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クイーンズトンの歴史スポット|235段のブロック記念碑

ナイアガラの滝から少し足をのばすと、観光のにぎやかさとはまた違う、落ち着いた歴史の場所に出会えます。

そのひとつが、クイーンズトン・ハイツに立つブロック記念碑国立史跡です。

遠くから見てもすぐにわかる大きな塔で、ナイアガラ川沿いの景色と、カナダの歴史が重なる場所。滝のような派手さはありませんが、実際に行ってみると、静かに印象に残るスポットです。

私が以前この塔に登ったとき、特に記憶に残っているのが内部の螺旋階段でした。上までずっと階段で、途中でゆっくり休憩できるような広いスペースがあった印象はあまりなく、思った以上に足にきました。

でも、その少し大変だった感じも含めて、今ではすごく良い思い出です。

今回は、クイーンズトンの人気観光スポットシリーズとして、ブロック記念碑国立史跡を、歴史・建築・実際に行くときのポイントと一緒に紹介します。


ブロック記念碑国立史跡とは

塔の下には、ブロックと彼の副官であったジョン・マクドネルが眠っています

クイーンズトン・ハイツに立つ歴史の塔

ブロック記念碑は、オンタリオ州ナイアガラ・オン・ザ・レイクのクイーンズトン・ハイツにあります。

ここは、1812年戦争のクイーンズトン・ハイツの戦いに関係する場所です。記念碑は、当時のアッパー・カナダを守った人物として知られるサー・アイザック・ブロックを記念して建てられました。現在の塔は1853年に建てられたものとされ、高さは約56メートルあります。

日本人にとって、アイザック・ブロックという名前はあまり聞き慣れないかもしれません。けれどカナダ、とくにオンタリオの歴史を少し知ると、何度も出てくる重要人物です。

ブロックは1812年10月、クイーンズトン・ハイツの戦いで命を落としました。その後、カナダ側の歴史の中で象徴的な存在となり、この場所に記念碑が建てられました。

塔の下には、ブロックと彼の副官であったジョン・マクドネルが眠っているとされています。

滝とは違う、静かな迫力がある

守護人みたいに街を見守ってるかんじ

ナイアガラの滝周辺は、いつ行っても観光地らしい明るさがあります。

滝の音、観光バス、人の流れ、お土産屋さん、レストラン。エネルギーが強く、初めて行く人にはやっぱり分かりやすく楽しい場所です。

一方で、クイーンズトン・ハイツは少し落ち着いています。

広い芝生、木々、ナイアガラ川へ続く景色。そしてその中に、すっと立つ大きな記念碑。派手なアトラクションではありませんが、場所そのものに静かな存在感があります。

旅行者だけでなく、トロント在住の方にもおすすめしやすい理由はここです。何度もナイアガラに行っている方でも、滝だけで終わらせず、こういう歴史スポットを入れると旅の印象が変わります。

建築として見るブロック記念碑

建築家のウィリアム・トーマス

設計したのはウィリアム・トーマス

ブロック記念碑は、歴史的な意味だけでなく、建築として見ても興味深い塔です。

現在の記念碑を設計したのは、ウィリアム・トーマスという建築家です。パークスカナダの資料では、トーマスは当時を代表するカナダの新古典主義建築家・技師のひとりとして紹介されています。ブロック記念碑は設計コンペを経て選ばれ、トロントの請負業者J. Worthingtonが建設に関わったとされています。

新古典主義と聞くと少し難しく感じますが、実際に現地で見ると、すっと上に伸びる柱の形や、重厚な石造りの雰囲気から、ただの展望塔ではなく、記念碑としての威厳を持たせようとしたことが伝わってきます。

ナイアガラ周辺には自然の迫力を楽しむ場所が多いですが、ブロック記念碑は自然、歴史、建築が一緒に見られる場所です。

セントローレンス周辺とのつながり

トロントのセントローレンスマーケットの近くにあるSt. Lawrence Hall

トロントに住んでいる方には、ここで少し親近感が出るかもしれません。

ブロック記念碑を設計したウィリアム・トーマスは、トロントの歴史的建築 セントローレンス・ホールも手がけた建築家です。セントローレンス・ホールは、現在のセントローレンス・マーケットのすぐ近くにある歴史的な建物で、パークス・カナダの説明では、セントローレンス・マーケットの後ろにある建物とは区別される国定史跡として紹介されています。

ここで少し注意したいのは、今、観光客がよく行くセントローレンス・マーケット 南館そのものを、単純にウィリアム・トーマスが全部設計したと言い切るのは少し違うという点です。

トロント市の文化財情報では、91 Front St Eの旧市街/ セントローレンス・マーケット南館について、1844年にHenry Bowyer Lane、1850年の再建にウィリアム・トーマス、1904年の再建に市の建築家が関わったと整理されています。

つまり、ブロック記念碑とセントローレンス・マーケット周辺は、ウィリアム・トーマスという建築家を通して少しつながっている、と考えると分かりやすいと思います。

ナイアガラの歴史スポットと、トロントの街中にある歴史建築が、ひとりの建築家の名前でつながる。そう思うと、いつものトロント散歩も少し違って見えてきます。

実際に登ってみると、かなり記憶に残る

人とすれ違うのが難しいぐらい狭い!休める場所がないので一気に登るしかない!めっちゃ疲れる

235段の螺旋階段

ブロック記念碑で特に印象に残るのが、塔の中の階段です。

公開されている時期であれば、内部の階段を使って上まで登ることができます。Parks Canadaの案内でも、ブロック記念碑の階段を登ってナイアガラ・フロンティアの景色を楽しめると紹介されています。別の案内では、内部の階段は235段とされています。

数字だけ見ると、235段なら何とかなるかなと思う方も多いと思います。

でも実際に登ってみると、なかなか足にきます。

まっすぐな階段ではなく、塔の中をぐるぐる上がっていく螺旋状の階段です。幅も広々という感じではなく、途中で景色を見ながらゆっくり休憩するような雰囲気とも少し違います。

私が以前登ったときも、最初は軽い気持ちでした。ところが途中から、まだ着かないのかな、という気持ちになりました。後ろから人が来ると立ち止まりにくく、前に進むしかないような感覚もあります。

でも、その少し大変な感じが、今となってはとても良い思い出です。

自分の足で登った景色は残る

私は登ってきました!!この記念碑は、その下に埋葬されているブロック少将を偲ぶものです。

観光地で見る景色はたくさんあります。

でも、自分の足で登ったあとに見る景色は、やっぱり記憶に残ります。エレベーターで上がる展望台とは違って、息が上がった状態で見えるナイアガラ川や周辺の景色には、小さな達成感があります。

ブロック記念碑は、ただ上から景色を見る場所というより、登る時間そのものも体験になる場所です。

あとから思い返すと、景色そのものより、あの階段を登ったことの方が先に思い出されるかもしれません。

行く前に知っておきたいこと

もうすぐ改修工事は終わりそうな感じ

登れるかどうかは事前確認がおすすめ

ブロック記念碑周辺のクイーンズトン・ハイツは、通年でアクセスできる場所ですが、ビジターサービスは例年5月から10月と案内されています。

また、パークスカナダは2025年9月、ブロック記念碑の石造部分の修復工事を発表しており、工事は2025年9月から2026年春まで予定されていると案内しています。工事中は記念碑へのアクセスが閉鎖される一方、クイーンズトン・ハイツ公園自体は開いていると説明されています。

そのため、実際に塔へ登りたい方は、訪問前に最新の開放状況を確認するのがおすすめです。

せっかく行ったのに登れなかった、ということもあり得ます。ただ、その場合でも公園から塔を眺めたり、周辺の歴史スポットを歩いたりする楽しみ方はできます。

靴は歩きやすいものが安心

塔に登る予定がある場合は、歩きやすい靴がおすすめです。

階段は思った以上に足を使います。観光だからといって、滑りやすい靴やヒールに近い靴だと疲れやすいです。

また、クイーンズトン・ハイツ周辺は公園として歩く場所もあるので、春や秋、雨上がりなどは足元にも少し注意したいところです。

写真を撮るだけなら短時間でも楽しめますが、ゆっくり歩くなら服装と靴で快適さが変わります。

無理に登らなくても楽しめる

敷地内のレストランは超おすすめ!!!

ここは大事なポイントです。

ブロック記念碑の階段は、体力に自信がない方、狭い場所が苦手な方、高い場所が苦手な方には少しきつく感じるかもしれません。

もちろん、登らなくても公園から塔を見上げたり、周辺を散策したりするだけでも十分楽しめます。無理に登らないと意味がない場所ではありません。

特に小さなお子さん連れ、ご年配の方と一緒の旅行、足腰に不安がある方は、その日の体調を見て判断するのが安心です。

周辺と合わせると、ナイアガラ旅が少し深くなる

1812年の米英戦争に参加したハウデノソーニー(六部族連合)とその同盟先住民の記念碑

ランドスケープ・オブ・ネイションズも近くに

クイーンズトン・ハイツには、先住民と1812年戦争に関わる記念施設、ランドスケープ・オブ・ネイションズもあります。

カナダの歴史を考えるとき、イギリス系、フランス系、アメリカとの関係だけではなく、先住民の存在を抜きにすることはできません。

ブロック記念碑だけを見ると、どうしてもひとりの英雄の物語として受け止めやすいですが、周辺の記念碑も合わせて見ると、歴史がもう少し立体的に感じられます。

時間があれば、あわせて歩いてみるのがおすすめです。

ナイアガラ・オン・ザ・レイク方面との相性もいい

ブロック記念碑は、ナイアガラ・オン・ザ・レイク方面へ向かう途中にも組み込みやすい場所です。

滝を見て、ナイアガラ・パークウェイを走り、クイーンズトンで歴史に触れて、そのままワイナリーや街歩きへ向かう。こういう流れにすると、ナイアガラ観光がかなり奥行きのある一日になります。

初めての方には滝が主役でいいと思います。

けれど、2回目以降のナイアガラや、少し落ち着いた観光をしたい方には、ブロック記念碑を入れると良いアクセントになります。

まとめ

空の世界からスカイウーマンという女性が落ちてきて、動物たちが彼女を助け、亀の背中に土を広げたことで大地が生まれたと伝えられています

クイーンズトンのブロック記念碑国立史跡は、ナイアガラの滝から少し離れた、静かで印象に残る歴史スポットです。

高さ約56メートルの塔、235段の螺旋階段、上から見える景色、そして1812年戦争の記憶。さらに、建築家ウィリアム・トーマスを通して、トロントのセントローレンス周辺とも少しつながっているところが面白いです。

派手な観光地ではありません。

でも、実際に行ってみると、歴史、建築、景色、そして自分の足で登る体験が重なって、あとからじわっと思い出に残る場所です。

ナイアガラ観光にもうひとつ深みを足したい方、クイーンズトンやナイアガラ・オン・ザ・レイク方面も回りたい方には、ぜひ候補に入れてみてほしいスポットです。

観光はもちろん、駐在、留学、ワーホリなど新しくトロントで生活を始める人はTorontokiki.comにご相談ください。

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