おもちゃ箱 第38話
送り先は……
その日、聖陽は大学が休みであったため、家で本を読みながらくつろいでいた。
机には作りかけのミニチュアの家が置かれていた。
今回のテーマは『お化け屋敷』だそうだ。
外観を寂れた家のように塗装し、ヒビなどを描き入れた。
部屋の中は暗く、敢えて椅子を倒したり鏡を割れたようにし、雰囲気を演出した。
構想を練って作業を始めてから2週間になる。
聖陽はリアリティーを追求していた。
ピンポーン。
時「ん? 誰だ?」
聖陽は玄関に向かいモニターを見た。
見ると、宅配業者のようだった。
時「はい」
宅『あ、宅配便で~す』
時「ちょっと待っててください」
聖陽はドアを開けた。
目の前には宅配業者の男性、後ろには大きな荷物を乗せた車があった。
時「これって……」
聖陽は疑問を持った。
宅「すいません。サインお願いします」
時「あ、はい」
サインを書くと、宅配業者の人に荷物を玄関まで運んでもらった。
宅「ありがとうございました~」
宅配業者の人が帰ると、聖陽は急いで工具とハサミを用意した。
時「……フゥ」
ひとつ息を吐くと、袋を破り箱を開けた。
時「……やっぱり」
中には、裸の女性が入っていた。
茶髪な髪、ふっくらとした胸。
見た感じ20代前半といったところだろうか。
眠っているのか、ピクリとも動かない。
時「もし起きたときに、暴れられたら厄介だ。今のうちに……」
聖陽は奏の話を聞いたこともあり、爆弾の解除の仕方も散弾銃の外し方も知っていた。
聖陽はトンカチを使ってボルトを軽く叩き続け、少し抜けてきたところでニッパーを使って少しずつ引き抜いていった。
時「……ふぅ」
聖陽は上手くボルトを引き抜くことができた。
聖陽は散弾銃を取ろうと手を伸ばした。
時「…ん?」
良く見ると、散弾銃にボルトについていた釣糸と別にもう1本釣糸がついていた。
引き抜いたボルトと反対側のボルトにも釣糸がついていた。
その釣糸をたどると、釣糸は爆弾と思われる機械から出ているものだった。
それにはタイマーがついており、時間を見ると残り5秒を切っていた。
時「5秒!?」
聖陽は慌てた。
急いで外に出ようとするが、足が縺れて転んでしまった。
時「クソッ!!」
聖陽はその場で頭を抱えて丸まった。
バァァァ……ン。
ものすごい音がしてから数秒。
聖陽は恐る恐る頭を上げた。
時「生き……てる」
彼の体にはひとつも怪我はなかった。
だが、良く見ると彼の体には所々血が付いていた。
時 「血!? なんで……」
彼はそこで箱を見た。
時「ッ!! ……ハァ!! ……ハァハァハァ……」
彼は壁に背を付いて息を整えた。
体からは汗が吹き出していた。
箱の中には、頭が吹き飛び、体に複数の穴が開いた女性の姿があった。
