【ChatGPT先生と作る短編小説】―マッチングしたのは母かもしれない ―
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【ChatGPT先生と作る短編小説】今回のテーマはこちらです
【マッチングアプリで母とマッチングしたら・・・】
では本編をお楽しみ下さい

第1章 母の条件
上司に飲み会でこう言われた
「お前もそろそろ身を固めろよ」
冗談半分のつもりで返した「相手いませんし」の一言が、空気を変えた
隣の先輩がスマホを差し出す
「アプリ入れろ。今どきは出会いもデジタルだぞ」
その勢いに負けて、俺は帰りの電車でマッチングアプリを入れた
プロフィール欄の“自己紹介”がやけに空っぽに見える
「趣味:昼寝」「好きなもの:味噌汁の匂い」――とりあえず書いた
写真も適当に撮って載せた。笑顔の練習なんて、もう何年もしていない
軽い気持ちだった。誰かとつながるつもりなんて、なかった
数時間後、“いいね”がいくつか届いた
その中に、一枚の写真があった
柔らかな照明の下、グラスを持つ女性
ベージュのブラウス、穏やかな笑み
どこかで見たような横顔
名前は「Mitsuki(45)」
プロフィールには、こう書かれていた
「好きな食べ物は肉じゃが
休日は録画したドラマを見ながら掃除をするのが癒しです」
指が止まった
胸の奥がざらつくような感覚
そんな趣味、どこかで聞いたことがある
目を細めて画面を見直す
――まさか
俺は笑って誤魔化した
偶然なんて、いくらでもある
母親の名前と同じでも、似た趣味でも、似た笑顔でも、別人だ
……そう思いたかった
しかし、“文章の癖”がどうにも似ていた
語尾の「〜かな」とか、改行の間の取り方
小さい頃に母が書いた手紙の文体を思い出す
「なんか、似てるな」
つぶやきながら、なぜか“いいね”を押していた
指が勝手に動いた
数分後、通知が鳴る
《Mitsukiさんとマッチしました》
心臓が一度、大きく跳ねた
スマホを伏せ、深呼吸する
“まさか”が現実味を帯びると、人は動けなくなるらしい
メッセージを開くと、最初の一文が届いていた
「マッチ、ありがとうございます。年下の方って、なんだか新鮮ですね」
その文面を読み返すたび、背筋が妙に熱くなる
文字に宿る気配が、母に似ていた
声まで聞こえそうだった
もう一度、プロフィール写真を見た
グラスの中の光が、ゆらりと反射していた
どこにでもいそうな女性なのに、なぜか俺には、あの人にしか見えなかった

第2章 女の顔をした母
メッセージの返信は、すぐに届いた
「年下の人と話すの、少し緊張します。けど、うれしいです」
その一文に、見えない柔らかさがあった
文末の絵文字が、小さく微笑んでいるように見える
会話は軽い雑談から始まった
仕事の話、好きな食べ物、休日の過ごし方
どの話題も、俺の知っている母の口癖と重なっていく
「疲れたときは甘いものを少しだけ」
「お酒は強くないけど、雰囲気が好き」
「夜風にあたるのが好きなの」
言葉の端々が妙に“女”の匂いをしていた
画面の向こうで、知らない誰かが母の声をして笑っている
けれど、その笑いは、母のものより少し低く、艶を帯びていた
写真をもう一度見た
光が頬をなでるように当たり、指先がグラスの縁を撫でている
爪は淡いピンクに整えられ、細い手首に小さなブレスレット
いつも台所で見ていた“母の手”とは、まるで違っていた
夜になると、メッセージの内容が変わっていった
「夜って、つい本音を言いたくなりますね」
「あなたみたいな人がそばにいたら、落ち着けそう」
「今、少しだけワイン飲んでます」
文面を読むたび、胸の奥がざわつく
“母ではない”と思い込もうとするたびに
“母だからこそ”出せる温度を感じてしまう
俺は冗談めかして返信した
「ワイン、似合いますね」
少し間を置いて、返事が来る
「褒め上手なんですね。
……そんなこと言われたら、また飲みたくなっちゃう」
部屋の照明を落とすと、スマホの光が指先を照らした
その光の中で、言葉が形を持ち始める
画面越しに、母の中の“知らなかった顔”が浮かんでくるようだった
会話の最後、彼女は言った
「今度、好きな香水、教えてあげますね
人の匂いって、相性があると思うの」
その一文を見た瞬間、息が止まった
母がいつも出かける前につけていた、あの香り
ふとした瞬間に感じる“家の匂い”
それが頭の奥で混ざり合い、形にならない感情を生む
スマホを伏せた
画面の余熱が、掌に残る
もう誰の言葉か、わからなくなっていた

第3章 会いたいと言われた夜
「実際に会ってみるのも、悪くないかもしれませんね」
そのメッセージを見た瞬間、心臓の音が一段と大きく響いた
“Mitsuki”から届いた短い誘い
何気ない文面なのに、指先が震えた
画面の向こうの彼女は、いつもよりも距離が近かった
「写真で見るより、優しそうですね」
「声を聞いたら、もっと好きになりそう」
そんな言葉が夜ごと重なっていく
冗談のつもりで、「会ったら緊張しますよ」と返すと、すぐに返事がきた。
「私も。だけど、緊張って、嫌いじゃないです」
その一文が、なぜか肌の奥まで沁みた
どんな表情で打っているのか、想像してしまう
グラスを持つ手、笑う時に少し傾く肩
その姿が、頭の中で鮮やかに形を取る
夜は深く、静かだった
スマホの画面だけが、部屋の中でやわらかく光っていた
“Mitsuki”のアイコンが点灯するたび、心が跳ねる
「最近、髪を切ったんです。短いほうが若く見えるかなって」
添えられた写真は、うなじにかかる髪の影がきれいだった
見慣れた輪郭なのに、見たことのない首筋
その無防備さに、息が詰まる
「誰かに“きれい”って言われると、少し元気になるんですよ」
そんな言葉が続いた
照明の下で笑う母の顔を、思い出してしまう
けれど、画面の向こうにいるのは“彼女”だ
母ではない。そう思い込まなければ、会話が続かない
「会うなら、昼のカフェがいいかな。明るいほうが安心ですよね?」
彼女の提案に、俺は数秒迷ってから「いいですね」と送った
指が送信ボタンに触れる瞬間、喉の奥で何かがつかえた
「楽しみにしていますね❤」
その後ろに、赤いハートの絵文字
ただの記号なのに、意味を持ちすぎていた
深夜、風がカーテンを揺らした
母の部屋の窓からも、同じ風が入っているのだろうか
その風の中で、母が誰かに会う準備をしている姿を想像してしまう
それが、俺自身との約束だとは知らずに
スマホを伏せ、暗闇の中で目を閉じた
瞼の裏に浮かぶのは、ワインを傾ける横顔
香水の匂いが、記憶の奥からゆっくりと滲み出してくる
明日、地元のカフェで会う
その現実を思うたび、胸の奥が重く熱くなった

第4章 沈黙の再会
待ち合わせのカフェは、午前の光に包まれていた
窓際の席には、淡いベージュのワンピースの女性が座っている
髪を巻き、控えめなピアスが光を返す
姿勢は少し硬いが、全体の空気が柔らかい
その横顔を見た瞬間、心臓が止まる
間違いなかった
母だった
こちらに気づいた母の表情が、みるみる変わる
驚き、混乱、そして赤面
口元がわずかに開いたまま、言葉が出てこない
テーブルの上のカップが、かすかに揺れた
「……ゆ、悠真?」
掠れた声が落ちた
「どうも、“Mitsukiさん”」
そう言うしかなかった
母の頬が一気に紅潮し、視線が泳ぐ
何度も瞬きをして、笑おうとして笑えない
その姿があまりに人間的で、胸の奥が締めつけられた
向かい合って座ると、沈黙が二人の間を満たした
カフェのBGMが、妙に明るく耳に刺さる
母はハンカチで頬を押さえながら、小さく息をついた
「……ほんとに、あんたなの?」
「うん。俺の方も、まさかだったよ」
「わ、私……こんな……」
声が震える。指先がカップの縁をつまむ
ワインを持っていたあの写真の姿が、目の前に重なる
「どうして、あんな写真を……」
母は視線を落とし、小さく首を振った
「だって……たまには、女でいたくなるのよ」
その言葉に、何も言えなくなった
家では見たことのない表情だった
恥ずかしさと誇りが混じった、ひとりの女性の顔
母はゆっくりと笑った
「ねえ、でも……“いいね”したの、あんたでしょ?」
「……いや、それは……」
「もう、最悪……」
言葉の後に、苦笑が落ちた
頬にかけた髪を耳にかける仕草が、どこか少女のようだった
短い沈黙のあと、母が小さくつぶやいた
「でもね、少しだけ、うれしかったの
知らない誰かに“いいね”って言われて
まだ、女として見てもらえるんだって」
その声には、照れと、ほんの少しの安堵が混じっていた
俺は笑ってうなずいた
「母さん、普通に綺麗だよ」
母の顔が再び真っ赤になった
湯気のような笑いが二人の間に広がった
そして、互いに何も言わず、静かにコーヒーを飲んだ
店を出るとき、母がふとつぶやいた
「……アプリ、消さなきゃね」
「うん。俺も」
外の風は少し冷たく、どこか気持ちよかった
歩きながらスマホを開く
“Mitsuki”のプロフィールが、最後にひとつだけ残っていた
――好きなタイプ:誠実な人
画面を閉じると、心の奥が少しだけ温かくなった

【マッチングしたのは母かもしれない】完
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