本日(05/27,水曜日)発売の本 個人的注目メモ 3冊
※発売日は版元ドットコムに準拠
■図説 古代文字入門 改訂版 大城 道則(編) - 河出書房新社 | 版元ドットコム
紹介 興味・関心ポイント
ヒエログリフ、楔形文字、ルーン文字、マヤ文字……古代文明への扉を開く13の文字の歴史、背景、読み方に加え、未解読文字にも言及した、古代世界の謎とロマンあふれる一冊。
■〈連鎖〉の冒険 松田 行正(著) - 河出書房新社 | 版元ドットコム
紹介 興味・関心ポイント
因果が巡る人類の歴史の不思議。「連鎖」を切り口に、デザインの視点から世界各国地域、社会、歴史を縦横無尽に行来。過去の人類の選択、産物が現在と地続きであることが視覚化される刺激的な一冊。
■榧に魅せられて 黒葛原伸吉(編著) - 新評論 | 版元ドットコム
紹介 興味・関心ポイント
「森のダイヤモンド」と呼ばれるカヤの木を素材に最高品質の
「盤」を生み出す職人と、その匠を支えるまちの姿に迫る記録
みなさんは、碁や将棋の「名人戦」などで使われる碁盤・将棋盤が何の木からつくられているのかご存じだろうか。「榧【かや】」というイチイ科の常緑針葉樹である。日本では宮城県以西に分布するが、そのなかでも宮崎県産の榧は弾力性や色合いが盤の材料としてもっとも理想的とされ、「日向榧」として珍重される。そしてそのほとんどが県中央部に位置する綾町【あやちょう】の森林から採取されており、綾町の日向榧はその質の高さから「森のダイヤモンド」とも称される。
総面積の80パーセントを森林が占める綾町では、樹齢800年にも及ぶ榧の古木も見つかっている。ということは、綾町と榧の関係は太古の昔から続いているのではないかと想像できる。そんな綾町で生まれ育ち、50年以上も碁盤・将棋盤をつくり続けている「盤師【ばんし】」の熊須健一氏が本書の主人公である。
綾町は「観光」に偏ることなく、「自然生態系農業」によるまちおこしを行ったことで、エコロジーへの関心が高い移住者を惹きつけている。また、毎年多くのアスリートが合宿に訪れる地としても知られる(その理由を知ると驚かれる向きも多いだろう)。だが実はそれらに劣らずこのまちを深く特徴づけているのが、「こだわり」をもって盤づくりを行う「盤師」の哲学である。熊須氏は盤をつくる際、樹齢300年以上の榧を使うが、まずは最低でも5年間は乾燥させる必要があるという。かつて周囲から「お前そんなもんつくっていて、飯は食っていけるのか?」と言われたという熊須氏は、自らの職人としての姿勢をこう語る。「まだまだ。まだまだ。人の追随を許さないぐらいいかないかんわ。人の真似できんようなものづくりをせんと。せっかくの手仕事が何もならん。機械に負けたりするのもいかん。何もならんわ、負けちょっちゃ。手仕事が無駄になるわ」。
本書では、全編カラーの豊富な写真とともに「盤づくり」の全工程を紹介していくことになるが、職人の「凄み」や自然環境への「配慮」を知れば、綾町が「碁・将棋の聖地」であることが実感できるはずだ。(編集部)
