とらぶた自習室 (26) 勉強メモ 野口良平『幕末的思考』 第3部「公私」 第3章-1
【勉強メモ】
野口良平『幕末的思考』みすず書房
第3部「公私」
第3章「敗者における大義と理念」-1
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(筆)栗林佐知
2023年9月22日のメモ
■顕密システムほころびる
エライ人たちが、とりあえず近代国家の体裁を整えるためにとった「顕密システム」(大事なことはエライ人たちだけで決めてしまい(密)、一般大衆には市民宗教=「天皇バンザイ」教のもとに国民意識をもたせる(顕))だったが、だんだんボロが出てくる。
《ボロ①》日比谷焼き討ち事件
きっかけは日清戦争と日露戦争。
欧米に追いつき追い越すため、いろいろ我慢して「天皇陛下バンザーイ」と頑張ってきたニホン人だが……。
2つの戦争の負担は甚大
日清戦争:日本人死者 1.7万人 / 戦費 2億円
日露戦争:日本人死者 9万人 / 戦費 20億円(しかも外国に借金;)
日露戦争に勝ったのにポーツマス条約で、露西亜からあんまりぶんどれなかった……
そこで憤懣やるかたなくなった民衆が、大暴れ(死者17人/ 負傷2000人/ 逮捕など2000人)したのが、「日比谷焼き討ち事件」。
(もう政府のやり方にだまされなくなってきた)
といってもしかし、なんかちょっと情けないなあ。
戦争に反対して大暴れするならわかるけど、
戦争で「負かした相手からたくさんぶんどれなかった」から暴れるなんて……なんかやだなあ;;
どういうひとたちだったんだ? 暴れた人たち。
《ボロ②》大逆事件
「神様としてあがめよ」と政府がお膳立てしてきた天皇を「殺そう!」 なんていう考えが出た。
(政府は、真相を明らかにしないまま、大慌てで容疑者(無実の人が大半)を処刑)
《ボロ③》明治天皇の死
ご神体が死んでしまったので、ここで、"「天皇バンザイ教」はこれでよかったのか"と、考える(《綻びを綻びとして感知する》)チャンスだった。
チャンスだったのに……
■ 綻びたら……ひとり歩きはじめた顕教
せっかくボロがでてきた「顕密システム」なのに、
これを「あーもう賞味期限切れだね、どうにかしなきゃ」と、わかって、どうにかする人がいなかった。
(ところでどうして著者は、このやり方を採った伊藤博文が「応急処置」のつもりだった、としたのでしょう……どこかに書いてあったのに、私が読み過ごしてるかも)
伊藤博文は、安重根に撃たれて死んでしまい、
井上毅、山県有朋は、おじいちゃんになって「元老」(半分ご隠居?)に。
国会・欽定憲法を作ってひろめるときに、急いで準備した「天皇バンザイ教(万世一系の国体)」が、消えないでひとり歩きはじめた。
→ その現れ。初等教育に国定教科書制度が!
うひゃー。教科書検定制度って、ほんとやばい。
ひとりあるきというのは、誰かが企んでそうしむけた、というかんじでなくなって、なんだかみんなでのせられてみんなでよっかかるタテマエになって、無責任状態になっちゃうという……かんじですね。
みんなで集まってオタオタしてるうちに、誰が言い出したのか知らないけど、「戦争だ」ってなって「えーやめようよ」と言うことが、よっぽど勇気がないと言えないようになる。
ああ、そうなると、なんでもやっちゃうね。
どんな残酷なことでも。
■「強く」なった日本帝国が選んだ道
「ともかく早く欧米に通用する近代国家にならねば!」
「富国強兵! 西洋に追いつき追い越せ!」
……でも、二つの戦争で、日本帝国はいちおう勝ってしまった。
欧米に「追いついた」。
で、その先どうする?
日本帝国が選んだ道は
《弱小国の希望の星となるのではなく、遅れてきた列強の一員として、かつて自分がされてきたのと同様の仕方で弱小国に相対する道である。》p249
で、ずんずんやらかしてしまう軍事帝国日本。
1910(明治43)年 日韓併合 朝鮮半島乗っ取り。
うわー
1915(大正6)年 対華21カ条要求 中国に無理難題を押しつける。
あちゃー
なんか暗くなってきた。。。
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