”口から入るものが身体をつくる” 第2章ー3 人は、細胞の働きで生きている
”口から入るものが身体をつくる” 第2章ー3
2章ー3 細胞が働くということ
私たちの身体は、
一つの大きなかたまりとして
存在しているように見える。
しかし実際には、およそ270種類の
無数の「細胞」が存在している。
その数は37兆個とも言われている。
この数については、
ホンの10数年前までは60兆個と
言われていたのが、
研究の進歩に伴って今では
37兆個と言われている。
この数の相違だけとってみても、
人間の身体はまだまだ神秘に包まれている。
そして270種類、37兆個の細胞の
一つひとつが、
それぞれの役割を持って働いている。
皮膚の細胞は皮膚を創り出し、
骨の細胞は骨を形成し、
心臓の細胞は鼓動を生み、
筋肉の細胞は身体を動かし、
神経の細胞は情報を伝え、
免疫の細胞は身体を守っている。
つまり私たちは、
細胞の働きによって生きているのである。
では、その細胞は何によって、
動いているのだろうか。
その答えは、
これまで見てきた「食」にある。
食べたものは消化活動で粉々に分解され、
吸収され、
血液によって運ばれ、
最終的に細胞へと届けられる。
細胞は、それらを材料として取り込み、
組み立てそれぞれの役割を果たしている。
つまり、
細胞は、食べたもので動いているのである。
ここに、非常に重要な意味がある。
細胞は、与えられたものに応じて働く。
十分な栄養があれば、
その働きは保たれる。
しかし、必要なものが不足したり、
バランスが崩れたりすれば、
その働きは少しずつ乱れていく。
この変化は、
すぐに自覚できるものばかりではない。
だが確実に、
身体の内側では変化が起きている。
そしてその積み重ねが、
体調となり、
健康状態となり、
やがては病気として現れることもある。
また、細胞の働きは、
単に動くだけではない。
古くなった細胞は役割を終え、
新しい細胞へと入れ替わっていく。
この入れ替わりもまた、
食べたものを材料として行われている。
私たちの身体は、
新しくつくり変えられ続けているのである。
つまり、私たちは、日々、自分の身体を
つくり直しているとも言える。
食べるという行為は、
単なる栄養補給ではない。
それは、
細胞を動かし、
細胞をつくり、
身体そのものをつくり続ける行為である。
そしてその細胞の中で、
免疫の働きもまた生まれている。
身体を守る力もまた、
細胞の働きの一部である。
ここまで見てきたように、
食べることによって材料が入り、
それが流れによって運ばれ、
細胞がそれを使って働く。
この一連の流れがあってはじめて、
人は生きている。
食は、身体をつくる。
そして細胞は、
それを生きる力へと変えている。
生命とは、
この静かで絶え間ない営みの中にある。
そしてそのすべては、
口から入るものによって始まっている。
