『喜劇駅前茶釜』(1963年・東京映画・久松静児)
「駅前シリーズ」第6作!
シリーズ第6作は、文福茶釜ならぬ呑福茶釜をめぐる騒動。伴淳は「呑福茶釜」を本尊に抱く呑福寺の住職。もちろん群馬県館林市の「茂林寺」がモデル。森繁さんは古道具屋・珍宝堂主人・骨董に病膏肓のスケベ親父。その女房に淡路恵子さん。この女房が浮気もので、いつもとは違う味。その相手がインチキ師・石田茂樹。で、森繁さんはというと、名家の未亡人・おけいさま(淡島千景)にご執心。
意外なのは、伴淳の娘役が、若林映子。これでグッとモダンな味になる。彼女に夢中なのが、記念写真屋・フランキー堺。その後輩の大原庄平にジャイアント馬場!前作の王選手に続いて、スポーツ選手のゲスト出演だが、「庄ちゃん」というキャラで、横山道代さんに惚れられる。もっさりした芝居が微笑ましい。
なんと言っても「狸」ネタなので、「狸御殿もの」のテイストがたっぷり。三木のり平が「狸」で、夜になると森繁さんの前にあらわれて、おけいさまに化けて、酒の相手をしたり。ワルノリぶりがエスカレート。アチャラカ喜劇の楽しさ極めり! クライマックスにはファンタジックな「狸御殿」レビューがくり広げられる。デビューしたばかりの中尾ミエが大活躍。
色と欲の「欲」は、本物の呑福茶釜をめぐる争奪戦。伴淳の「呑福寺」にあるものは、先代が借金の方に手放して、今は偽物で拝観料を取っている。で、本物は淡島千景のところにあり、それがフランキーさんたちの手にわたり、森繁たちが、新しい「お宮」を建てようと画策。本家と偽物の争いとなる。インチキな、自称テレビ作家・有島一郎と茶釜泥棒・立原博たちも参戦。
ジャイアント馬場は、クライマックスに悪漢たちと大立ち回り。これが最大の見もの。横山道代さんと差し向かいでご飯を食べたり、とにかく微笑ましい。同時上映は、植木等さんの『日本一の色男』。なんとも良い時代である。
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