映画『夏目アラタの結婚』|モノローグじゃなく柳楽優弥に賭けてほしかった
映画が公開している時に「これ見たいなー」「早く配信しないかなー」と思ってた作品の見放題が始まると知った時って嬉しいですよね。
子供が生まれ、1人で映画館に行くのも難しいので、常に映画の配信待ちをしている状態。気になっていた映画の配信はめちゃくちゃテンションあがります。
ということで、公開している時に「これ見たいなー」「早く配信しないかなー」と思っていた映画『夏目アラタの結婚』がprime video見放題で配信がスタートしたので見ました。
とりあえず、あらすじはこちら。
元ヤンで児童相談員の夏目アラタ(柳楽優弥)が切り出した、死刑囚への“プロポーズ”。その目的は、“品川ピエロ”の異名をもつ死刑囚、真珠(黒島結菜)に好かれ、消えた遺体を探し出すことだった。毎日1日20分の駆け引きに翻弄されるアラタは、やがて真珠のある言葉に耳を疑うーーー「ボク、誰も殺してないんだ。」プロポーズからはじまった、予想を超える展開。日本中を震撼させる2人の結婚は、生死を揺るがす<真相ゲーム>の序章にすぎなかった・・・。
主演は柳楽優弥。
柳楽優弥が主演って言われたらもう見るしかない。
映画『ピンクとグレー』でとんでもない存在感とオーラを放っているのを見てから、柳楽くんは作品全体の偏差値を5以上確実にあげてくれると信じてます。
しかも死刑囚と獄中婚する主人公なんて、柳楽くんの演技力を最大限まで活かしてやるぞと言わんばかりの設定じゃないか!
※ここから先はストーリーに触れますので、是非視聴してから戻ってきてください。
ちなみに原作未読です。
基本的には面白かったです。
つまらなかったらすぐ寝ちゃう夫も「面白かったと思うよ」と言っていました。
そう、たぶん面白かったです。
え、でも結局殺してんだよね?とか、
逆に未成年であそこまでやった方が怖いんだけど、とか、
100歩譲って頼まれたからやったとして切り刻むのおかしくない?怖くない?とか、
化粧の仕方わからないのはわかったけど、そこから何であのピエロのクオリティになった?とか、
いや、1人で結婚式すんの?夏目アラタめちゃくちゃロマンチストじゃねーか!とか、
ツッコミたいところや疑問点もいっぱいあるんですけど、それより何よりモヤモヤしてしまったのは、柳楽優弥を主演に立たせたのにモノローグばっかりでよかったの?というところです。
この映画、モノローグが異様に多い。
モノローグっていうのはつまり心の声です。映画を見ていると、視聴者は夏目アラタが何を考えているのかわかるので、彼がどんな人物なのかもよく伝わります。
正しくわかる。全て伝わる。
いいことなのかもしれないけれど、それが何だか異様に勿体無いと思ってしまう。
柳楽くんなら、その目線で、表情で、声で、喋り方で、存在感で、モノローグで伝わることわりも遥かに大きなものを表現できる気がする。言葉には表せない、得体の知れない不安や恐怖や、それでもそこに確かに生まれた「何か」を見せてくれた気がする。
この、夏目アラタという主人公を、柳楽くんならもっと魅力的な人物にできた気がして、それが残念で仕方ない。
確かに、もうこれモノローグ入れなきゃ夏目アラタが何考えてこの行動とってんのかわかんないだろうなと感じる部分も多々ありました。
そもそも、何人も殺している死刑囚と獄中結婚するって話ですからね。スタートから凡人には理解できない発想力と行動力です。モノローグがなかったら、コイツ何考えてんだと困惑する場面が絶対あったと思います。どれほど演技力があったとしても、モノローグを使わずにその人物の思考回路を伝えるのには限界があります。
それでも!
それでもそこは柳楽優弥に賭けてほしかった……!柳楽優弥に夏目アラタを丸ごと託してほしかったよ!
全部伝わらなくちゃダメなのか?
あの時アラタは何を考えてたのか、こう考えていたんじゃないかと私たちに想像させてくれてもよかったんじゃないか?
柳楽優弥が本気で演じれば、そういう演出をしてくれれば、絶対「主人公が何考えてるかさっぱりわかんなかった」だけで終わらないよ。夏目アラタという人間が心の中で何を考えてたのか、絶対私たちも考えたくなるよ。
あの、強そうで弱そうで、冷酷そうで優しそうで、満足そうで足りなさそうで、全てがごちゃまぜになったような、柳楽優弥の目を見せて欲しかった。
夏目アラタという人物を完璧には理解できなくても、柳楽優弥の中に夏目アラタを確かに感じたかった。
感じるつもりだったんですよ!!!

スタートはサスペンス、エンディングはまさかのラブロマンスだった映画『夏目アラタの結婚』。
柳楽優弥にもっと託して欲しかったとは思いつつ、サスペンス部分は興味深くみれました。
監督のみなさま、世の中がコスパだろうがタイパだろうが、もっと柳楽優弥に託して大丈夫です!!!
おしまい。
映画『ピンクとグレー』の柳楽優弥が本当にすごかったんですよね。原作読んでたので映画を見てストーリーに対する驚きは何もなかったんですけど、柳楽優弥が出てきた瞬間本当に圧倒されたというか、圧倒してくる役柄を見事に体現してたというか、もうオーラっていうのはこういものだっていうのを全て見せてきたんですよ。
笑っていない阿部サダヲの目を見ると、時々底なしの暗闇を見ているような気分になるんですけど、柳楽優弥はなんかその存在自体に、底なしの何かを感じます。
