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私が英語講師として心掛けていること―英語が「嫌いにならない」ために―

英語講師のToriです。
英語講師として活動する中で、「どんなことを大切にして指導していますか?」と聞かれることがあります。

勉強法や教材、効率的な学習ルートを期待されることも多いのですが、私が一番心掛けているのは、もっと根本的な部分です。それは、英語が「怖いもの」「苦しいもの」にならないこと

英語は本来、誰かと気持ちをやり取りするための言葉です。その入り口でつまずいてしまうと、どんなに良い教材や方法があっても、続けることが難しくなってしまいます。今日は、私が英語講師として特に大切にしている3つのことについて書いてみたいと思います。


私が英語講師として特に大切にしている3つのこと

①「勉強しなさい」と言わない

私は、「勉強しなさい」という言葉を使いません。「勉強しなさい」と言われた瞬間、英語は“自分のもの”ではなく、“やらされるもの”に変わってしまうと感じているからです。

私自身、英語が好きだったはずなのに、「やらなきゃ」「続けなきゃ」という義務感に追われて、英語が重く感じられた時期がありました。その経験があるからこそ、誰かに英語を教える立場になった今、「英語=義務」にはしたくないと思っています。

やる気が出ない日もあります。疲れている日、気持ちが向かない日もあります。そんなときに必要なのは、叱咤ではなく、ちょうどいい距離を見つけることかもしれません。英語から完全に離れないこと、それだけで十分な日もある。私はそう思っています。


② 周りと比べない

英語学習で多くの人が苦しくなる原因の一つが、「平均」や「周り」との比較です。テストの平均点、クラスの進度、SNSで見かける流暢な英語。比べ始めると、自分の足りないところばかりが目につきます。

でも、英語はスタート地点も、伸び方も、人それぞれです。同じ時間学んでいても、同じ成果が出るとは限りません。むしろ、違って当たり前です。平均点は、あくまで数字の上の話であって、その人の背景や努力、積み重ねの過程までは映し出しません。

比べられることで、「間違えたらどうしよう」「変な英語だったら恥ずかしい」という気持ちが強くなり、言葉を出すこと自体が怖くなってしまうこともあります。私は、自分自身が前進していると感じられたら十分だと思っています。昨日より一言多く話せた、聞き取れる音が増えた、そのことに自信を持っていいのです。


③ 答えを急かさない

英語には、「待つ時間」が必要です。すぐに言葉が出てこなくても、沈黙の時間があっても、その間、頭の中では確実に何かが動いています。単語を探しているのかもしれないし、文の形を組み立てているのかもしれません。沈黙=何もしていない、ではありません。私は英語講師として、この沈黙の時間にこそ、大きな価値があると感じています。

特に英会話では、こちらが焦ると、その空気は必ず相手に伝わります。英語を話すスピードよりも大切なのは、「安心して考えられる空間」です。待つことも、立派な指導だと思っています。言葉が出てくるまで待つ。失敗しても大丈夫だと伝え続ける。その積み重ねが、英語を話す勇気につながっていきます。


英語は「点数」よりも「関係性」

この3つに共通しているのは、英語を成果やスピードだけで測らない、という姿勢です。点数や資格が必要な場面があることも、もちろん理解しています。目標があるからこそ頑張れる時期もありますが、その前に守りたいのは、英語との関係性です。

特に子どもたちは、一度受けた印象を、その後の人生まで引きずってしまうことが少なくありません。やらされるもの、周りと比較されるもの、失敗してはいけないもの。そうした経験は、英語に限らず、生活のあらゆる場面で影を落としてしまいます。

英語が完全に嫌いになってしまったら、そこから立て直すのは簡単ではありません。だから私は、英語が人生の中で、そっと残り続けることを大切にしています。

今はうまくできなくてもいい。それでも、必要なときにまた戻ってこられる場所であってほしい。英語が居場所になるような心地よさを届けたい。それが、私が英語講師として一番願っていることです。


おわりに

英語講師として私が大切にしているのは、英語を「頑張らせること」ではなく、「遠ざけないこと」です。叱られず、比べられず、急かされない。その安心感があるからこそ、人は自分のペースで言葉に向き合うことができます。

学習が止まる日があってもいい。前に進んでいる実感が持てない時期があってもいい。それでも、英語が「怖いもの」にならず、「ここにいてもいい」と感じられる存在であり続けること。その積み重ねが、いつか必要な瞬間に、英語を自分の言葉として使える力につながっていきます。

私はこれからも、英語が人生の中でそっと寄り添い続ける場所になるようなレッスンを目指していきたいと思います。

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