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[企画参加作品]火山・シマウマ・風鈴 #せりふ三題噺

暑中お見舞い申し上げます
暑い日が続きますが、みなさまお変わりないですか?

僕はこの夏、魔女に弟子入りしました。

海の近くにある、洞窟の家で毎日を過ごしているため、街よりずっと快適です。
自然にできた洞窟だそうですが、人がつくったような岩の柱に囲まれているので、まるで中世の要塞の中にいるようです。
師匠曰く、この形の岩がたくさんあるのは、昔ここが海底火山だった証拠だそうです。

この家にはたくさんの本と、たくさんの道具と、たくさんの精霊がいます。
精霊たちは思いのほか話し好きなようで、師匠はよく彼らとおしゃべりをしています。
僕はまだその言葉を聞き取ることはできませんが、水の精霊は泡が弾けるような音、風の精霊は風鈴が鳴るような音を出します。
でも、それが聞こえるのも家の中だけで、外では他の音にかき消されてしまって聞こえません。
言葉が分からない僕をからかっているのか、昨日は音のする方に振り向いた瞬間、思い切り水をかけられました。
最初のうちは驚いて大きな声をあげたりしていたのですが、そういう反応は彼らの意地悪を悪化させると師匠から教わったので、
「ちょうど喉渇いていたんだよね。ありがとう」と言ってやりました。
僕の意地悪も日々成長です。

成長といえば、魔法も一つ覚えました。大きな泡を作る魔法です。
この前、この泡に入って海の中を師匠と一緒に散歩しました。
海の中はとてもきれいで、シマウマみたいな魚や、見たこともない色の魚もいました。
師匠は魚を見つけるたび
「あれは旨い」
「あれは毒だ」
「あれは絶対に近づくな」
と、いろいろ教えてくれました。
さすが海の魔女です。

そして、夜の海はよく歌っています。
ベッドに入って窓を開けると、優しい歌声が子守歌のように聞こえてくるので、夜も寂しくありません。
一度誰が歌っているのか調べようとしたのですが、師匠が
「調べないほうがいいよ。知ってしまったら最後。君は引き込まれてしまうからね」
というので、やめました。
それでも師匠は声の主を知っているようなので、いつか会えたら嬉しいです。

こんな感じで僕の方は楽しく過ごしています。
なかなか会いに行くことはできませんが、また手紙を書きますね。
みなさまどうか、健康にお過ごしください。


お読みいただきありがとうございます。
こちらの企画に参加させていただきました。
主催者様、いつもありがとうございます。



〜追記? 反芻? 蛇足?〜
 あとがき

ご無沙汰しております。
いや〜、夏は忙しくてダメですね。

個人的に、夏から秋はいわゆる繁忙期に近い状態に陥ります。

そんな時こそ、何かを書いて頭をリセットしたいのですが、なかなか……

季節柄、みなさまもどうぞ無理せず、ご自愛くださいませ。


最後までお読みいただきありがとうございました。
またお会いできますことを楽しみにしています。

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足木元 望睦 読んでくださりありがとうございます。 応援いただけたら嬉しいです。