日曜劇場『ザ・ロイヤルファミリー』の原作小説をAudibleで聴いた感想
秋の風を感じ始めた10月初旬、「#読書の秋2025」のハッシュタグを眺めながら、Audibleで何か心を揺さぶる物語を聴くと決めた。
選んだのは、早見和真さんの『ザ・ロイヤルファミリー』。競馬を舞台に、家族の絆と夢の継承を描いた長編小説だ。
ちょうどこの秋、TBS日曜劇場で2025年10月12日(日)から連続ドラマ『ザ・ロイヤルファミリー』がスタート。
妻夫木聡さんが栗栖栄治を、佐藤浩市さんが山王社長を、目黒蓮さんが耕一を演じる。他にも、松本若菜さん小泉孝太郎さんら豪華キャストが集結。
普段、活字でじっくり読む時間は少ないけれど、Audibleなら通勤の車や朝の散歩中に物語の世界へのめり込めるから好んでオーディオブックを聴く。
再生ボタンを押した瞬間、ナレーター中村友紀の低く力強い声が、まるで競馬場の蹄音と砂埃を運んでくるのだ。
馬主・山王耕造の野心と情熱が、耳元で生き生きと響き、最初の20分で心を掴まれた。
そして、この物語を聴いて早見和真さんが好きになった。この秋、有馬記念を前に、皆さんにもぜひおすすめしたい。
※本記事はネタバレを最小限にしています。安心してお読みください!
Audibleで感じた疾走感

『ザ・ロイヤルファミリー』は、競馬に人生を賭けた山王耕造と、その息子・耕一が、馬「ロイヤルホープ」から「ロイヤルファミリー」へと夢を繋ぐ20年の物語だ。
語り手の栗栖(山王社長のマネージャー)が、山王社長の栄光と挫折を振り返る形で進む。
第一部「希望」では、耕造が馬主として名馬を追い求める情熱が、ナレーターのテンポの良い語りで加速する。
競馬場の歓声や蹄の響きをも感じさせるナレーションが、Audibleならではの臨場感を加え、まるでスタンドで観戦している気分に。視覚で読む本では味わえない、音の立体感が新鮮だった。
特に印象的だったのは、ロイヤルホープの初レースのシーン。一気に気分が高ぶり、ゴール前の緊迫感を耳で追体験できた瞬間、鳥肌が立った。運転席で思わず拳に力が入り「いけー!」と祈っていた。
Audibleのすごさは、こうした「声の演出」が物語の興奮を倍増させることだ。ドラマとは違う醍醐味とも言える。
また、早見さんの爽やかな文体は、活字でも軽快だが、声になるとさらにリズミカルで、競馬の疾走感そのものだった。
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父子を超える絆の温かさ
物語の核心は、競馬以上に、父と子の絆だ。耕造の夢は大きく、時に息子・耕一を圧倒する。私も親の期待を感じながら育った一人として、耕一の「父を超えたい」という葛藤に共感した。
第二部「家族」で、耕一が「ロイヤルファミリー」という馬に新たな希望を託す場面が、静かな語り口で描かれる。
ナレーターの声が一瞬、柔らかく震えた瞬間、耕一の内に秘めた覚悟が伝わり、思わずこちらも目頭が熱くなる。
Audibleの声の抑揚は、活字では感じにくい感情の機微を浮き彫りにする。たとえば、耕造と耕一が初めて心を通わせる場面では、声だからこその「間」が父子の距離感を象徴していて、聴きながら自分の家族との会話を思い出した。この物語は、血統というテーマを通じて、家族の継承を問う。
競馬の血統は、馬の可能性を決めるが、人の絆は努力と愛で超えられる――
そんなメッセージが、Audibleの温かい声で胸に響いた。車内で一人イヤホンを通して聴いたこのシーンは、まるで家族のアルバムをめくるような切なさがあった。
競馬を知らなくても心を掴む物語
『ザ・ロイヤルファミリー』を聴き終えた今、思うのは、競馬の知識がなくても、この物語は誰の心にも届くということだ。
僕は競馬に詳しくないが、レースの興奮や家族のドラマに引き込まれた。
早見さんの筆は、専門的な競馬の世界を、誰もが共感できる「夢と絆」の物語に昇華させている。Audible版は特に、ナレーターの声がその魅力を増幅。
馬の蹄音や観客の歓声が、日常の喧騒を忘れさせ、物語の世界に没入させてくれた。
この秋、耳で感じる家族の物語を
#読書の秋2025 に、この本を投稿したくてキーボードを叩いた。
『ザ・ロイヤルファミリー』は、競馬の疾走感と家族の温かさを、Audibleの声の魔法で体感できる一冊だ。
忙しい日常で本を開く時間がない人にも、Audibleなら耳から物語が流れ込んでくる。通勤中、散歩中、秋の夜長に、ぜひこの物語を聴いてほしい。
馬場を駆ける馬のように、父子の20年があなたの心を駆け抜けるはずだ。ロイヤルファミリーのレースは終わっても、家族の絆は続く。
この秋、あなたも愛にあふれたこの物語で「ロイヤル」な時間を過ごしてみてください。
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【早見和真さんの代表作】
アルプス席の母
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笑うマトリョーシカ
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