[企画参加作品]珈琲 #シロクマ文芸部
コーヒーに酔わされたのは今日で何度目だろうか
最初は君に会った日
仕事の打ち合わせだというのに、僕の視界はぼんやりと靄がかかり、君にしか焦点が合わなくて困った
真っ赤になって、視線すら合わせられない僕の話を、君は静かに聞いてくれたね
次は2度目の誕生日
プレゼントとは別に用意した指輪を握り締めて、一気に飲んだコーヒーは、特級品だったのに味も香りもしなかった
その後だって、大切なことを伝えたいのに、噛み噛みで締まらない
あの時のコーヒーが1番酔いが回ったかもしれないな
そして今日もまた
コーヒーの香りと君の横顔にふわふわとする
子育てもひと段落して、ゆっくりと迎えるコーヒータイム
小さな花瓶、お砂糖とケーキ代わりの金平糖、昨日新調した揃いのカップ
朝の柔らかな光に紛れさせ、とろけた視線を送るけど、君は今日も気付かない
下戸な僕の甘露
静かな時間
日常のひと時
読んでいただきありがとうございました。
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