見出し画像

『ブルームーン』映画感想文

人生を芝居としたら、99%の人は(他の誰かの)エキストラ


リンクレイター × ホーク × 一夜の会話劇 = 盟友コンビがおなじみの作風で!『スラッカー』、『バッド・チューニング』、『ビフォア』トリロジー……リチャード・リンクレイターが若かりし頃から得意とする1日モノだけど、本作には歳を重ねたからこその哀愁・悲哀みたいなものが全編を包んでいた。そして、作中多くの時間を、一人芝居かというくらい怒涛の勢いで捲し立て喋り続けるイーサン・ホークの好演から溢れ出ていた。つまり、低身長で葉巻を吸ってお酒がやめられない、そんなロレンツ・ハートに見えてきたし、感傷(ノスタルジー)的な気分に浸ってしまう。
ただ、本作に限ってはリンクレイター監督作品『僕と彼女とオーソン・ウェルズ』原作者による脚本であり、リンクレイター本人が執筆していないこともあってか、正直鑑賞前に期待していたほどはハマらなかった。

元パートナーの成功『オクラホマ!』のオープニング・ナイトに、「人生良いときも悪いときも」の悪いときがやってくる。共演には、主人公ロレンツ・ハート47歳に対して20歳な金髪マーガレット・クアリー、バーテンのボビー・カナヴェイル、そしてアンドリュー・スコット。
エリザベスの1年間好きな人との20歳の誕生日から始まる一連のエピソードが何を表しているのか自分で考えてみたけど、相手から大事にされていないことを悟っても、もし今彼から連絡があったら「30時間かけても彼のもとに行く」という発言があって、それに対してロレンツ・ハートが「僕のためなら何時間?」と返すことからも、自分自身を隠してきた彼にとってどれほどそうしたい・そうしてほしい(けど、できない)ことが意味を持つか考えると、胸が苦しくなる思いだった。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集