おもちゃ箱 第18話

神「……ん」

次に私が目覚めたのは、闇の中だった。

神「ん!! ん~!!」

辺りは真っ暗で何も見えない。

 ほんの少しだけ真上に穴が開いており、そこから光が差し込んできていた。

 手足は縛られているようで、動かすことができなかった。

神「(何がどうなってるの?)」


ガタッ。

神「!!」

外で何か音がした。

ギィィ。

 次に何かが開く音がし、開いた隙間から光が差した。

私はあまりの眩しさに目を瞑った。

?「はっ!? 何……これ」

聞き覚えのある声が私の耳に飛び込んできた。

私はゆっくりと目を開けた。


そこには、驚いた顔をした由梨ちゃんがいた。


神「(由梨ちゃん!? なんで? もしかしてここ、私の家!?)」

私はパニックに陥っていた。

 しかも良く見ると、私は何も衣服を身に付けていなかった。

つまり裸だったのだ。

ますます訳が分からなくなった。

由「もしかして……これがネットで話題の『おもちゃ箱』?」

神「(おもちゃ箱?)」

前に週刊誌で読んだことがある。

今話題になっている事件だ。

そして、深堂君が巻き込まれた事件。

私がそれに巻き込まれた?

一体なんで?

私の頭の中はグチャグチャだった。

由「……」

由梨ちゃんはポケットから携帯を取り出した。

神「(警察に連絡してくれるのね。けど、出来れば女の刑事さんを呼んでほしいな)」


パシャ。

神「(えっ?)」

由梨ちゃんは警察を呼ぼうとはしなかった。

 それどころか、私に携帯のカメラを向け写真を撮り始めたのだ。

神「(何!? 一体何をしてるの!?)」

由梨ちゃんは何度も写真を撮る。

何度も何度も。

私にはその行動が理解できなかった。

 次に由梨ちゃんは携帯を動かし、何か文字を打っているようだった。

由「よし、これで投稿っと」

由梨ちゃんは私を見て笑みを浮かべた。

由「私さ。あんたのこと嫌いだったんだよね。一々お節介焼いてさ。『私やってあげたよ。偉いでしょ』みたいな笑顔向けてさ。頼んでねぇっての!! あ~あ。どうせなら別の人の家に行きたかったなぁ」

私は頭の中が真っ白になった。

彼女が私のことを嫌いなのは理解していた。

けど、ここまでとは思っていなかった。

神「(私がやって来たことは無駄だった……)」

私は自然と涙を流していた。 

由「うわっ。スゴいコメント。どんどん拡散されてる~。これで私も有名人」

彼女はそう言ってはしゃいでいた。

神「(こんな、こんなやつのために私は今まで……)」

私は初めて由梨という女に殺意を抱いた。


カチッ。

ドォォォ……ン。

私の視界は真っ暗になった。

 最後に見たのは、携帯を見ながら悪魔のような笑顔を浮かべている由梨の姿だった。


<桂子 side end>

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