畳にベッドを置くとカビる?そうなる前に知りたい置き方と対策
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畳の部屋にベッドを置きたいと思った時、まず気になるのは部屋が狭く見えないか、使いにくくならないか、ということかもしれません。
ですが、畳屋の立場から見ると、実はそれ以上に大事なのが、どの部屋に置くか、どう置くか、そしてベッドの足の下をどう守るかです。
こんにちは。岩手県盛岡市の前田畳店です。

畳の上にベッドを置くこと自体は、必ずしも悪いことではありません。
実際、和室を寝室として使っているご家庭は多いですし、布団よりベッドのほうが立ち座りしやすいという理由で選ばれる方も少なくありません。
ただ、置き方を間違えると、畳のへこみ、湿気、カビ、白アリの見落としなど、あとから困ることが出てきます。
特に、ベッドは一度置くと簡単には動かさない家具です。
そのため、普通の家具以上に、最初の判断が大切になります。
見た目や間取りだけで決めてしまうのではなく、その部屋の湿気のたまりやすさ、日当たり、家の立地、床下環境まで考えておくと、失敗しにくくなります。
この記事では、畳屋としての経験から、畳の上にベッドを置く時にどんな部屋を選ぶとよいのか、どんな置き方が現実的なのか、そしてベッドの足の下に何を敷けばよいのかを、できるだけわかりやすくお伝えします。
あわせて、カビやニオイが気になる方に向けて、畳表の選び方についても触れていきます。
■ 畳の上にベッドを置くなら まずは置く部屋選びがとても大事

ベッドの置き方というと、つい壁際に付けるか、窓の近くにするか、向きをどうするかといったレイアウトの話になりがちです。
もちろんそれも大切ですが、畳屋の目線で最初に見たいのは、その部屋が湿気をためやすいかどうかです。
畳は床材の中でも呼吸する素材です。だからこそ心地よさがあるのですが、一方で、湿気が多い環境では影響を受けやすい面もあります。
特にベッドのように大きくて重く、長期間動かさない家具を置くと、その下だけ空気が動きにくくなり、湿気がこもりやすくなります。
そのため、私は経験上、どうしてもその部屋でなければならない理由がない限り、湿気のたまりやすい部屋にベッドを置くことはあまりおすすめしていません。
・北側や暗い部屋は慎重に考えたい
北側の部屋や、日差しが入りにくい暗めの部屋は、どうしても乾きにくい傾向があります。畳も空気もじっとりしやすく、ベッド下の通気が悪い状態が続くと、カビの原因になりやすいです。
特に、日中ほとんど日が入らない和室は、見た目にはきれいでも、長い目で見ると湿気を抱え込みやすいことがあります。
表面だけ見て問題がなさそうでも、家具の下だけ湿気が残っていたというケースは珍しくありません。
・木造で築年数のたった1階はさらに注意
木造住宅で築年数がある程度たっている1階の部屋は、床下からの湿気や外気の影響を受けやすいことがあります。
もちろんすべての家がそうとは限りませんが、新しい住宅に比べて気をつけたほうがよいケースは多いです。
特に、昔ながらの和室は通気がよい反面、季節や立地の影響も受けやすく、ベッドを長く固定して置く使い方には向かないことがあります。
住んでいる方が普段からじめっと感じる部屋なら、その感覚はだいたい当たっていることが多いです。
・窓を開けるとすぐ川がある家も湿気対策を考えたい
窓を開けてすぐ川があるような立地は、景色はよくても湿気の面では少し注意が必要です。
朝晩の空気がしっとりしていたり、夏場に湿度が高くなりやすかったりすると、畳とベッドの組み合わせではベッド下の環境が悪くなりがちです。
川沿いでなくても、水辺が近い、風が抜けにくい、庭木が多いといった条件が重なると、思った以上に乾きにくいことがあります。
■ できれば南側の部屋にベッドを置きたい理由

畳の上にベッドを置くなら、できれば南側の部屋が理想的です。これは単に明るくて気持ちがよいからではありません。
畳屋として考えると、湿気対策と日常の管理がしやすいからです。
南側の部屋は日が入りやすく、部屋全体が乾きやすい傾向があります。
ベッド下の湿気がたまりにくいだけでなく、部屋にこもった空気も入れ替えやすくなります。畳にとっても、寝具にとっても、よい環境を作りやすいです。
・布団や寝具を干しやすい
意外と大事なのが、布団や寝具をすぐ干せるかどうかです。和室を寝室にしていると、寝汗や湿気はどうしてもたまります。
布団やマットレスをため込んだ湿気を外に逃がすには、日当たりのよい部屋のほうが圧倒的に有利です。
すぐに日当たりのよい場所に干せる環境なら、寝具にも湿気をため込みにくく、結果として畳への負担も減ります。
ベッドだけを考えるのではなく、その上に乗る寝具まで含めて考えると、南側の部屋のよさがわかりやすいと思います。
・管理しやすい部屋は長持ちしやすい
畳もベッドも、結局は管理しやすい環境にあるほど長持ちします。
暗い部屋、寒い部屋、湿った部屋は、つい換気や掃除が後回しになりやすいです。逆に明るい部屋は、人も動きやすく、掃除や点検もしやすいです。
畳は置いて終わりではなく、使いながら様子を見ることが大事な床材です。そう考えると、手をかけやすい部屋にベッドを置くのはとても理にかなっています。
■ 白アリが気になる家では ベッドの場所で見落としやすいことがある
畳の上にベッドを置く話で、あまり一般的な記事には出てこないかもしれませんが、現場感覚として気になるのが白アリです。
特に、外まわりの環境によっては、湿気と同じくらい注意したい点です。
・外に木材や木が置いてある家は注意したい

家のすぐ外に木材や木くず、古い板、薪のようなものが置いてあると、白アリのリスクを気にしたほうがよい場合があります。
白アリは湿気を好み、木材をえさにします。そのため、外の環境と室内の床下環境がつながっているような家では、和室の床まわりにも注意が必要です。
・ベッドが大きいと異変に気づきにくい
ベッドは大きい家具なので、下や周辺の異変に気づきにくくなります。
畳の色が一部だけおかしい、細かい木くずのようなものが出ている、床がわずかに沈む感じがある、といった変化も、ベッドで隠れてしまうと見逃しやすいです。
特に、長い間ほとんど動かさない大型ベッドは、安心感がある反面、畳や床の異変を隠してしまうことがあります。和室の管理という点では、少し注意が必要です。
・裏山や林が近い家では定期チェックがおすすめ
裏山がある、林が近い、庭木が多いといった家では、湿気だけでなく虫の面でも注意しておいたほうが安心です。
そうした環境の家では、ベッドを置く部屋も、なるべくその場所から遠い部屋を選ぶほうが無難だと思います。
どうしてもその部屋に置く場合は、たまにベッドの下や周辺を確認し、畳の変化がないかを見ておくことをおすすめします。
少し面倒でも、長く安心して使うためには大切なことです。
■ 畳の上にベッドを置く時 ベッドの足の下に敷くものはとても重要
ベッドを畳の上に置く時に、私がかなり大事だと思っているのが、足の下の保護です。
これを何もせずに置いてしまうと、畳のへこみや傷みが出やすくなります。
畳はやわらかさが魅力ですが、そのぶん重さが一点に集中すると跡になりやすいです。
特に、細い脚のベッドや金属脚のものは、置いたその日から徐々に沈み込みが始まることがあります。
・15cm四方くらいの木材を敷くのは現実的
昔ながらでシンプルですが、15cm四方くらいに切った木材を足の下に敷く方法は、かなり現実的です。
面で重さを受けるので、畳への負担を分散しやすくなります。

木材というと見た目が気になる方もいるかもしれませんが、ベッドの下なのでそこまで目立ちませんし、何より役目がはっきりしています。
あまり薄すぎず、ある程度しっかりした板のほうが安心です。
・畳風の敷き物や花瓶置きのようなものも使いやすい
最近では、Amazonなどでも畳風の花瓶置きのようなもの、家具の下に敷ける和風の保護材が売られています。
見た目を損ないにくく、和室にもなじみやすいので、そういったものを利用するのもよいと思います。
大事なのは、高級そうに見えるかどうかより、荷重を分散できるかどうかです。
小さすぎるものだと意味が薄くなりますし、柔らかすぎるものも沈み込みやすくなります。硬さと面積のバランスを見るのがポイントです。
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・フェルトだけで済ませるより しっかり面で支えたい
家具用のフェルトも傷防止には役立ちますが、ベッドの場合は重さが大きいため、フェルトだけで安心とは言い切れません。
畳をへこませないという意味では、やはりしっかり面で支えるもののほうが向いています。
フェルトは引きずり傷の軽減には役立っても、長期間の荷重分散には限界があります。ベッドの足元については、板や保護台のような、面で受けるものを基本に考えたほうがよいです。
■ 畳の上にベッドを置く時の置き方で意識したいこと
部屋選びと足元の保護ができたら、次は置き方です。ここでも見た目だけでなく、空気の流れと掃除のしやすさを考えると失敗しにくくなります。
・壁にぴったり付けすぎない

壁にぴったり付けると部屋が広く使えるように見えますが、空気がこもりやすくなります。
特に外壁側の壁は、季節によって結露や湿気の影響を受けやすいことがあります。少しでも隙間があると、空気が動きやすく、掃除もしやすくなります。
・窓のすぐそばも結露に注意
窓の近くは明るくて気持ちがよい反面、冬場などは結露の影響を受けやすいです。
カーテンのすそがベッドに触れていたり、窓際だけ湿っぽい状態が続いたりすると、畳にとってはあまりよい環境ではありません。
・たまには動かせる余地を残しておく
完全に作り付けのように置いてしまうと、確認も掃除も難しくなります。
少しでも動かせる余地を残し、年に何回かでも様子を見られる配置にしておくと安心です。
ベッドの下は、何も起きなければそのままでも、何かあった時は見えない場所です。だからこそ、見られる置き方にしておくのが大切です。
■ カビがどうしても気になる人は 畳表の種類も考えたい
置き方を工夫しても、どうしてもカビが気になるという方はいます。
立地や家の構造、暮らし方によっては、い草のよさを活かしきれない環境もあります。そういう時は、畳表の種類自体を見直すという考え方もあります。
・和紙表や樹脂表は選択肢になる
カビが心配な方には、和紙を使った畳表や、樹脂を使った畳表をおすすめしやすいです。どちらも天然い草とは性質が違い、水分や汚れの影響を受けにくい面があります。
もちろん、どんな素材なら絶対に大丈夫というわけではありません。ただ、湿気の多い部屋や、寝具の湿気がたまりやすい使い方では、素材を変えることで管理しやすくなることがあります。
・ニオイまで気になるなら 極美爽も候補になる
カビだけでなく、部屋にこもるニオイまで気になる方には、私としては極美爽もおすすめです。
樹脂系の畳表で、日常の使いやすさだけでなく、消臭の面でも特徴があります。
和室を寝室として使っていると、汗や生活臭、寝具まわりのにおいなどが気になることがあります。
そうした悩みまで含めて考えるなら、ただ丈夫なだけでなく、機能面にも目を向けたほうが満足度は高くなりやすいです。
以前、極美爽について詳しく書いた記事がありますので、ニオイやお手入れのしやすさまで気になる方は、そちらも参考にしてみてください。
畳に何を求めるかによって、選ぶべきものは変わってきます。
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■ 畳屋として思う ベッドの置き方で一番大事なこと
ここまでいろいろ書いてきましたが、畳の上にベッドを置く時に一番大事なのは、おしゃれな置き方を探すことより、畳の状態を悪くしにくい環境を選ぶことだと思います。
湿気をためにくい部屋を選ぶこと。
できれば南側で、布団も干しやすいこと。白アリや床下の異変を見落としにくいこと。ベッドの足の下には、きちんと保護になるものを敷くこと。
このあたりを押さえるだけでも、後から困る可能性はかなり下がります。
ベッドは便利ですし、和室を寝室として使うのも決して悪いことではありません。
ただし、畳はフローリングとは違うので、同じ感覚で何も考えずに置いてしまうと、あとから畳だけが傷んでしまうことがあります。
だからこそ、最初に少しだけ気を配っていただきたいです。
置く部屋を選ぶことも、下に敷くものを選ぶことも、結局は畳を長持ちさせるだけでなく、その部屋で気持ちよく暮らすためにつながっています。
■ まとめ
畳の上にベッドを置くなら、まず考えたいのは置き方より部屋選びです。
北側や暗い部屋、木造で築年数のたった1階、窓の外にすぐ川があるような場所は、湿気の面で慎重に考えたいところです。
できれば、布団や寝具も干しやすい南側の部屋を選び、日当たりと通気のよい環境で使うのが理想です。
さらに、外に木材や木が置いてある家、裏山や林が近い家では、白アリの見落としにも気をつけたいです。
そして、ベッドの足の下に何を敷くかはとても重要です。15cm四方ほどの木材や、畳風の保護台のようなものを使って、重さを分散してあげると、畳のへこみ対策としてかなり違ってきます。
カビがどうしても気になる方は、和紙表や樹脂表も選択肢になりますし、ニオイまで含めて考えるなら極美爽のような機能性のある畳表も一度見ていただく価値があると思います。
畳のことは、実際に使う環境によって正解が変わります。
もし、うちの和室にはどんなベッドの置き方がいいのか、下に何を敷いたらいいのか迷われている方は、部屋の条件や畳の状態を見ながら考えるのが一番です。
畳を傷めにくく、気持ちよく使える寝室づくりの参考になればうれしいです。
前田畳店
前田まさとし
【執筆者】前田畳店 代表 前田昌俊
・岩手県盛岡市で60年以上続き地元の皆様に愛され続けている
前田畳店の二代目店主
・畳、襖、障子、壁紙、網戸の張り替えと襖紙販売店『和紙屋』代表
・現在登録者10000人の襖系Youtuber
youtube.com/@tatami777
・畳技能士資格、畳職人指導員資格と壁装技能資格を保有
・『お客様への真心』が仕事の原点。これからもその信念を大切に貫く52歳
【前田畳店の紹介】
盛岡で創業60年の信頼と実績!
たたみ、ふすま、しょうじ、カベ紙、アミ戸の張替えリフォームは
畳製作技能士一級・畳訓練指導員、壁装技能士1級、2級在籍の
前田畳店・インテリアマエダ
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