【所見・前編】所見は「評価」ではなく「期待」|年度末の絶望をなくすマインドと公用文ルール
※追記:この記事で紹介している「所見のシステム化」を、そのまま明日から使えるようにしたExcelツールが完成しました!詳しくは記事の最後にて🌿
今の時期、多くの先生が職員室のパソコンの前で頭を抱えているのではないでしょうか。
そう、学期末・学年末の最大ミッション「所見」です。
部活動や三者面談で疲れ果てた放課後、一人ひとりの顔を思い浮かべながら文章を絞り出す。
しかし、提出した所見は管理職から真っ赤に添削されて返ってくる……。
そんな心が折れそうになること、ありませんか?
「定型文ばかりで、その子の個性や人物像が見えない」
「マイナス面を書くとクレームになるから、当たり障りのないことしか書けない」
そもそも、これほど教員の膨大な時間を奪い、本質的な課題を伝えづらい「所見」というシステム自体、今の時代に必要なのか?と疑問に思う先生も多いはずです。
それでも、目の前に締め切りがある以上、私たちはこの業務を乗り越えなければなりません。
今回は、そんな年度末の絶望をなくし、少しでも早く退勤するための「所見に対するマインド」と「手放せる無駄な作業」についてお話しします。
AIに「ゼロイチ」を頼る勇気を持つ
文章が苦手な先生、あるいは疲労で言葉が浮かんでこない先生は、思い切ってAI(ChatGPTなど)を活用してください。
もちろん、丸投げでは生徒の個性は消えてしまいます。
しかし、あなたが1年間見てきた「その子を表すキーワード」や「具体的なエピソード(行事での活躍や、他教科の授業で見せた意外な一面など)」を箇条書きでAIに入力し、「これを所見風の肯定的な文章にして」と頼むことは、決してズルではありません。
ゼロから文章を生み出す(ゼロイチ)作業は、脳のエネルギーを極端に消費します。
AIにベースを作ってもらい、最後に必ず「自分の目」で確認し、その子らしい温かい表現に編集(リライト)する。このプロセスを取り入れるだけで、作業時間は劇的に短縮されます。
所見は「あら探し」ではなく「次への期待」
以前、同僚から「所見に書くことがなくて困っている。ついダメなところばかり目についてしまう。」と相談を受けたことがあります。
私はその時、こう伝えました。
「できないことを指摘するのではなく、次への『期待』に変換しよう」と。
最近はリスクヘッジとして、マイナス面や課題を書かない学校も増えています。本当はストレートに伝えたい改善点があっても、リフレーミング(ポジティブな言い換え)を使って、「〇〇の力があるので、今後はさらに△△での活躍を期待しています。」と前向きな形で結ぶ。
このマインドを持つだけで、書く側の心もスッと軽くなり、結果的に保護者にも生徒の良さが真っ直ぐに伝わるのです。
「見えないローカルルール」を攻略せよ
マインドを整え、AIを活用して想いを込めた文章を作った。
しかし、些細な「表記のルール」で差し戻されては元も子もありません。
学校の公文書には、独特の決まりがあります。
例えば、以下の文章の「違和感」に気づけますか?
❌「子供たちの個性を活かし、懸命に取組む姿が見られた。」
⭕️「子どもたちの個性を生かし、懸命に取り組む姿が見られた。」
【よくある修正地獄の原因】
・漢字を開く(ひらがなにする):子ども、がんばる、あいさつ
・同音異義語の使い分け:活かす(活用する)/生かす(命や能力をいかす)
・送り仮名の違い:取組(名詞)/取り組む(動詞)
・過度なへりくだりの禁止:「〜してくれた」ではなく「〜に貢献した」「〜の役割を果たした」とする。(子どもにお願いしてやってもらっているわけではないため)
こうした「手放せる無駄な作業(修正の手間)」は、ルールを事前に知っておくことで完全に防げるのです。
来年度に向けた「本当の時短」とは?
マインドを整え、ルールを守る。これだけでも所見の負担は減ります。
しかし、いざ書こうとした時に
「あれ、この子、1学期に何をしてたっけ……?」
と思い出せないことが、一番時間を奪う原因ですよね。
人の記憶は曖昧です。
年度末の所見作成の時間を劇的に圧縮するための最大の秘訣は、
「4月からの日常的なデータの集約」と「スキマ時間の活用」にあります。
私が実際に現場で使っていた「年間を通した生徒情報の集約システム(Excel)」や、通勤電車の中でのスキマ時間のICT活用術については、
後編の記事で詳しくお話ししますね。
まずは、目の前の所見作成。完璧主義を手放し、使えるツールはフル活用して、この時期を乗り切っていきましょう🌿
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