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恋は出席で決まるーChatGPT先生と作る短編小説ー

迷言です
今回は、【ChatGPT先生と作る短編小説】と #こんなヒロインどうですか を元にした超短編小説を書こうと思います

今回のヒロインは…八木 琴音(やぎ ことね)

では本編をお楽しみ下さい

タイトル:別れの温度

第1章:出席の条件


大学構内の中庭は、昼の講義が終わったあと特有の静けさに包まれていた
木々の影が石畳の上に揺れて、時折通り過ぎる学生の足音だけが遠くで聞こえる

私はベンチに座り、膝の上にクリップボードを置く
表には、名前が並んでいる
その一番上に、今日の日付を書いた
そして、名前を書く

桐生 雫

ペン先を止めて、私は空を見上げる
私の恋愛は、少し変わっているらしい
少なくとも、友人に説明したときは笑われた

恋愛は出席制

会えば成立
理由も感情も必要ない
ただ、そこに来るかどうか。それだけ
だから私は、こうして待っている
中庭の入り口をぼんやり見ていると、やがて見慣れた人影が現れた

黒い長い髪
腕には数冊の本
歩き方が静かで、どこか考え事をしているような雰囲気
文学研究室の先輩、桐生雫先輩

彼女は私を見ると、少しだけ眉を緩めた

「また出席確認?」

柔らかな声
私は小さく頷く

「来たなら恋愛成立です」

自分でも、冗談みたいな言い方だと思う
でも嘘ではない
雫先輩は一瞬だけ目を細めて、それから小さく笑った

「相変わらずだね」

そう言いながら、私の隣に立つ
その距離は、腕を伸ばせば触れられるくらい……近い
そのとき、風が吹いた

クリップボードの紙が、ぱらりとめくれる
私は指先でそれを押さえた

その動きを、雫先輩が見ていた
視線を感じ、私は顔を上げる
雫先輩の目が、私の手元に向いていた
その目線は指先を見ている

私は少しだけ首を傾けた

「……どうしました?」

雫先輩は、ふっと息を吐く

「いや」

それから、私の目を見る
静かな瞳だ

「今日も出席?」

私はクリップボードに視線を落とし、ペンを動かす

出席

「はい。今日も出席ですね」

雫先輩は、少しだけ肩を落として笑った

「ねえ琴音」
「はい」
「それって恋なの?」

私は少し考える
恋、という言葉を正確に考えたことは……あまりない
ただ、私にとって重要なのは一つだけ

来るか
来ないか

私は雫先輩を見た
距離は近く、呼吸がわずかに伝わる

「来てくれたなら、それでいいです」
そう言うと、雫先輩の視線がほんの少し揺れた
何かを測るような、静かな目で……
それから彼女は、ゆっくり息を吐く

「変な子だね、琴音」
「よく言われます」

そう答えると、雫先輩はまた笑った
中庭の風が、もう一度吹く
髪が揺れ、紙が少し鳴る
そして、私はクリップボードを閉じる
今日の恋は、成立した

第2章:触れない距離

雫先輩とは、ほとんど毎日顔を合わせている
偶然というには回数が多く、約束というには曖昧な関係だったけれど、気がつけば同じ場所にいることが多かった

昼は中庭、夕方は図書館、講義が終わったあとの研究棟の廊下。どこで会っても、私のすることは変わらない。クリップボードを開いて、名前の横に印をつける。それだけだ

「出席」

そう言うと、雫先輩はたいてい困ったように笑う。最初は冗談だと思っていたらしいけれど、私が本当に毎回同じことをするので、最近は半分あきらめているようだった

図書館の窓際の席に並んで座っていたとき、雫先輩は分厚い文学全集を読んでいた

古い紙の匂いと、静かなページの音が、夕方の空気に溶けていく
私は特に読む本もなく、机の上に手を置いたまま、ぼんやりその音を聞いていた

雫先輩がページをめくると、紙の端がふわりと浮いた。反射的に、私は指先でそれを押さえた。ほんの軽い動きだったけれど、その瞬間、雫先輩の視線が落ちてきたのが分かった

「……琴音」

顔を上げると、先輩の目が私の手元を見ている

「近いね」

そう言われて、私は自分の手の位置を確かめた。確かに、雫先輩の手からほんの少しの距離にある。けれど、ただそれだけだ

「そうですね」

私が何でもないことのように答えると、雫先輩は小さく笑った。笑い方がどこか探るようで、少しだけ真剣だった

「琴音ってさ」

本を閉じて、先輩は肘を机につく。袖が机の上で静かに擦れ、その動きで、距離がほんの少し縮まった

「一度も触れてこないよね」

言われてみれば、そうかもしれないと思った。けれど、それが特別なことだとは感じていなかった。恋の条件は別にある

「触れてもいいのに」

軽い調子の言葉だったけれど、視線はまっすぐだった

私は少し考えてから、首を傾ける

「それって……必要ですか?」

雫先輩は一瞬だけ言葉を止め、それから小さく息を吐いた。困ったように笑いながら、机の上に指先を置く。その指が、ほんの少し私の手に近づく

「必要っていうか……普通はそうするかなって」

私はクリップボードを開きながら答える

「でも、会いに来てくれますよね」
「うん」
「なら、それで充分です」

雫先輩は何も言わず、しばらく私の横顔を見ていた
視線を感じるけれど、私は特に気にせずペンを動かす。名前の横に丸をつける

その間にも、窓から入る風が紙を揺らし、静かな衣擦れの音が耳に残る
雫先輩は、なぜか少し落ち着かない様子で笑った

「琴音って、本当に変わってる」
「そうですか?」
「うん。でも」

少しだけ間を置いてから、先輩は小さく言う

「嫌じゃない」

私はペン先を止め、書いた文字を見直した
桐生 雫 ― 出席
今日もまた、恋は成立している

第3章:欠席

その日、雫先輩は来なかった

昼の中庭はいつもと同じだった。木の葉が風に揺れて、石畳に淡い影を落としている。講義を終えた学生たちの声が遠くで途切れ、やがて静けさだけが残る

私はベンチに座り、いつものようにクリップボードを開いた
日付の下には、すでに書かれている名前がある

桐生 雫

しばらくその文字を見てから、ペンを取った
そして名前の横に、小さく書く

欠席

特に何も思わなかった
ただ、そう記録しただけだ

恋は出席制

来なければ……それで終わり
それだけの話だ

次の日も、雫先輩は来なかった

私は同じベンチに座り、同じようにクリップボードを開く
同じ名前を見て、同じ場所に印をつける

欠席

三日目

中庭の木の葉が少し色づいていることに気づいた
風が吹くたび、枝がかすかに揺れる

私はペンを持ったまま、少しだけ空を見上げた
それから、やはり同じように書く

欠席

四日目

いつもより少し風が強かった
クリップボードの紙がぱらりとめくれる

私はそれを指で押さえる
そのときだった
背後から、息を切らした声が聞こえた

「……出席、間に合う?」

振り返ると、雫先輩が立っていた

肩で少し呼吸をしている
研究棟から急いできたのだろう

私は思わず目を見開いた。ほんの一瞬だけ
それからクリップボードに視線を落とす

「今日は欠……もう遅刻ですよ。何してたんですか?」

そう言うと、雫先輩は小さく笑った

「厳しい」

ベンチの横まで歩いてくる
その動きに合わせて、衣擦れの音がかすかに聞こえる

距離が近づく

雫先輩は私の隣に立ち、クリップボードを覗き込んだ

「本当に書いてるんだ」
「はい」

そのとき、雫先輩の指がクリップボードの端に触れた
紙が少しだけ揺れる
私はそれを押さえようとして、同じ場所に指を置いた

ほんの数cm

先輩の指先が、すぐそこにある
雫先輩が小さく言う

「ねえ琴音……会わないと、やっぱり恋は終わるの?」

私はクリップボードを見たまま答える

「はい……来なければ終わりです」

雫先輩は静かに息を吐いた
その吐息が、わずかに近い

「じゃあ……」

先輩が一歩近づく

「毎日来るしかないね」

その言葉を聞いた瞬間、胸の奥がわずかに揺れた
自分でも気づかないほど小さく、呼吸が乱れる
私はペンを持ったまま、クリップボードを見つめた

そこには、三日分の欠席が並んでいる
その横で、雫先輩の指先がまだ紙の端に触れていた
ほんの少し動けば、触れてしまう距離で……

第4章:恋の出席簿

夕暮れの中庭は、昼間よりもずっと静かだった。講義を終えた学生たちの気配はほとんど消えていて、木々の間を通る風だけが、葉を揺らす音を残している

私はいつものベンチに座っていた
隣には雫先輩がいる

しばらく何も話さず、ただ同じ方向を見ていた
石畳の向こうに、夕日がゆっくり沈んでいく

やがて、雫先輩が口を開いた

「ねえ琴音」
「はい」

少し間があってから、先輩は続ける

「出席ってさ」

私はクリップボードを膝の上で軽く押さえながら答える

「はい」

雫先輩は横目で私を見る

「誰でもいいの?」

その言葉のあと、しばらく沈黙が続いた
風が吹き、紙の端がかすかに揺れる

私は視線を落とし、クリップボードを開いた
そこには、同じ名前が並んでいる

桐生 雫 出席



桐生 雫 出席

同じ文字が、静かに続いている
私はそれを見つめながら言う

「来る人は……だいたい一人ですね」

雫先輩は少しだけ笑った

「そっか」

夕方の風が吹き抜ける
その風で、雫先輩の髪がふわりと揺れた

私はそれをぼんやり見ていた
細い髪が頬にかかる

気づいたときには、指が動いていた
ほんの一瞬だけ、その髪に触れる
指先に、柔らかい感触が伝わる

けれど、すぐに手を離した

「何……今の?」

私は少し考えた

恋という言葉にするには、まだ少し曖昧だ
でも、出席簿を見ると、ひとつだけはっきりしていることがある

私は雫先輩を再度見た

吐息がわずかに届くくらい……距離が近い

「毎日来るなら」

私はそう言ってから、少しだけ言葉を探す

それから、続けた

「たぶん……恋です」

雫先輩は一瞬黙って、それから小さく息を吐いた

「たぶん……なんだ」

「はい」

私はもう一度クリップボードを開く
最後の行にペンを置く

桐生 雫 出席

インクが紙に染みていく
私はその文字を見ながら、小さくつぶやいた

「皆勤……ですね」

私の恋は出席制だ
そしてその出席簿には、最初から最後まで―桐生雫の名前しかない―

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