「3Dあられ組」「多重塔」発明物語
「3Dあられ組」「多重塔」発明物語
2025-6-20
占部聰長 Urabe Toshinaga
toshi10@lcc-japan.co.jp
[1]「あられ組/Box Joint」の歴史
「あられ組」とは「枡」などに使用されている「組木」の一種である。英語では「Box Joint」という。日本では1300年の歴史がある。
https://maspacio.jp/letter/araregumi_masu/
「あられ組」の語源は「凸凹を組み合わせて接合する様子が、冬に降る霰(あられ)が地面に落ちて砕ける様子に似ていることから名付けられました 」とのことですが、私にはイメージが湧きません。

木工の「組木」は6000年前から世界的に創作されているが、それらの種類の多さでは、現在でも木工・建築に利用されているのは日本である。それゆえ、「木工組木」「継手と仕口」は「Japanese Wood Joinery」と世界的に呼称されている。その種類は200種を越えている。「継手」は、同じ方向に伸びる部材を繋ぐ接合方法を指し、「仕口」はT字型やL字型など、異なる方向に組み合わせて接合すること。

[2]「1次元組木/直線継手/柱継手」と「2次元組木/面継手/板継手」
200種を越える「木工組木」を、「次元」で分類すると、その大部分は「1次元組木/直線継手/柱『継手/仕口』」で、「2次元組木/面継手/板継手」は数種である。「仕口」の1次元を「垂直方向に延ばす・繰り返す」で「2次元組木/面継手/板継手」になる。「板の接続」の種類になる。
「2次元・板・組木」には上の例の「あられ組Box Joint 」、その他に「蟻継Dovetail」、「45度傾斜継手/Bevel Joint」などがある。最も簡単な「相欠き継ぎ」などがある。
下の写真の箱は「蟻継Dovetail」で、蓋は「45度傾斜継手/Bevel Joint」である。これらは戦前は「鋸とノミ」での職人芸の製作であったが、戦後は「実開平06-057234-drill45度lock router bit庄田鉄工」のように「木工ルーター」と「ドリル・bit」で正確、迅速、大量生産に製作できるようになった。

https://note.com/keitkym/n/n0950b71b6430
「あられ組」を「2次元組木/面継手/板継手」とすると、「1次元組木/面継手」は「finger joint」になる。これは「形状が指を組み合わせたように見えることから 」である。和名はなく、「フィンガージョイント」である。海外で戦後に発明された比較的、新しい技術だろう。それは、「櫛状の工具とルーター加工」で精度良く加工し、「高強度・接着材」が前提の技術からも理解できる。CLT材などの製作で、「短い材料を接続して長い1枚の材料にする方法」の「CLT材・前工程」に多用されているので、CLT材と同時期ではないだろうか。「フィンガージョイント」は「一直線」の接続であるが、これを「直角」接続にすれば、「枡」も製作可能である。要は「接続」の「方向」によって「次元」が異なるのである。
https://en.wikipedia.org/wiki/Finger_joint

おもしろいことに、「板の接続」という視点から見ると、「2次元/box joint」が「1次元/finger joint」より先に発明されている。「枡」の「天部」と「底部」には「組木」がなく「底部」の「底板」は「接着」されている。「天部」は開放されている。
[3]「抜型steel rule die製作」に「CO2-laser cutter」の登場
日本の最初の「CO2-laser cutter」は1974年にNECに私が製作させたものである。3000万円であつた。世界初は米Atlas Die社がCoherent社の250WのCO2 laser発振管を採用したものである。それを参考にした。18㎜の合板を2point(0.72㎜)幅に切断して、その溝(kerf)に切断刃を木槌で叩き込む抜型である。紙器・段ボールの打抜「抜型ssteel rule die」に使用されている。

出力が250Wなので1KWが開発できるまで、金属板金は加工できなかった。抜型業界が板金業界に10年先行してCNC化、laser加工を実用化した歴史がある。
CO2laserを使用する前の「抜型ssteel rule die」は糸鋸(jigsaw)で溝を切削していた。「jigsaw puzzleの名」の由来である。「jigsaw puzzle」は厚紙を打ち抜く前は板を「jigsaw 」で曳いて製作する「一品もの」であった。
1760年頃のイギリスで、地図職人ジョン・スピルズベリーが、子供たちに世界の国々を教えるために、木製の地図を糸鋸で切り分け、パズルとして考案したのが始まりです。
現在ではCO2laserで切削している。データー作成とは刃曲げが大変である。すべてのピースが同型であってはならないからである。

https://diecutting.shop/collections/puzzle-cutting-dies
[4]「板の接続」としての「3次元組木/面継手/板継手」「2.5次元組木/面継手/板継手」」の発明
laser加工をすると、いろいろ端材がでる。そこで、CADで以下のような図形を展開して、「物品収納箱/2.5次元トレー」とか「物品輸送箱/3次元・木箱」を製作していた。1997年頃である。
「天部」「底部」「全12稜線・接続」が「組木」のものが存在するだろうか。それは私が、世界で初めて製作した。しかし、最近まで、それが世界で最初(発明)ということに気が付かなかった。まず、日本の1300年の歴史の「あられ組/4つの稜線」の「底部」の「4つの稜線」に「組木」に追加された場合、「8個の稜線」なので「2.5次元組木/面継手/板継手」と言えるだろう。それに「天部」の「4つの稜線」が追加して、「12個の稜線」すべてが「組木」になれば「3次元・あられ組」ということになる。
私の場合も「2.5次元組木/面継手/板継手」より、先に「3次元組木/面継手/板継手」を製作していた。考えてみれば、大型CO2laserを持っていて、「端材利用」という「ケチ精神」がなければ成立しないデザインであった。


[5]「大型・3次元組木/面継手/板継手」の応用
「あられ組」は現在までのところ「枡」「箪笥の引き出し」、そして「機械梱包木箱」程度までが大きさの限界である。「檜風呂」にも利用されていると思ったが、水漏れの心配で採用されていない。「相欠き・継手」である。「継手・仕口の相手から取ったものを加える継手」で陳腐である。釘・接着剤などの補助も必要である。「相欠き・継手」は「大規模・建築」にも古くから利用されている。「浄土寺浄土堂 」などが有名である。しかし、「当たり前過ぎて」、「板継」にしても「あられ組」程、美的でない。また、強度的にも3割以上弱くなる。
私は誰も製作していない「巨大・あられ組」を製作したくなった。特に「コンテナーハウス」の規模(20feet)を作りたくなった。その製作過程で「3次元組木/面継手/板継手」を「小型」でも、誰も製作していないことに気づいたのである。私が発明した「3Dあられ組」の「木箱」は、わざわざ、「あられ組」にしなくても、代わりに安価な「木箱」はいくらでもあるので、誰も試みることはなかったのである。特に、最近はCLT材というドイツで発明された「集成材」が「大型・板継」の可能性が出てきた。しかし、建築界では利用されていない。素人の私だから可能だと思っている。こだわりは「3Dあられ組」であるので、すべての「12稜線」を同じ「あられ組」で構成したいのである。

黒川紀章の「中銀カプセル」の「木造版」である。「中銀カプセル」は1972年に完成したので、1995年に開発されたCLT材は利用できなかった。先に開発していれば黒川紀章は利用しただろう。「鉄筋コンクリート製」の「中銀カプセル」は50年丁度の寿命で解体・廃棄(1部、名建築として保存)された。
[6]「3Dあられ組・建築の困難性」「液体ガラス」
現在、建築士に依頼していたが、「建築法規制/耐火」「あられ部の防水」「防水・耐候」などで、建築士との意見の相違で中止になった。「建築法22条地」にはCLT材だけでは「耐火性」でダメである。「モーバイル・コンテナー」にすれば問題ないが、建築法へのハードルが高い。「校倉造り」「ログハウス」は「木組み」の美しさが命である。「あられ組」も同様である。
「防水・耐候」は「液体ガラス」で克服できることが判明した。これは、いろいろ調査していくうちに、隈研吾の「失敗作」で勉強させてもらった。現在、隈研吾建築・失敗作は「液体ガラス」を使用する以前のものに限定されている。「液体ガラス」を使用している「新・国立競技場」は今のところ問題ない。
以下「隈研吾作品」を時系列に並べてみた。「液体ガラス」を使用しているものは「木材腐食」がなく、非難の対象になっていない。同じ2018年に「失敗・成功・事例」がある。丁度、切り替え時でした。富岡市役所(2018年)の失敗は有名。
隈研吾・失敗例「液体ガラス」不使用 木材腐食
雲の上のホテル(1994年)
那珂川町馬頭広重美術館(2000年)
銀山温泉 藤屋(2006年)
アオーレ長岡(2012年)
富岡市役所(2018年) 隈事務所と施工業者で補修が決定。
隈研吾・成功例「液体ガラス」使用 新品同様
「中目黒スターバックスRR」(2018年)
新国立競技場(2019年)
隈研吾以外の成功例(検証中)「液体ガラス」使用。すべて風雨にさらされている。
東急・戸越銀座駅(2016年) 有機塗料木壁(塗装剥がれあり)と比較できる。
MARINE & WALK 横浜・木道(2016年) 海岸壁に面している。
高輪ゲートウェイ(2020年)
陸前高田市新庁舎(2021) これはお飾りの暴露試験のようなものである。テラスがあり名建築である。
大阪万博リング柱・20mのうち下5mのみ「液体ガラス」使用(2024)
「22条地・耐火性」について、外壁・4面を「あられ部」が見えるように「耐火性・網入りガラス」で被覆することにしたが、建築士の理解を得られなかった。
[7]「CLT材・万能加工機」
凄い機械が存在していた。イタリアのEssetre社の【CLTパネル加工機:Techno Wall(テクノウォール)】である。この機械の存在を知らない時の3年間は、8m*4mが加工できる「角ノミ・CNCプロッター」の自作を考えていた。日本の在来工法でも「プリカット加工機」があるが、これはCLT材専用であり、万能である。しかし、現在のCLT材の利用方法が間違っているように見える。理由している人は少ないようである。この加工機だけで、加工したものを1日で組み立て完成の設計にしたい。「柱・梁・床・壁・天井・テラス」すべてをCLT材で完成である。3つの条件がある。
①CLT材の製作最大寸法 3m×12m
②Techno Wall の加工最大寸法 12m*2.5m
③40feet containerの内寸寸法 長さ:12.032m幅:2.352m
https://hiroishi.co.jp/product/essetre
https://www.sunadaya.co.jp/product/clt

[8]「3Dあられ組・三重塔」
従来の神社・仏閣の「多重塔」は「人間不在」の「象徴・権威塔」であった。信者が集まる家屋は「1階建て・本堂」などで、「高さ方向」への延ばす思想はなかった。「多重塔」の技術は「金閣寺」「安土城」「大阪城」「江戸城」へと発展した。
明治以降は「レンガ造り・石材造り」「鉄筋コンクリート」「鉄骨」が採用され、「高層化」が可能になった。「高層住宅」により、「人間の居住性・床面積の確保」が重要視されるようになった。 居住者の避難を用意にするために「結界」の「テラス」を備えた方がよい。「NYワールドトレードセンター 」のように「スライダー」がないと空中ダイブしなければならなかった。5階以上になれば「非常階段」だけでなく、「スライダー」も必要。
①「3Dあられ組」。「三階建」で「解体・再建」が可能。海外輸出も考える。「組み立て・解体」は1日で終了。
②「CLT材・現わし」にする。「外壁と床は液体ガラス塗布」。瓦の代わりにステンレス。
③「SDGs」で、できるだけCLT材だけで仕上げる。
④「金具」はできるだけ使用しない。「クサビ」で「直交板」を固定。
⑤「22条地」は「国内向け」の「耐火ガラス」で克服。「石膏ボード」だけは絶対使わない。これはオプション。
⑥「屋上」「テラス」は「液体ガラス塗布」。「飛び出し部分」には「切り取った同寸廃材」を先端に継ぎ足し、1800㎜長のデラスにする。「テラス・飛び石」部分は「網入りガラス」か、「30㎜厚CLT単板素材」を張り「床」にする。


この「三重塔」を「2段重ね」にすれば「七重塔」になる。CLT材を90㎜厚から120㎜厚にすれば、剛性計算に合格するのではないだろうか。外付けエレベータが必要だろう。CLT材の厚みは90㎜厚から270㎜厚まであるので、「鉄骨」「鉄筋コンクリート」を使用せず、「柱・梁・壁・床(天井)・屋根なし(屋上・平屋根・積雪10m対応)」を「3Dあられ多重塔」で最高、何階建ての「多目的ビル」が建てられるか試してみたい。「構造計算」だけでもやってもらいたい。現存の日本で一番高い多重塔は、東寺の五重塔です。高さは約57メートル。 日本の現存しない過去の最高多重塔は室町幕府三代将軍・足利義満(金閣寺)が建立した「相国寺七重塔」は「高さは三六〇尺(約110メートル)」でした。瓦の重量を軽くするため「木瓦」らしいです。屋根は廃止して、ステンレスにする。100mが可能であれば、「39階建て」も可能であろう。建築100年後には、クサビを抜けば、2日で「解体・移設」可能である。加工機を考えると上の床面積は4倍で中央には「心柱」の代わりに「エレベータ・ホール」になるかもしれない。外周はテラスで、「避難スライダー」を付ければ10分で全員退避できる。
[9]その他の「3D組木/面継手/板継手 」「45度bevel板・組手」

Miter」「Bevel」と言われ、共に日本語では「傾斜」を意味する。「四角形」の「4隅の角」の90度を半分45度にして「接合Joint」:形状である。「傾斜」に加工するため、工具としては「カンナ」「ノコ」「ノミ」が必要である。最近ではいろいろな形状の「ルーター・ビット」が開発され、「1回の加工でjoint部の凹凸」を加工できるようになった。
「45度傾斜加工」は古くから「額縁」の四隅に利用されている。絵画収納なので、薄いが、一応、「あられ組」同様、「2次元・組木/面継手/板継手 」の木箱である。
最初に上げた写真の「蓋」が「2次元・組木/面継手/板継手 」になっている。
[10]「矩形以外の3次元Joint」。フラーレン球体

「端材」で「小物入れ」を製作してみた。
「正多面体」には上の5種類がある。「収納容器」として安定してるのは「正4面体「正6面体」」「正12面体」である。私は「正12面体」を端材利用で製作を試みた。12片の各稜線の角度を「31.7度」傾斜した丸ノコに当てて切断して行く。角度を付けたため、「安全カバー」を外さねばならなかった。丸ノコで指を飛ばしそうになったので、中止した。「丸ノコ」を使用せず、特別のルーター・ビットで「木工フライス」で自動的にカットした方が安全で能率的であることが判明した。
「実開平06-057234-drill45度lock router bit庄田鉄工」は「矩形のルータ・ビット」である。
「ビット・メーカー」に製作してもらおうかと「図面」を画いたが、「正5角形」の「継手」は「奇数」なので「凹凸」が不可能なことが判明した。写真のように接着面に凹凸の挿入溝がないと接着剤だけでは分離破損してしまう。
「奇数接続面」の場合は接続面をすべて「凹部」の「溝」を切削して、接着時に「木片」を差し込み、相手の凹部に挿入する方法がある。「Biscuit miter joint」という上の写真右の方法である。「挿入木片」を「Biscuit」というのは面白い。私は「Ice bar」と言った方がピッタリすると思う。

「多面体」として、「フラーレン多面体」がある。構成要素は「正5角形」と「 正6角形」である。「サッカーボール」も一種である。フラーレンの面の数・C60で, サッカーボールと同じ形をしていて, 正5角形の面12個, 正6角形の面20個。
https://kuronekonosankaku.hatenablog.com/entry/fullerene/
他に、

「フラーレン多面体」をビジネスにしている企業がある。フラーレン茶室-日新林業株式会社https://www.instagram.com/reel/CumaYUtsnYE/
また材料も「防音用・ハネカム合板」という珍しいものです。「アルミハネカム」は飛行機の床材に利用されています。軽くて、高強度です。 私としては「正12面体」が「simple」で「かわいい」と思います。


世界最大の「多面体・建造物」は「ディズニーワールドのエプコットセンターのドーム」である。
「常設の博覧会」としてフロリダ、ディズニーワールドのエプコットセンターのドーム1982年10月1日 開園。正12面体ベースのドームであることがわかります。(バックミンスター・フラー(Buckminster Fuller (1982年1895〜1983))の設計によるものだそうです。)高さは約55メートルで、18階建てのビルに相当します。954枚の三角形のアルミニウムパネルで構成されています。

下記のサイトの解説では「正12面体」がベースとあるが、
https://www-lidar.nies.go.jp/~cml/Researchers/sugimoto/Tamenntai/Chapter5-7.htm
私には「正20面体を正三角形で分割」と思えた。しかし、「正12面体」と解説にある。「正5角形」が読み取れない。この疑問に答えてくれたのが、以下のサイトで「すべての正多面体」から「球体は製作可能」とありました。もちろん、「分割要素は合同ではありません。」
https://www-lidar.nies.go.jp/~cml/Researchers/sugimoto/Tamenntai/Chapter4.htm#junimenn
そうすると、多くの異なった「三角形」を精度よく組み立てるのは大変だっただろう。
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