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【会社が副業を嫌がる、本当の理由】一本足の給料と、資本の側の話

副業なんてやめておけ、本業に集中しろ。そう言われて、素直に頷いてきた人は多い。

だが、本当に危ういのは副業ではない。給料という、一本の足だけで立っていることの方だ。

■ 会社が副業を嫌がる、本当の理由

会社が副業を渋るのは、本業に集中してほしいからだと説明される。それは半分本当だ。社長の側で考えれば、社員が副業に気を取られて本業が留守になるのは困る。稼げる副業を見つけた優秀な人材に、独立して出ていかれるのも痛い。その気持ちは、分かる。

ただ、そこには口にされない、もう半分がある。社員の稼ぐ手段を、会社ひとつに絞らせておきたい、という都合だ。収入の入り口が会社しかなければ、人はそう簡単には辞められない。文句があっても飲み込む。囲い込み。私にはそう見える。

そして、これを読んでいるのは、たいてい社長ではない。会社の都合を、自分の都合として抱え込む理由は、どこにもない。

■ 給料は、借り物の安定だ

会社からもらう給料は、正確には個人の実力だけで得た金ではない。会社の看板、積み上げてきた信用、営業の網。その全部を使って稼いだ金だ。

それを自分の力だと思い込んだまま年を重ねると、看板を返した日に、自分の値段が分からなくなる。定年でも、病気でも、会社の都合でも、その日はいずれ来る。一本の足は、折れた時に立て直しがきかない。

■ 二本目の足が、変えるもの

副業を勧めたいのは、稼ぐ金額の大小の話ではない。自分の名前だけで、誰かに何かを渡し、その対価として1円を受け取る。その1円は、給料日に振り込まれる金とは種類が違う。誰にも指示されず、誰にも守られず、自分で立てた金だからだ。

現実の効き目もある。

1つ、収入の入り口が二本になる。上乗せされた分だけ、資産を育てる速度が変わる。

2つ、足が二本あることの落ち着きだ。一本が揺れても、もう一本で立っていられる。会社に生殺与奪を預けた状態から、少しだけ抜け出せる。足元が揺れにくくなれば、心も落ち着いてくる。

3つ、税だ。給料から天引きされるだけの立場では、税や社会保険の仕組みに触れる機会がほとんどない。義務教育でも、税の話はうわべを撫でて終わる。ところが自分で稼ぎ、自分で申告する側に回った瞬間、何が経費になり、どこで税が決まるのかを、自分の頭で追いかけることになる。これは机の上では手に入らない学びだ。この国は、仕組みを知らない者ほど、多く払う側に回るようにできている。

■ 副業は、ゴールではない

取り違えないでほしいことがある。副業で稼ぐこと自体が、目的地ではない。

二本目の足で上げた入金力を、そのまま市場へ、資本の側へ流し込む。労働で得た力を、資本の取り分に変えていく。副業は、働くだけの側から資本を持つ側へ回るための、いちばん手をつけやすい入口だ。会社が囲い込みたがるのは、たぶん、そこまで見えているからだ。

■ もう一本を、どこに置くか

もちろん、すべての人に勧めるわけではない。今の仕事で手一杯なら、それを守り抜くのも立派な戦い方だ。子の学費、親の介護、自分の体。削れないものを抱えている人に、まだ足りないと言うつもりはない。

ただ、やりたい気持ちがあるのに、時間がないという理由で何年も先送りにしているのなら、その何年かが、そのまま資本の側までの距離になっている。

会社は、悪意で縛っているのではない。ただ、足を一本にしておきたいだけだ。もう一本を、どこに置くか。それを決めるのは、会社ではない。

いま、給料のほかに、自分の名前で立てた収入はあるだろうか。ゼロなら、それが出発点だ。もしよければ、コメントで聞かせてほしい。

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