有名タレントは、大企業だけの広告塔ではなくなった~Wunderbarの「Skettt」が、静岡企業の信頼と認知を一気に引き上げる~
地方企業が広告で苦戦する理由は、商品やサービスの質が低いからとは限りません。
むしろ、静岡県内には品質、技術、接客に優れた会社が数多くあります。それでも、初めて広告を見る消費者には、その価値がすぐには伝わりません。
「この会社は信頼できるのか」
「本当に効果がある商品なのか」
「知らない会社から買って大丈夫なのか」
消費者が抱く、この最初の不安を乗り越えるには時間がかかります。
静岡銀行の「Startup Catalog」で、営業支援カテゴリーに続く広告宣伝カテゴリーのB_1に掲載されている株式会社Wunderbarは、有名タレントの知名度や好感度を企業の広告に活用できるIPマーケティングサービス「Skettt」を提供しています。
静岡銀行の紹介では、最短1カ月から有名タレントを起用できるサービスとして掲載されています。既出の営業支援カテゴリーA_1〜A_10を一巡したため、今回から広告宣伝カテゴリーへ進みます。
株式会社Wunderbarとは
株式会社Wunderbarは2019年3月設立。本社は東京都渋谷区宇田川町にあり、代表取締役CEOは長尾慶人氏です。
主力事業は、IPマーケティング包括支援サービス「Skettt」。コーポレートサイトでは資本金5,000万円と記載されていますが、2025年の同社プレスリリースでは7,002万円と記載されており、公開情報に差異があります。最新の正確な資本金については、同社への確認が必要です。
Sketttは、タレントやインフルエンサーの肖像素材を企業広告へ活用できるサービスです。
従来のタレント起用では、芸能事務所との交渉、契約、撮影、クリエイティブの確認などに多くの時間と費用がかかりました。契約期間も長く、大手企業でなければ手を出しにくい領域でした。
Sketttでは、あらかじめ用意された肖像素材を中心に活用することで、タレント起用の費用と期間を抑えています。
同社によると、150社以上の芸能事務所と提携し、5,000名以上のタレントと交渉可能。これまでに1万件以上の相談を受けています。素材提供だけでなく、タレント選定、企画立案、制作、効果検証まで一貫して支援します。
解決する経営課題
Sketttが解決するのは、単純な「広告の見栄え」の問題ではありません。
地方企業が新規顧客を獲得するとき、最も大きな壁になるのは信用です。
知名度が低い会社が健康食品、化粧品、住宅、通信サービス、人材サービスなどを販売する場合、消費者は商品説明だけでなく、企業そのものを警戒します。
広告費をかけて多くの人へ表示しても、ファーストビューで離脱される。商品ページまで来ても購入されない。問い合わせフォームまで進んでも申し込みに至らない。
こうした企業では、集客数を増やすより先に、広告を見た瞬間の安心感を高める必要があります。
有名タレントを広告に起用すると、消費者がすでに持っている認知やイメージを借りられます。
もちろん、タレントがいるだけで商品が売れるわけではありません。しかし、知らない会社の広告が「一度見てみよう」と思える広告へ変わる可能性があります。
Sketttは、企業がゼロから知名度を積み上げる時間を短縮するサービスだといえます。
競争優位性は、タレント起用を「データと運用」に変えたこと
Sketttの特徴は、有名人の画像を安価に使えることだけではありません。
2025年10月には新しい管理画面を公開し、タレント検索、素材加工、契約管理、クリエイティブ確認などを一元化しました。
タレント検索では、SNSのフォロワー属性、認知度、好感度などの情報を参照しながら、自社の商品や顧客層に合う人を探せます。素材加工では、登録された画像の切り抜きや衣装の色変更などを効率化しています。
従来のタレント起用は、経営者や広告会社の感覚で「有名だからこの人にしよう」と決める側面がありました。
一方、Sketttは、誰を起用すれば広告効果が期待できるのかをデータで考え、複数のクリエイティブを試しながら改善する方向へ進んでいます。
また、クレジット表記が不要で、素材の合成、短期の検証利用、SNS投稿、タイアップ動画、アンバサダー契約なども相談できます。契約や表現には個別の条件があるため、利用前の確認は必要です。
導入事例と成果
沖縄県で美容・健康系EC事業を展開するちゅららぼは、サプリメント「エクルモ」の広告に奥菜恵氏を起用しました。
同社は、商品発売時の認知不足、大手商品との差別化、消費者からの信頼獲得を課題としていました。
奥菜氏の画像をランディングページ、広告、Amazonの商品ページ、記事、チャットボットなどへ展開した結果、CVRは従来比約114%に改善。ファーストビューでの離脱率も改善したと公表されています。
法人向け通信サービスを提供するグローカルネットでは、俳優の浅利陽介氏を起用。企業側の発表によると、広告のクリック率が最大2.5倍になった事例として紹介されています。
タレント広告は消費者向け商品のためのものと思われがちですが、BtoBサービスでも、広告を認識してもらう入口として機能することが分かります。
これらは個別企業の事例であり、同じタレントを使えば同様の成果が出るというものではありません。商品、媒体、広告表現、ターゲット、起用する人物との相性によって結果は変わります。
料金と導入方法
Sketttの公式サイトでは、「月数十万円」「最短1カ月から」という案内が確認できますが、具体的な費用はタレント、業種、商品、利用媒体、契約期間、素材制作の内容などによって変わります。
導入時には、まず商品やサービスのターゲット、広告目的、利用媒体、希望期間などを整理します。
その後、候補となるタレントの提案、芸能事務所との確認、契約、素材選定・制作、広告配信へ進む流れです。
単に知名度の高い人物を選ぶのではなく、
顧客層と年齢が合うか
商品の世界観に合うか
信頼感を高められるか
過去の出演や発言と矛盾しないか
まで確認する必要があります。
静岡県内で相性がよい企業
静岡県では、全国販売を目指す地場メーカーやサービス企業と相性があります。
特に、お茶、食品、菓子、健康食品、化粧品、サプリメント、寝具、住宅設備、通販商品などです。
商品力はあっても、会社名やブランド名が県外では知られていない企業にとって、タレント起用は認知獲得と信用補強を同時に行える可能性があります。
住宅会社、自動車販売、リフォーム、保険、人材紹介、介護、教育など、高額または慎重な意思決定を伴うサービスにも活用余地があります。
また、採用広告への利用も考えられます。
静岡県内の中小企業は、仕事内容や待遇だけでなく、会社を知ってもらう段階で苦戦します。地元出身タレントや、地域との親和性が高い人物を起用できれば、求人広告の注目度を高められる可能性があります。
導入時の注意点と向かない企業
タレント起用は、商品力の不足を隠すものではありません。
広告で注目を集めても、商品の品質、価格、購入後の対応に問題があれば、むしろ批判が大きくなる可能性があります。
また、タレントのイメージと商品の実態が合わない場合、広告が不自然に見えます。
「有名人を使えば売れる」という発想ではなく、「誰の信用を、どの顧客に、どのような文脈で借りるのか」を考える必要があります。
広告予算が非常に小さい企業、広告を出す媒体や販売導線が整っていない企業にも向きません。タレント素材を用意しても、広告運用やランディングページの改善ができなければ十分に活用できないためです。
契約期間終了後に素材を継続利用できるか、使用できる媒体、加工範囲、競合排除、炎上時の対応なども契約前に確認が必要です。
オーキャリア静岡としての考察
地方企業には、少し不思議な逆転現象があります。
地域の人にはよく知られ、長年信頼されている。
しかし、県境を越えた瞬間に、無名企業へ戻ってしまう。
品質は変わっていないのに、知名度がないために選ばれない。
これは商品力の問題というより、信用を伝える速度の問題です。
Sketttは、有名タレントの信用を一時的に借りながら、消費者に商品を知ってもらう入口をつくります。
ただし、本当に大切なのは、その入口から入ってきた顧客を、商品力と顧客体験によって自社のファンへ変えることです。
タレントは企業の代わりにブランドをつくってくれる存在ではありません。
企業が本来持っている価値へ、顧客の視線を向ける案内役です。
静岡には全国で勝負できる商品が数多くあります。
足りないのは、必ずしも技術や品質ではありません。
知られるきっかけです。
Wunderbarは、これまで大企業の特権だった有名タレントの起用を、地方企業でも試せるマーケティング施策へ変えようとしています。
静岡企業が県外市場へ踏み出す際、Sketttはその最初の扉を開く有力な選択肢になり得ます。
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※本記事は、公開情報および筆者独自の仮説・考察をもとに執筆しています。記事内で取り上げた企業・人物との特別な契約関係や利害関係を示すものではありません。新たな視点や思考のヒントを得るための、一つの補助線としてお読みいただけますと幸いです。


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