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攻めない強さが、18ホールを守ってくれる

『崩れにくい人は、無理な勝負を増やさない』

攻めることだけが、ゴルフの強さではありません。
ときには「あっさり引く」一打が、一日の流れを守ってくれます。


ティーグラウンドで始まる、小さな駆け引き

木々の匂いが濃くなる夏のコース。

ティーグラウンドに立つと、前方には狭いフェアウェイ。
その先には池やOBゾーンが待っています。

風が頬を撫で、遠くでカートの音が響く。

クラブを選ぶほんの数秒、頭の中では小さな駆け引きが始まります。

「刻んで安全にいくか。それともドライバーで攻めるか」

そんなとき、同伴者の視線を感じてふと浮かぶのが、
「ビビったと思われたくない」という気持ちです。

本当は刻みたいのに、見栄がクラブを持つ手を変えてしまう。
そんな経験、ありませんか。


「攻めなきゃ」と思ってしまう気持ち

ゴルフを始めた頃は特に、周りと自分を比べてしまいます。

一緒に回る人がドライバーを持てば、自分も持たなければいけない気がする。

安全なクラブを選ぶことが、どこか「逃げ」のように感じてしまうこともあります。

でも実際には、無理な一打からOBや池に入り、その後まで焦ってしまうことのほうがスコアには響きます。

周りの目と勝負しているうちに、自分のゴルフから少しずつ離れてしまうんですよね。


私も、見栄で何度も崩れました

こう書いている私自身、若い頃は何度も「格好つけたい」に負けてきました。

狭いホールでもドライバー。
池越えでも「いけるだろう」と強気に攻める。

そして、だいたい痛い目を見る(笑)。

今でもドライバーが曲がっている日に、なぜか小細工をしてまで使いたくなることがあります。

頭では分かっていても、見栄という感情はなかなか手強いものです。


男子プロの試合を見て驚いたこと

研修生をしていた頃、勤めていたゴルフ場で男子プロの試合が開催され、観戦したことがあります。

「トッププロなら、とんでもなく攻めるんだろうな」

そんな期待をしながら見ていました。

ところが、印象は少し違いました。

よく知っているコースだったからこそ分かったのですが、トッププロほど無理な場所には打っていかない。

危険なところを避け、次のショットを打ちやすい場所へ淡々とボールを運んでいく。

むしろ無謀さだけなら、私たちのほうが上だったかもしれません(笑)。

もちろん、そこからが別世界です。

アイアンの精度、グリーン周りの技術、そしてパター。

「そこからそんなに寄るの?」というショットを重ねながら、気づけばあっさり60台で回ってくる。

このとき私は、「上手い人ほど、全部の場面で勝負しているわけじゃないんだ」と感じました。


無理な勝負を、一つ減らす

『崩れにくい人は、無理な勝負を増やさない』

強さとは、いつでも攻めることではなく、どこで勝負するかを選べることなのだと思います。

18ホール、すべてで格好いいショットを打つ必要はありません。

無理な勝負を一つ減らすことは逃げではなく、最後まで自分のゴルフを続けるための選択です。


今の一打ではなく、その次を考えてみる

次にコースへ行ったら、ティーショットの前に一つだけ考えてみてください。

「次の一打を、どこから打ちたいだろう?」

ただ遠くへ飛ばすのではなく、次に自分が安心してグリーンを狙える場所を考えてみる。

その答えがドライバーではないホールも、きっとあります。

そして予定どおりにいかなくても大丈夫です。

「250ヤードくらい飛ぶと思っていたのに、まだ200ヤードも残ってるぞ」

そんな現実が見えることもあります。

でも、その「なんでだろう?」も大切な情報です。

今の自分の飛距離や得意な距離が分かれば、次のラウンドではもっと自分に合った選択ができます。


18番で笑っていられるゴルフを

夕方のコース。

最終ホールを終えて振り返ると、無理をしなかったホールほど、不思議と穏やかな記憶として残っていたりします。

攻め続けなくていい。

引くところで、あっさり引く。

そんな一打を選べた日は、スコアカードの数字以上に少しだけゴルフが分かった気がします。

そう思えると、ゴルフはもっと長く楽しめるものになります。


あなたは、なんとなくドライバーを持って打ってませんか?


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