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『喜劇 駅前団地』(1961年・久松静児)

「駅前シリーズ」第2作!

 続いて『喜劇 駅前団地』(61年・久松静児)。3年ぶりの第二作。小田急線・西生田(読売ランド前)駅前、百合ヶ丘駅、百合ヶ丘団地が舞台。クリーニング屋の坂本九ちゃんが「ズンタッタタ」を歌い千葉信夫さんの警官が登場。前作は井伏鱒二原作で文芸映画の香りがあったが、こちらは風俗喜劇で賑やか。


団地をあて込んだ飲み屋・高砂亭のマダムが淡路恵子さん。場末の店なのに、ゴージャズなのは淡路さんの力。ひたすら騒々しい孫作・伴淳三郎さんが、駅前シリーズに泥くささを加味(笑)「社長シリーズ」がモダンな会社の喜劇なら「駅前」はローカリズムあふれる商店喜劇。云う慣れば東宝内松竹映画の味。


九ちゃんの同窓生で、伴淳の息子・一郎に久保明さんの弟・久保賢(山内賢)。とにかくのんびりしているが、さすがフランキー堺さんが登場すると、画面が溌剌としてくる。パンチのある映画じゃないけど、昔の週刊誌やグラフ雑誌をパラパラとめくるような楽しさ。


『喜劇駅前団地』の森繁さんは、この土地で代々医者をしている好人物。かなり二の線で、後年の浮気癖のスケベ親父の面影なし。泥臭い地主の伴淳と、都会的なフランキーが騒々しい笑いを繰り広げる。森繁は、都会から病院を建てに来た淡島千景さんとほのかな恋を・・・


一番の収穫は、この年「上を向いて歩こう」でブレイクする坂本九ちゃん。テレビのパラキンの歌声に合わせて「九ちゃんのズンタタタ」を歌うシーンがいい。
孫作が土地を売った百合ヶ丘団地は、本作から2年後『クレージー作戦 先手必勝』にも登場。しかし伴淳さんの泥臭さ、これで大人気だったのだから・・・フランキーさんとのやり取り、抜群に面白いんだけど。普遍的な笑いかというと、また別の話。

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佐藤利明(娯楽映画研究家・オトナの歌謡曲プロデューサー)の娯楽映画研究所 よろしければ、娯楽映画研究への支援、是非ともよろしくお願いします。これからも娯楽映画の素晴らしさを、皆さんにお伝えしていきたいと思います。