第1章『始動』ー終節:走り続ける理由 ー【ケンタウルスストーリーイベント】
ボイラー室を出ると、クロミツは静かに手を振った
「安定しました」
それだけ言って、彼女は帰って行った
そして、残された私は一人、街へ出た
誰に合わせるでもなく
誰を追うでもなく
それでも私は一定の速度を保って走る
意味もなく段差を選び、排水溝をまたぎ、わざわざ回り道をする
冷静に考えると奇妙だが、脚は正直だった。街の癖を、確かめたい
角を曲がった先で、迷子さんが立っていた
「今日はどうだったかしら」
私は迷わなかった
「楽しかったです」
微笑んだ迷子さんは、少しだけ視線を遠くに向ける
「ならお願い。ここを、もっと広く知らせて。守るためにね」
そう言って、必要な案内を示す
私は頷く。走る理由が、また一つ増えた
無茶で、真剣で、少しおかしい選択だ。それでも前に出る
ようこそ【福岡県春日市ケンタウルスへ】
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