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言葉もまた、進化する。ダーウィンと、万物の流転【耳で聞くNote】

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「生き残る種とは、最も強いものではない。最も知的なものでもない。 それは、変化に最もよく適応したものである」

どうも、こんばんは!
トトです!

この言葉、聞いたことありますか?
セミナーや自己啓発本、ビジネス関係でよく聞くんじゃないかなと思います。

私、この言葉大好きなんですよ。
だって、強さが叫ばれる時代で、賢さが尊ばれる時代で、それが絶対ではないと言ってくれているんです。

この言葉、『種の起源』を書いたチャールズ・ダーウィン(1809-1882)の名言だ、と言われるんですが、実はダーウィン自身は言ってないし、書いてもないんです。でも、ダーウィンの主張の本旨ではあると思うんですよね、だからダーウィンの名言だと言っても間違ってはない、という。

ちょっと面白くないですか?
普通、名言って誰々が言った言葉!って広まるんですが、この言葉に関しては、ダーウィンの言葉だと言われていますが、実はダーウィンではないんです。


社会から刷り込まれた「強者の論理」

ちょっと思い返してみてもらいたいんですが、子どもの頃から「強い者が勝つ」「賢い者が成功する」という話、たくさん聞いてきませんでしたか?
まさに「成功の物語」です。
小学生のころはスポーツができる人に人気があり、中学生以降は勉強ができる人に注目があたり、社会に出れば、学歴や実力などが評価されますよね。

ただ、これは確かに分かりやすい一面があって、
勉強ができる=優秀(頭脳)
運動ができる=強い(肉体)
みたいな基準は、数値も出せるし選別する側からすれば判断しやすいんです。

ただ、ダーウィンが『種の起源』で言っているのは「自然選択」という言葉であって、自然を擬人化した際の比喩として、「自然が生き残る種を選んだ」と言っています。
正確には、「環境条件と生物の性質の相互作用の結果として、生き残る形が決まる」ということを分かりやすく言った言葉です。

後に、ハーバート・スペンサーという人が『種の起源』の要約で、その言葉を「適者生存」と訳し、それを見たダーウィンも「自然選択」は「適者生存」と同義だと認めています。
「自然選択」というより、「適者生存」の方が、確かに理解しやすい言葉ですよね。

で、その結果として「適者生存」=「強者が生き残る」みたいに誤解されていきました。
というより、ダーウィンが亡くなった後、「ダーウィンもそう言っていた」と誤解を含む引用や断片的な切り取りが拡散していった感じですね。
あれ? なんかどこかで見たことある拡散方法ですね……。


ダーウィンが本当に愛していたもの

ダーウィンの話を見ていると、明らかに生物オタクなんですよね!(私は良い意味で言っています)

幼い頃から甲虫集めに夢中で、ビーグル号の航海では「なぜこの鳥のクチバシはこの形なんだろう?」「なぜこの島の生き物は本土と違うんだろう?」って、ずっと観察し続けてたそうです。
ダーウィンの視点は「強さ」じゃなくて「なぜその形で残っているのか」
一見不合理に見える孔雀のオスの長い尾も、フラミンゴのピンク色も、全部に意味があるって考えていたそうです。
それは「強いから現在まで生き残っていたから」ではなくて「その環境にたまたま合っていたから(環境に合わせて進化していったから)」

『種の起源』を読むと分かるんですが、ダーウィンは生命の多様性と変化そのものに美しさを感じていたのだと思います。これをと言わずして何というのか。


ダーウィンの言葉が進化する

で、話は1963年のアメリカに飛びます。
ルイジアナ州立大学で、レオン・C・メギンソンという経営学者が自身の講演の中で、ダーウィンの理論をこう要約したんです。

『種の起源』によれば、生き残るのは最も知的な種ではない。最も強い種でもない。
生き残る種とは、自らが置かれた変化する環境に最もよく適応し、調整できる種である。

1963年にルイジアナ州立大学のビジネス学部誌に掲載された「講演要旨」

これも、メギンソンの正確な言葉じゃなくて、講演要旨です。つまり、第三者がまとめたものですね。
そして、その頃のアメリカは第二次世界大戦後の高度経済成長期だったこともあり、ビジネスやマネジメント関連の研修・記事で引用され始めたそうです。科学ではなく経営や組織論の例え話として


言葉が環境に適応して生き残った

私が特に面白いと思ったのはここからで、メギンソンのこの要約は、まるで生き物のように広がっていきました。ビジネス書に載り、自己啓発本に引用され、やがてSNSで拡散される。
気がつけば「ダーウィンの名言」として世界中で愛されるようになってます。

これこそまさに「言葉の進化」じゃないですか?
元の「適者生存」は「強者勝利」という誤解に適応できずに、淘汰され(一部では生き残ってますが)、代わりにメギンソンの「変化への適応」という表現が、現代社会のニーズ(環境)に合って生き残った。
まさに、言葉自体がダーウィンの進化論を体現してますよね。


なぜ私たちは単純化したがるのか

ここで少し立ち止まって考えてみたいのは、なぜ「適者生存」が「強者勝利」に誤用されてしまったのかということ。

これは心理的な特徴で、私たちは複雑で曖昧なものを、わかりやすい形に単純化したがります。
なんせ「環境適応度」なんて抽象的な概念より、「強さ」「賢さ」という具体的な指標の方が分かりやすいからです。それに、自分の立場を正当化するのにも都合がいいですよね。「私が成功したのは強いから」「あの人が失敗したのは弱いから」って説明できますしね。

でも、本当の「適者」って、そんな単純じゃないんですよね。そして、本当に強い人は、「俺は強い」とか「お前は弱い」とか言いませんしね。
こういうのは自分の弱さと向き合えない人が、自分の弱さを隠すためによく使う言葉なので、成功とか失敗とか強さとか弱さを強調する人に出会ったら、「自分と向き合えていないんだな」って思うと良いですよ、ライフハック。


古代ギリシャでも言っている

「万物は流転する」

ヘラクレイトス

紀元前6世紀、古代ギリシャの哲学者ヘラクレイトスが言った言葉です。聞いたことありますよね?

「全てのものは常に変化し続けている。川の水も常に流れているため、同じ川に二度入ることはできない」

これって、ダーウィンの進化論と本質は同じですよね。形あるものも、言葉も、私たちの考え方も、すべて流れ続けて、変化し続けてますよね。
「適者生存」→「強者勝利」→「変化への適応」という言葉の変遷も、まさに流転の一例と言えますし、同じ意味を保っていた期間もありますが、時間が経ったら変わってますよね。


変化は進化でもある

「生き残る種とは、最も強いものではない。最も知的なものでもない。 それは、変化に最もよく適応したものである」

チャールズ・ダーウィン

どうでしょう?
この言葉、最初の時のイメージ変わっていませんか?

そうであれば、これを読んだ人の心が変化して、見方が変化したからだと思います。変わってないって人は、時間を空けてみてください。
変化、自然としてますよね?

「じゃあ、変化に適応できない人は生き残れないのか」、と今度は変化に対して強硬的になっている人もいると思います。
でも、変化をめちゃくちゃ凄いことだと思ってませんか?
というより、変化しない人はいませんよね。

言葉もまた進化(変化)するし、私たちの考え方も、価値観も、生き方も、過去の見方も変化します。
それは決して「強いから」じゃなくて、その時代、その環境に、たまたま合っているから。そして、その方が自然だから、変化を受け入れるんです。

むしろ、固定観念にとらわれすぎると、変化できずに苦しくなります。流れに身を任せることも大切だと思いますし、そもそも変化が苦しいなら、何が自分の変化を拒んでいるのか、それを探した方が早いです。

強くなるよりも、賢くなるよりも、変化を受け入れる方が自然ですし、楽だと思いますよ。
自分が持っていたものを手放す怖さもありますけどね。

ということで、これを見た皆さんが、少しでも変化に対して柔軟に考えられるようになれたなら嬉しいです。でも、変化が苦しいなら、変化しなくてもいいんですよ、それも自由ですから。

それでは、またお会いしましょう!

おまけ:GoogleのNotebookLMにて、本記事を音声解説

GoogleのNotebookLM(Gemini)でもポットキャストを作ることができます!今回のこの記事を解説するポットキャストを作りましたので、こちらも聞いてみると面白いかもしれません。

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トト@好奇心旺盛 ここまで読んでいただき、ありがとうございました! 私の記事が、あなたの行動を変えるのきっかけになったら嬉しいです!