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自立とは、孤立することではない。「家、ついて行ってイイですか?」を見て考えた、障害のある子どもたちの幸せと豊かさ

久しぶりに、テレビ東京の『家、ついて行ってイイですか?』を見ました。

やっぱり、あの番組は不思議です。

誰かの人生の玄関を、少しだけ開けてもらったような気持ちになる。
きれいに整えられた物語ではなく、生活のにおいがする。
笑いもある。涙もある。弱さもある。
そして、その奥に、言葉にしきれないあたたかさがある。

人の人生は、そんなに簡単に一言ではまとめられません。

だからこそ、見終わったあとに、心の中に小さな灯りが残るのだと思います。

今回、障害のあるお父さん、お母さんが出演されていました。

テレビを見ながら、私はずっと考えていました。

「自立」って、なんなんだろう。

#特別支援教育#障害福祉 の現場では、「自立」という言葉をよく使います。

・自立に向けて。
・将来のために。
・一人でできるように。
・社会に出て困らないように。

もちろん、とても大切な言葉です。

・身の回りのことができるようになること。
・働く力をつけること。
・お金を扱うこと。
・時間を守ること。
・人と関わること。
・自分の気持ちを調整すること。

どれも、生きていく上で必要な力です。

でも、番組を見ながら、ふと思いました。

自立って、本当に
「一人で全部できるようになること」だけなのだろうか。

「一人でできること」だけが自立なのか

みなさんは、「自立」と聞くと、どんな姿を思い浮かべますか。

・一人暮らしをしている姿でしょうか?
・働いてお金を稼いでいる姿でしょうか?
・誰にも迷惑をかけずに生活している姿でしょうか?

たしかに、それも一つの自立だと思います。

でも、それだけが自立ではないはずです。

・誰かに頼ること。
・「助けて」と言えること。
・できない自分を責めすぎないこと。
・安心できる人のそばで暮らせること。
・自分に合った環境を選ぶこと。
・無理なことは無理だと伝えられること。

それも、立派な生きる力だと思います。

むしろ、全部を一人で抱え込もうとすることの方が、危うい時もあります。

「迷惑をかけてはいけない」
「一人でできるようにならないといけない」
「ちゃんとしないといけない」

この言葉たちは、一見すると前向きに見えます。

でも、時に人の心をぎゅっと縛ってしまうことがあります。

#自立 という言葉は、希望になることがあります。

「できることが増えた」
「自分で選べた」
「自分の力で進めた」

それは、とても素晴らしいことです。

でも同時に、自立という言葉は、時に残酷にもなります。

「まだできないの?」
「いつまで頼るの?」
「もう大人なんだから」

そんな空気をまとった瞬間に、自立はその人を支える言葉ではなく、追い詰める言葉になってしまう。

だからこそ、支援に関わる大人は、この言葉を使う時に、少し立ち止まる必要があるのだと思います。

その「自立」は、その子を幸せにする言葉になっているのか。
それとも、知らないうちに重たい荷物を背負わせていないか。

ここは、#放課後等デイサービス の現場でも、とても大切な視点だと感じています。

行動を見る。でも、その子の人生を「できる・できない」だけで見ない

子どもたちと関わっていると、成長を「できる・できない」で見てしまいそうになることがあります。

・宿題ができた。
・片付けができた。
・順番を守れた。
・気持ちを切り替えられた。
・友達に言葉で伝えられた。

もちろん、そうした一つひとつの行動は大切です。

行動を見ることは、支援の基本です。

・どんな場面でできたのか?
・どんな声かけがあると動けたのか?
・どんな環境だと落ち着けたのか?
・どんな時に気持ちが崩れやすいのか?

こうした視点は、行動分析学の考え方ともつながります。

子どもの行動を「性格」や「やる気」の問題だけにせず、
環境との関係で見ていく。

これは、支援の現場でとても大切なことです。

たとえば、ある子が片付けをしない時、
「だらしない子」と見るのか、
「片付けの手順が見えにくいのかもしれない」と見るのか。

ある子が集団に入れない時、
「わがまま」と見るのか、
「安心できる距離感や役割がまだ見つかっていないのかもしれない」と見るのか。

見方が変わると、支援が変わります。

支援が変わると、子どもの表情が変わります。

だから、行動を丁寧に見ることは大事です。

でも、行動だけを見て、その子の人生を決めてはいけない。

大切なのは、
「何ができたか」だけではなく、
「どんな環境なら安心して力を出せるのか」
「誰となら自分らしくいられるのか」
「どんな暮らしなら笑顔が増えるのか」

という視点です。

自立とは、能力だけの話ではありません。

環境との相性の話でもあります。
人とのつながりの話でもあります。
自己理解の話でもあります。
そして、その子に合った幸せの形を一緒に探していく話でもあります。

自立の反対は、依存ではなく、孤立なのかもしれない

たとえば、一人で買い物に行けることはすばらしい力です。

でも、困った時に店員さんに聞けることも、同じくらい大切な力です。

一人で通勤できることはすばらしい力です。

でも、電車が止まった時に誰かへ連絡できることも、大切な力です。

一人暮らしができることはすばらしい力です。

でも、週に何度か支援を受けながら、安心して暮らせることも、その人に合った大切な暮らし方です。

つまり、自立とは「全部を一人でやること」ではなく、
「自分に合った助けを使いながら、自分らしく生きること」なのだと思います。

私は、自立の反対は、依存ではなく、孤立なのかもしれないと思っています。

・誰にも頼れない。
・困ったと言えない。
・できない自分を隠す。
・助けてもらうことを恥ずかしいと思う。
・苦しくても、一人で抱え込む。

それは、自立ではなく、孤立に近い。

だからこそ、子どもたちには「一人で頑張れ」だけではなく、
「困った時は助けてと言っていい」
「一緒に考えてくれる人はいる」
「あなたに合う方法を探していい」

という経験を積んでほしいと思います。

#発達支援 の中で大切なのは、子どもを無理やり強くすることではありません。

安心できる土台の上で、少しずつ挑戦できるようにすること。

できなかった時に責めるのではなく、
「どうしたらできそうか?」
「どんな助けがあればできそうか?」
「次はどこまでなら挑戦できそうか?」

を一緒に考えること。

その積み重ねが、本当の意味での成長につながるのだと思います。

愛されることは、子どもの時だけの話ではない

子どもたちは、愛されるべき存在です。

できるから愛されるのではありません。
頑張ったから愛されるのでもありません。
ちゃんとしているから愛されるのでもありません。

ただ、そこにいるだけで、大切にされていい存在です。

そして、それは大人になっても同じです。

私たちは、子どもたちには
「そのままでいいよ」
と言えるのに、大人になった途端に、急に
「ちゃんとしなさい」
と言いすぎてしまうことがあります。

でも、大人だって不安になります。
大人だって失敗します。
大人だって誰かに頼りたい日があります。

それでいいのだと思います。

人は、一人で完成するものではありません。

誰かと関わりながら、支えたり、支えられたりしながら、少しずつ暮らしをつくっていく。

それは弱さではなく、人間らしさです。

心理学では、人が前向きに生きていくためには、
「自分で選ぶ感覚」
「自分にもできるという感覚」
「人とつながっている感覚」

が大切だと考えられています。

これは、現場で子どもたちと関わっていても、本当にそうだなと思います。

「自分で選べた」
「少しできた」
「先生が見てくれていた」
「友達と一緒にできた」
「家の人に話せた」

そういう小さな経験が、子どもたちの心の中に少しずつ積み重なっていく。

その積み重ねが、やがて
「自分も大丈夫かもしれない」
という感覚につながっていくのだと思います。

#自己理解 も、そこから育っていきます。

・自分は何が得意なのか?
・何が苦手なのか?
・どんな時に疲れやすいのか?
・どんな助けがあると力を出しやすいのか?

それを知っていくことは、自立に向かう大切な一歩です。

ただし、それは「一人で頑張るため」だけではありません。

自分に合った人や場所や方法と出会うためでもあります。

その子にとっての幸せは何か

私自身も、結局はそうなのかもしれません。

すごいことを成し遂げるより、
立派な誰かになるより、
大好きな人たちと長く仲良く暮らしていけること。

何気ない日々の中で、
「今日もまあ、よかったね」
と言い合えること。

それが一番、豊かなことなのかもしれません。

#子育て でも、#教育と福祉 でも、私たちはつい
「何ができるようになるか」
に目を向けます。

もちろん、それは大切です。

でも、それと同じくらい、
いや、それ以上に大切なのは、
「どんなふうに生きていきたいか?」
なのだと思います。

・どこで暮らしたいのか?
・誰と関わりたいのか?
・どんな時間が安心なのか?
・どんな時に笑顔が増えるのか?
・どんな助けがあれば力を出せるのか?

この問いを、子ども本人、家族、学校、福祉、地域で一緒に考えていく。

それが、その子に合った自立を支えることにつながるのだと思います。

支援のゴールは、
一人で生きられる人をつくることだけではありません。

その人が、その人らしく、
愛されながら、
安心して暮らしていけること。

もちろん、できることを増やす支援は大切です。
生活する力を育てることも大切です。
社会とつながる力を育てることも大切です。

でも、その土台にあるのは、
「あなたは大切な存在だよ」
というまなざしであってほしい。

自立とは、孤立することではない。

自立とは、誰にも頼らず生きることでもない。

自立とは、自分に合った形で、人とつながりながら生きていくこと。

そう考えると、支援の見え方は少し変わります。

「この子を一人で生きられるようにしなければ」ではなく、
「この子が安心して生きていけるつながりを、どう一緒につくっていくか」

そこに目を向けられる気がします。

みなさんにとって、自立とは何ですか

みなさんにとって、「自立」とは何ですか。

・一人でできることでしょうか?
・誰かに頼れることでしょうか?
・自分の幸せを知っていることでしょうか?
・自分に合った暮らしを選べることでしょうか?

きっと答えは、一つではありません。

その子の数だけ、自立の形がある。
その人の数だけ、幸せの形がある。

だからこそ、私たちは決めつけずに、問い続けたい。

・この子にとっての幸せは何か?
この子にとっての豊かさは何か?
・この子は、誰と、どこで、どんな表情で暮らしていきたいのか?

その問いを忘れない大人でありたいと思います。

番組を見終わって、静かにそんなことを考えました。

自立は大切です。

でも、
「自立しなければ価値がない」
なんてことは絶対にない。

人は、できることだけで価値が決まるわけではありません。

できないことがあってもいい。
頼ることがあってもいい。
支えられる日があってもいい。

それでも、その人は大切な存在です。

教育も福祉も、最後はきっとそこに戻ってくるのだと思います。

その人が、その人らしく、
愛されながら、
安心して生きていけること。

そんな当たり前だけど忘れたくないことを、今日の番組を見て、もう一度思い出しました。

みなさんは、「自立」という言葉に、どんなイメージがありますか。

一人で生きること。
誰かと支え合うこと。
自分に合った幸せを選ぶこと。

よければ、あなたの考える「自立」も聞かせてください。

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