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「~マン」とつく曲は良い曲が多い



BUMP OF CHICKEN 「ロストマン」


BUMP OF CHICKENの4枚目「ユグドラシル」の13曲目「ロストマン」

BUMP OF CHICKEN自体は全然聴き込めていないですが、痛みの表現が秀逸なバンドだなあ。と感じます。過去の後悔、鈍い痛みを抱えながら(どんな人間でも大なり小なり過去に対し後悔や痛みを抱えるものです)、これから行く先が正しい道なんて誰にも分らないが、しかし祈りを込めて迷いながら歩き続けるしかないだろう、歩き続けよう、という切なくしかし力強い、一見儚げながらもその実メラメラと燃える赤い炎よりも温度の高い青い炎のような、静かだけど確信に満ちた思い、覚悟を「ロストマン」から感じて取れました。(何を言っているんだか自分でもよく分からないが)これから歩む道が正しいとは限らないが、間違った道を歩んでいるのかもしれないが、苛立って絶望にかられ思わず地図を破ってしまいそうになるが、もはや目はかすんでいるが、それでも自分の理想?希望?(もはや目指すそれとはなんなのか?それすらも見失っていないか?)との再会を祈りながら、自問自答繰り返しながら、迷いを抱えながら歩きつづける、祈り続ける、その姿、その覚悟、にこそ人間の切なさと美しさがある。あるのではないだろうか!どうだ!
聴いてると魂が浄化されますね。エモーション込めて歌いたい。

「ロストマン」の男の失ったものとは何でしょうか。理想の未来でしょうか。美しかった過去でしょうか。(公式な解釈があるのかもしれませんが、私はこのバンドに無知なので勝手に妄想します。)進べき道、歩むべき目標をロストしてしまったのか。それとも過去の自分に確かにあった思い、温もり、を捨ててしまった、あるいは気づかぬうちに失くしてしまったのか。人生とはかつて確かに自分の核としてあった大切な何かを(意図的にせよ無意識にせよ)捨て、そして誰も知ることのない明日へと心のまま歩むものです。人生とはtomorrow never knowsなのです。しかし、いつのまにか失ってしまった、あるいは失ったと思い込んでいた過去の自分にも、いつかどこかで思わぬ形で再会するかもしれません。それもまたtomorrow never knowsであります。(何を言っているんだか自分でもよく分からないが)


状況はどうだい 僕は僕に尋ねる
旅の始まりを 今も思い出せるかい
選んできた道のりの正しさを祈った

始まりがまず良い。ふと今の自分がどこに向かっているのかわからなくなった時の「旅の始まりを今も思い出せるかい」という感覚は、誰にもあると思います。


色んな種類の足音耳にしたよ
沢山のそれが重なってまた離れて
淋しさなら忘れるさ 繰り返すことだろう
どんな風に夜を過ごしても 昇る日は同じ

「昇る日は同じ」の所の、悲壮な決意。


破り損なった手造りの地図 辿った途中の現在地
動かないコンパス 片手に乗せて 霞んだ目凝らしてる
君を失ったこの世界で 僕は何を求め続ける
迷子って気づいていたって気づかないフリをした

地図はあくまで手造りで、破り損なった、とは破いてしまおうと思ったけど出来なかった。という事かな。手造りの地図に確信が持てなくて、しかし今まで歩んできた道のりを信じたくて、迷子だと薄々は感づいていても、あるいは明確に気づいていても、気づかないふりをする。人生において未知の局面に挑戦する時、怖くて仕方がないとき、こういう思いに人は駆られてしまうものなのかもしれません。


状況はどうだい いない君に尋ねる
僕らの距離を 声は泳ぎ切れるかい
忘れたのは温もりさ 少しずつ冷えてった
どんなふうに夜を過ごしたら 思い出せるのかな

歩みを続けるにつれ、自分の中に確かにあったものが失われることを自覚する。しかし。


強く手を振って君の背中に さよならを叫んだよ
そして現在地 夢の設計図 開くときはどんな顔

何かに別れを告げるとき、何かを失う時。
それはまた、何かを得るときでもあります。
時には力強く、痛みを伴って、泣きながらさよならを叫ぼうじゃないか。
そんな経験が人を強くするものなのです。(しみじみ)


これが僕の望んだ世界だ そして今も歩き続ける
不器用な旅路の果てに 正しさを祈りながら

「これが僕の望んだ世界だ」の所がいいです。
歌声が震えているように感じるのですが、感情が昂って手が震えている時のようで、恐れと痛みを抱きながらも、「これが望んだ世界なんだ」と言い聞かせながら、堪えながら、覚悟をもって引き受けていくようで、いいです。
(結局、いいです。としか言えない。良いところを伝えるのって難しいですね。。)


時間はあの日から止まったままなんだ 遠ざかって消えた背中
ああロストマン気づいたろう 僕らが丁寧に切り取った
その絵の名前は 「思い出」
強く手を振って あの日の背中に さよならを告げる
現在地 動き出すコンパス さあ行こうか

さあ行こうか!と言う所がよい。さあ行こうか!


破り損なった手造りの地図 しるしをつける現在地
ここが出発点 踏み出す足は いつだって初めの一歩
君を忘れたこの世界を 愛せたときは会いに行くよ
間違った旅路の果てに正しさを祈りながら 再開を祈りながら

もはや当初の理想はロストしているのかもしれないが、旅路は間違っているのかもしれないが、しかし人生なんてそんなもの。手造りの地図に今の現在地のしるしをつけ、ここを出発点として、僕の望んだ世界を進もう。この世界を愛せたときは希望や理想ときっと再会しよう。きっと愛せるだろう。
そうか。これは人生の賛歌だったのですね。そうなのか?私はそう受け取りました。


Pearl Jam 「Better Man」


Pearl Jamの3rd「Vitalogy」の11曲目「Better Man」

私の最も好きなアメリカのロックバンドはPearl Jamです。
全然日本で人気無いのですが。。。特に30代の頃なんかは人生のサントラかという位聴きこんでいました。

Pearl Jamのボーカルのエディ・ヴェダーという人を一言で言うならば
「熱き血潮を持った正義の人」です。
とかく「正義」という言葉が相対化されがち、警戒されがち、陳腐になりがちな複雑な世の中ですが、しかしその中にあって敢えて「正義」という言葉を信じたくなる、乗ってみたくなる、その背中について行きたくなるのが、エディ・ヴェダーという存在です。この俺がこんなに言うんだから間違いない。

出典忘れちゃったんですが。。。「パール・ジャム20」というビデオだったかな。
ある時、深夜ラジオに出ていたエディの元に、リスナーが悩み相談の電話をしてきて、そのリスナーが死を考えている様な事を言った所、熱くなったエディが「俺に電話して来い!」と言って思わず自分の電話番号を口走り、えらいことになったという逸話があります。

パール・ジャム - Wikipedia

ファンとの関係
チケット・マスターとの法廷闘争など、ファンサービスに力を入れるバンドとして有名である。
人気絶頂期、ヴェダーはラジオの生放送番組出演中に対応した自殺志願のティーンエイジャーからの電話相談を真剣に受け止め、興奮の余り自宅の電話番号を放送中に相手に伝え「いつでも辛い時には電話して来い!」と発言。その直後、シアトル市内にある彼の自宅のエリア一帯の電話回線が数時間パンクしたため、当局から厳重注意を受けた。その後、ヴェダーへの生番組出演オファーは皆無に近い状態が続いた。
また、ヴェダーはデビューしてからしばらく全てのファンレターに直筆で返事を書く努力をしていた。事実、移動中など空き時間の多くを返信のために費やしていた姿が多くの記者に目撃されており、当時は奇行と報道されていた。しかし、3ヶ月分のレターの返信に1年以上掛かるようになったため、2ndアルバム発表後にはレターへの返信を断念した。

何というかそういう「誰も見捨てないと本気で考えている男」なんですよね。熱すぎる。本気で世界を救おうとしている。本気で正義を信じているんですよ。そしてPearl Jamの歌とはそういう歌なのです。
陳腐な言い方だけど、生きる力が湧いてくる。血が沸騰する。「正義を信じて歩め!」と鼓舞されてくる。


エディ・ヴェダーは複雑な環境に育ったそうです。
まだ赤ちゃんの頃に両親が離婚。母親は直ぐに弁護士の男と再婚し、エディの養父となりますが、エディはその養父に複雑な思いがあったようで、あまり良い関係ではなかったそうです。おそらく、母親と養父が時が経つにつれ不仲になっていったのでしょう。浮気だったりDVだったり、あるいは単なる価値観のズレなどか、実態はわかりませんが、よくある話です。
しかもエディはこの養父が実の父親ではないことをずっと知らされていなかったそうです。(Pearl Jamが売れてしばらくしてから、この養父とは和解したらしい)
エディが多感な15、16歳の頃に母親はこの養父とも離婚して、その頃のエディは音楽を聴いているとき以外は常に孤独だったそうです。


この曲「Better Man」の歌詞は、エディが10代の頃に作詞したもので、
母親とその養父との関係を、母親の視点から描いた曲になっています。
「今が幸せなんだ」と自分を誤魔化し言い聞かせる母親、矛盾と破綻に気づきながらそれを見る子供の、切ない歌です。


Waiting, watching the clock
It's four o'clock, it's got to stop
Tell him, take no more
She practices her speech as he opens the door
She rolls over, pretends to sleep as he looks her over

待っている。
時計を見ると朝の4時だ。もう止めにしよう。
彼に言おう。もうたくさんだ。
そう呟きを練習していると、彼がドアを開けた。
彼女は寝返りをうち、寝ているフリをする。

夜明けに帰ってくる再婚相手の夫に、終りを告げる事を思いながら、それが出来ない母親。


She lies and says she's in love with him
Can't find a better man
She dreams in color, she dreams in red
Can't find a better man
Can't find a better man

彼女は嘘をつく。彼を愛していると。
彼よりもましな男なんて見つからないと。
彼女は希望を夢見る、バラ色の世界を夢見る。
彼よりもましな男なんて見つからないと。
他にいい男なんていないと。

「これでいいんだ。これが人生なんだ。」と言い聞かせ、自分を誤魔化して幸せであるフリを続ける母親。


Talking to herself, there's no one else
Who needs to know, she tells herself
Memories back when she was smooth and strong
And waiting for the world to come along
Swears she knew it, now she swears he's gone

彼女は独り言を言う。「誰も知る必要はない」と。
彼女は自分に言い聞かせる。
記憶が蘇る。彼女が大胆で強かった頃、
これから訪れる世界を待っていたころの記憶が。
彼女の知っている彼は別人になってしまった。

「Memories back when she was smooth and strong」の所、エディの弾き語りからドラムが入ってきてバンド演奏になるところが鳥肌です。


She lies and says she's in love with him
Can't find a better man
She dreams in color, she dreams in red
Can't find a better man

彼女は嘘をつく。彼を愛していると。
彼よりもましな男なんて見つからないと。
彼女は希望を夢見る、バラ色の世界を夢見る。
他にいい男なんていないと。

She loved him, yeah
She don't want to leave this way
She feeds him, yeah
That's why she'll be back again
Can't find a better man

彼女は彼を愛していた。
彼女は今の生活を手放したくなかった。
彼女は彼を養っていた。
だから彼女はまた思う。
他にいい男なんていないと。

輝いていた頃、強かった頃は日々の生活で色あせて、
暮らしに追われ、再婚相手は恐らく浮気しており、それでも形式だけ整えようと、孤独を埋めようと、辻褄を合わせるように、「これでいいんだ」と、誤魔化しきれない破綻を分かっていながら、それでも誤魔化すしかない、母親となった女性の悲しさ。
そして、その背中を見る、息子エディの視点。
多感な時期のエディからしてみれば、機能不全に陥った親を断罪するような歌を歌っても良いはずですが、しかしここでエディは人生に疲れた母親に寄り添い、優しく慈しむよう赦すように歌います。
悲しくてやるせない歌詞ですが、しかし不思議な事に、この歌詞が物語として優しく歌われることにより、やるせない思いは、美しいものとして浄化されていきます。陳腐な言い方ですが、これが歌の力だと思います。


David Bowie 「Starman」


David Bowieの5枚目「The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders from Mars」(長い。。。)の4曲目「Starman」

このアルバムは、下手な映画よりもはるかに情報量の多い、コンセプトアルバムとしての大傑作なので、聴いてくださいというほかありません。

「Starman」は、音楽というものに対する、夢や希望という、人間の切なる願いを物語にしたような曲です。
退屈な日常、孤独感を忘れてくれる、希望をもたらす存在。ラジオから聞こえてくるそれは、ただのDJなんかじゃない、宇宙から来たスターマンの声だ。スターマンは僕らを解放してくれるんだ。という歌です。
アイドル、歌というものの本質、理想が、この曲には込められていると思います。アイドルとは「こういうものであるべき」だと思うのです。


Didn't know what time it was,
the lights were low I leaned back on my radio
Some cat was layin' down some rock 'n' roll Lotta soul, he said

あれは何時くらいだったろうか。日が暮れて。
僕がラジオに夢中になっていると、
ロックンロールにもっと魂を!と彼が言った。

Then the loud sound did seem to fade
Came back like a slow voice on a wave of phase
That weren't no DJ, that was hazy cosmic jive

すると、大きい音がだんだん小さくなり、
ラジオからスローな声が聞こえてきた。
これはただのDJじゃない。これは宇宙のグルーヴだ!

There's a Starman waiting in the sky
He'd like to come and meet us
But he thinks he'd blow our minds
There's a Starman waiting in the sky
He's told us not to blow it
'Cause he knows it's all worthwhile, he told me
Let the children lose it
Let the children use it
Let all the children boogie

これはスターマンだ!宇宙で待っているだ!
スターマンは僕らに会いたがっているんだ!
だけど、彼は僕らを驚かせちまうんじゃないかと思ってる。
スターマンが空の上で待ってくれている。
彼は僕らに「驚くなよ」といった。
だって彼はそれが凄いことだと知っているから。
彼は言った!
「子供たちに日常を忘れさせろ!」
「子供たちに好きにさせろ!」
「すべての子供たちを踊らせてやるんだ!」

スターマンとは、希望そのものです。明日を生きる子供には、希望を与えないといけません。そうあるべきなのです。

マット・デイモン主演、リドリー・スコット監督の「オデッセイ」という映画で、この曲が非常に印象的に使われています。

この映画、とてもお勧めなのでぜひ見て頂きたいのですが(また観ようかな。。。。)
事故で火星にひとり取り残された男が地球への生還を試みる、という話なのですが、なんと、なんと驚くべきことに、悲壮感が全くないのです。
いや、そりゃ悲壮ですよ。火星に一人ですから。しかし、「そんな悲壮とかなんとか言ってたって始まらねえだろう!!」ってな感じで、火星に一人置いてけぼりにされたマット・デイモンも、なんとか地球に戻そうと知恵を絞る地球の人たちも、超絶前向きなのです。

これは、非常に大人の映画なのです。
明日を生きる子供に、大人は絶望を語ってはいけない。
微笑みのその裏で血と汗を流しながら、時に誰も見ていないところで自暴自棄になりながらも、しかし人間として知恵を絞って、人類の英知と仲間を信じて、絶対に地球に帰る!!!!

そしてネタバレをあっさりかますと、ちゃんと地球に帰ってこれます。
この映画の真の滂沱の涙ポイントはラストです。
地球に戻ったスターマンこと、マット・デイモンの授業。それを聞いた生徒たちの反応。

うおおおお!!!!!!人類は素晴らしい!!!!!!!

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