝っても後味があまり良くありませんでした。
なぜか疲れて帰ることが多かった。

今思えば、ずっと誰かと戦っていたのかもしれません。
相手とも、自分の小さなプライドとも。

素直に相手を称えられるようになったのは、
競技ゴルフから離れて、ゴルフを楽しむ時間として見られるようになってからでした。


Wさんのひと言が、場を変えた

先月のラウンドレッスンで、印象に残ったことがあります。

参加者は私を含めて4人。
その中に、ゴルフ歴2年ほどの女性、Wさんがいました。

ラウンド中盤。
ベテランのMさんが、難しいアプローチを見事にピンそばへ寄せました。

その瞬間、Wさんが明るい声で言いました。

「わぁ、すごい!どうやったらそんなに寄るんですか?」

その一言で、場の空気がふっとやわらかくなりました。

Mさんも嬉しそうに、
「こういう時はね……」
と、少し照れながら教えてくれました。

そこからのラウンドは、不思議なくらい穏やかでした。

Wさん自身のスコアは、決して良かったわけではありません。
でもラウンドが終わった後、みんなが口をそろえて言いました。

「また一緒に回りたいですね」

その日のWさんは、スコアとは別の場所で、間違いなく勝っていたと思います。


『相手を立てる人は長く勝つ』

この言葉の「勝つ」は、スコアで勝つという意味だけではない気がします。

一緒に回った人が、
「またこの人とゴルフに行きたい」
と思ってくれること。

自分自身も、帰り道に気持ちよくクラブを片付けられること。

これも、ゴルフの中にある大切な勝ち方です。

相手を立てることは、相手のためだけではありません。

「いい球でしたね」
「今の音、気持ちよかったですね」
「ナイスアプローチです」

そう声に出した瞬間、自分の中の焦りが少しほどけることがあります。

相手を認めることで、自分の心も落ち着く。
場の空気が整う。
そして、次の一打に少し余裕が生まれる。

ゴルフは、技術だけでできているようで、実は空気の影響をよく受けるスポーツです。

ピリピリした空気の中では、簡単な一打も難しくなる。
反対に、あたたかい空気の中では、少しくらいミスをしても笑って戻ってこられる。

だから、相手を立てられる人は強いのだと思います。

その人がいるだけで、ラウンドが楽しくなる。
また誘われる。
また一緒に回る。
そうしてゴルフが、長く続いていく。


今日から試せることは、一つだけです。

次のラウンドや練習場で、誰かと一緒にいる時。
相手のいいところを一つ見つけて、短く声にしてみてください。

「いい球ですね」
「テンポがきれいですね」
「今のフィニッシュ、安定してましたね」

大げさに褒めなくて大丈夫です。
小さな一言で十分です。

慣れてくると、相手のいいところが自然と見えるようになります。

そして不思議なことに、相手を見る目がやさしくなると、自分を見る目も少しやさしくなります。


気持ちよく回れた日の帰り道

日曜の午後。
ラウンドを終えてクラブハウスへ戻る道。

芝の上を歩くスパイクの音。
少し汗を含んだグローブ。
カートの中で交わす、何気ない会話。

「今日のあの一打、よかったですね」
「次はあのコースも行きたいですね」

そんな言葉が自然に出る日は、スコアに関係なく足取りが軽いものです。

ゴルフを長く続ける理由は、きっとそこにあります。

相手を立てられた一日は、自分の心も少し整う。
そしてまた、次の日曜もクラブを握りたくなる。⛳


あなたは一緒に回って「また行きたい」と思った人の、
どんなところが好きでしたか?

コメントで教えてもらえると嬉しいです。

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