赤マント 第20話
探偵、美濃部浩一
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ブーッ、ブーッ……。
携帯のバイブ音が静かな部屋に響き渡る。
?「ん~? ……っとちょっと待ってくださいねぇ~」
俺は両手に持っていたカレーと水を机に置くと、携帯を手に取った。
?「もしもし?」
?『もしもし? そちら美濃部探偵事務所で間違いありませんか?』
?「はい。浮気、ストーカー何でも定額で調査させていただいてます、美濃部探偵事務所です」
?『実は調査して欲しいことがあるんですけど……。良かったら会ってお話出来ませんか?』
電話の相手に俺、美濃部浩一(みのべ こういち)は驚いた。
俺は待ち合わせ場所の喫茶店に着いた。
俺は店のドアを開けた。
マ「いらっしゃいませ」
美「こんにちは。マスター」
この店は俺の行きつけだ。
依頼人との待ち合わせに使わせてもらっている。
マ「お客様は既にあちらに」
美「ありがとう。あ、いつものやつでお願い」
マ「畏まりました」
俺はマスターとの会話を終えると依頼人の元へ向かった。
美「ごめん。待たせちゃったね」
翼「ううん。時間ピッタリだよ」
依頼人は中学時代の同級生、七咲翼だった。
美「にしても驚いたよ。まさか七咲から依頼が来るなんて。中学時代あんまり喋ったこと無かっただろ?」
翼「そうだね。でも俺も驚いた。美濃部が探偵してるなんて」
美「いやぁ。昔から探偵ってやつに憧れててさ。結構苦労したよ」
翼「そうなんだ……」
七咲はそう言って苦笑いを浮かべた。
美「さて、昔話に花を咲かせるのも良いけど、その前に依頼内容を聞こうか」
翼「うん。……美濃部は『赤マント』って知ってる?」
美「……は?」
俺は七咲から今までの話を聞いた。
同級生が殺されていること、七咲の実習生時代の友達が疑われていること、そして『赤マント』と呼ばれている人物が関わっていること。
七咲の説明はとても分かりやすかった。
流石教師だ、と感心した。
美「なるほど。つまり七咲は卯野崎や雪嶋が今回の事件について何か知っていて、それを隠してると思ってるんだな?」
翼「うん」
美「10年前って言えば中学3年か? そん頃だったら七咲の方が詳しいんじゃないのか? 受験勉強だって一緒にしてたんだろ?」
翼「それが、中学3年に関してはあんまり2人と話した記憶がないんだ。受験に追われてたのもあるんだけど、なんかあの頃は2人に避けられてたような気がする。まぁ、卒業式の時は3人で仲良く写真撮ったりしてたんだけど」
美「避けられてた……」
俺は少し考えた。
美「なぁ、その避けられてたのって正確にはいつからだ?」
翼「いつからって……。修学旅行の頃からかな」
美「修学旅行……」
俺は納得した。
美「……分かった、調べてみるよ。多分3日もかからずに結果が出ると思う」
翼「ありがとう。仕事が中々休めないもんだからさ。誰かに手伝って貰おうかと思ってたところだったんだ」
美「俺もちょっと気になってたからな。ちょうど良いよ。……それより、俺が探偵になったって誰から聞いたんだ? 俺誰かに話した覚えないんだけど」
翼「俊介から。今回の事件のことで皆の就職先とか調べてたみたいで……。俊介も驚いてたよ」
美「……そんなことをペラペラと話してるのか。卯野崎は」
……警察としてそれは良いのだろうか。
美「……とりあえず、メールアドレスと電話番号教えといてくれるか? 」
翼「うん」
俺はあるひとつの出来事を思い出していた。
もしあの事が関係しているのなら、俺にも責任があるかもしれない。
その事を確かめるため、俺は京都に向かった。
修学旅行で行ったあの京都に。
<浩一 side end>
