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学校で防災キャンプ

能登半島地震から、2年が経過しました。


私が勤める学校では、能登半島地震が起きた後に、私たちにできるアクションについて考え、実際に募金活動を行いました。そのときの記録を以下にまとめています。

今回の防災キャンプでは、実際に能登半島地震での避難所での生活を調べ、避難所でのシュミレーションを行います。このシュミレーションを通して、実際の避難所での暮らしを経験し、普段から災害に対してどのように準備をしたら良いのかについて学ぶ機会にできたらと考えています。

防災キャンプとは

防災訓練の一種である「防災キャンプ」とは、アウトドアを体験したり、避難所に泊まったりすることで、避難生活を疑似体験する活動です。ガス・電気のない生活を通して、防災について楽しく学べます。
普段当たり前のようにある環境が崩れるリスクを、肌で感じられる良いきっかけになるでしょう。 ただ知識を教えてもらうだけでなく、自分の頭で考え、手足を動かして試行錯誤するので、より実践的なスキルが身に付くのが魅力です。

引用:Jackery(リンク

今回の防災キャンプは、アイデアだけ私から子どもたちに提案し、子どもたちが「やってみたい」という声が上がり、本企画が生まれました。大人が一方的に企画を実行するのではなく、子どもの意思で企画を進めていくことを重要視しました。これによって、自分たちで防災キャンプの意義を理解し、事前学習から準備まで、学習者主導で進めていくことにつながっています。

また、このキャンプや大人の指示でやって終わりではなく、そもそも避難所での暮らしとはどういうものなのか、なぜ避難所での暮らしは大変なのか、どのような準備をしたらよいのかを調べ、持ち物を自分たちで決めていきます。

防災キャンプで身につけたい資質・能力(=コンピテンシー)

ここでは、田村学氏の『「ゴール→導入→展開」で考える「単元づくり・授業づくり」』の評価規準の作成方法を参考に言語化してみます。

今回のキャンプでは、子どもたちに身につけてほしい資質・能力は次のとおりです。

<準備編>
防災キャンプの持ち物について、避難所(非日常)での生活をシュミレーションしながら、自分で必要な持ち物を準備する。
<実践編>
防災キャンプにおいて、準備した限られた持ち物を工夫しながら、生活することができる。

今回のキャンプを通して、子どもたちには、非日常の生活でも事前にシュミレーションし準備をすることで、限られたもので工夫して生活することができることを感じてほしいと考えています。

ここからは準備編と実践編に分けて学びのデザインを紹介します。

事前学習1:避難所での生活を調べる

⚫︎調べる内容
能登半島地震の避難所での生活をリサーチする。
① 大変だったこと
② なぜ、大変だったのか
③ どのような準備が必要そうか?

実際に、調べたことのシェアを行いました。

① 大変だったこと←②その理由について
・寝ること←場所が狭い、電気が止まっていて寒い
・トイレ←場所がない、仮設トイレが汚れている
・喉がかわく、手が洗えない、お風呂に入れない←水が止まっている
・栄養不足になる←食料が不足
・余震が危ない←電気が止まっている
・デマの情報が流れる←インターネットが使えないので、情報が遮断
・心理的ストレス

これらの情報をもとに、防災キャンプでは実際の避難所での生活をシュミレーションできるような環境で非日常な生活を行います!

⚫︎状況の設定
電気・水道・ガス・インターネットが止まった状況
*仮説トイレは設置済み
*デバイスは充電が5%以下(モバイルバッテリーはなし)

事前学習2:必要な準備を考える

⚫︎調べる&考える内容
必要な持ち物
① 何のために
② 何を
③ どれくらいの量

まずは、個人で考えてきたことから、以下のように持ち物リストの作成を行いました。少ない人は、5個程度、多い人は25個以上書き出している人もいました。まずは、個人で書き出して、次にグループ内でシェアを行い、この持ち物で本当に、避難所での生活(電気・水道・ガス・インターネットが止まった状況)を乗り切れるのか、確認するワークを行いました。

さらに、グループワークで、避難所で本当に必要なものについて考えるために、以下の2つの問いについて考えてもらいました。

⚫︎ディスカッションする内容
① 必要な持ち物BEST5とその理由
② 必要な1人当たりの1日の水の量とその根拠

全体の意見を見ると、BEST4までに、水、防災食、寝具、懐中電灯を全てのチームが選んでいました。5つ目では、カセットコンロ、歯ブラシ、使い捨ての食器を選んでいました。

また、必要な水の量も3Lから4L(飲み水1L, 食料用1L, 手洗い+歯磨き1L,予備 )の意見が多かったです。

算数で習った単位の考え方を活用して、必要な水の量を計算して考えていました。

このキャンプでは、何を準備するのかについて学校側から提示することはありません。自分たちで過去の避難所での生活についてリサーチしたことをもとに、キャンプの条件を考え、その環境で生活をするために必要な準備を自分で考え、家族と準備を行います。

実践編(持ち物):

12時集合で、徐々に避難所である学校に子どもたちが集まってきます。その時に、改めて子どもたちには以下の避難所での生活での暮らしについてまとめたしおりを配ります。

まずは、自分がキャンプ開始前に、自分がもってきた持ち物の優先順位ベスト10とその理由(左側)を書いてもらいました。右側はキャンプ後に実際に経験した後の変化を書いてもらいました。

私自身、冬の避難所での生活を甘くみており、汗をかいた後に着替えがないと体がとても冷えること、寝袋なしでは到底寒さが凌げないことを学習しました。また、ガスコンロも温かいご飯を食べるにはあるとかなり便利であることを学びました。

実践編(寝床編):

明るいうちに、夜に備えてしっかり準備をしていました。

実践編(食べ物):

最近は、発熱剤で熱々のご飯が食べれる防災食があることに驚きでした。

防災食として、缶詰をもってきている人もいました。

カセットコンロがあると、とても便利でした。水だと調理に1時間かかるところが、お湯だと10分程度で調理を完了して食べることができていました。何より、冬は身体を温めるために、温かいご飯は結構重要かもしれません。

実践編(リフレクション):

今回のキャンプでは、主催した5年生にリフレクションの問いまで考えてもらいました。

問い① 防災キャンプを通して何を学んだのか?
問い② 日頃から防災をすることにどんな意味や大切さを感じたのか?

問い① 防災キャンプを通して何を学んだのか?
・水は、料理は普通の飲み水、歯磨きなどをするためにめっちゃ重要だということ/水があったらなんでもできる。
・防災食が意外と美味しい。
・ガスコンロがないとほとんど何も作れない。
・懐中電灯がないと、何も見えなくて人とぶつかる可能性があること。
・自分がいつも当たり前だったことができなくなるし、対策をしていないと命に関わる。
・いつ起きるのかわからないから、色々準備が必要である。
・日常は当たり前ではなく、水や食べ物は大切にしないといけない。
・今回は外で遊ぶことができたけど、実際の避難所では外で遊ぶことができず、ストレスが溜まると思う。
・眠るために、アイマスクが必要。
・協力することで快適に過ごせる。
・能登半島にいる人々の苦しさやお腹が空いた時の辛さ、夜がすごく長く感じること。
・ごみが大量発生すること。
・昼間のうちに夜の準備をしておくと楽になる。
・ご飯も汁が出ない食べ物だとゴミ(カップラーメンの汁の処理)が少なくなることを学んだ。
・準備をしていないと他の人に迷惑をかけてしまうこと。
・自分だけで抱えて頑張るのではなくて、みんなと協力することで新しい学びや知識が増えること。

問い② 日頃から防災をすることにどんな意味や大切さを感じたのか?
・日頃から防災をすることで、災害が起きた時に食糧や水が不足せず、快適に過ごすことができる/安心することができる
・いつ起きるのかわからないから、日頃から対策をすることで命を落とすことを回避できる
・本当の災害が起きた時に、心配や怖い気持ちを抑えられる。
・生きる方法を身につけることができる。
・自分で命が守れるようになる

私自身も、今回の防災キャンプは実際の避難所を想定して個室ではなく、子どもたちと同じ空間で寝泊まりをしました。とてもリアルな状況だったからこそ、私自身多くの学びがあった1泊2日になりました。

いつも読んでいただきありがとうございます。

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