こうして私は騙される
日経新聞夕刊で連載中の『ポワールのソルベ』。
大好きな中島京子さんの作品なので読んでいる。
NHKの「私は騙されない」でもよく言っているけれど、「ダマサレナイ」と思っている人ほど危ないということが、じわじわと身に迫ってくるような展開。
もちろん、突然電話口で、「事件に巻き込まれている可能性がある」「念のため口座番号を」などと言われたら、即詐欺だ!とわかるのだけど、小説として読んでいると、後になってから、「そういえばあれはおかしい」と気付くことが多々あるのだ。リアルタイムでは感じない疑念が、一息ついてからじわじわと浮かんでくる。そう気付いた瞬間、まるで自分が騙されたかのようなゾクッとする恐怖が体をすり抜ける。
怖い怖い。
人はこうやって騙されていくのだ。
人は誰でも、慌てたり焦ったりすると、通常の感覚を失う。
だからこそ、(えっ?!)と思ったときは、即座に電話を切るべきだ。メールでもそうだ。すぐに返信しないこと。ネット画面でクリックしないこと。
「私は騙されない」と思っている人に、ぜひ読んでもらいたい。
中島京子さんの見事な筆致が光る。
ちなみに、以前、宅配便が来るのを待っていたときに、到着を待たずに先に出かけた夫に、正に待っていた宅配便業者からSMSが届いたことがある。
「お荷物をお届けに上がりましたがご不在でした」という例のやつ。
再配達依頼をすべく偽サイトに誘導され、個人情報を抜かれるやつだ。
そのときは、夫から、まず私に、「××からメッセージ来たけど、荷物受け取れなかったの?」とLINEが来た。「え?受け取ったけどなんで?」と返すと、夫曰く、「危うく騙されるところだった!」
そうなのだ。そんなタイミングで。なぜ、よりにもよって今?みたいなタイミングで。『ポワールのソルベ』の主人公が襲われたような偶然が、現実にも起こり得るのだ。
油断大敵。
思い込み厳禁!
くれぐれも用心したい。
何かを待っているときほど危ないのかもしれない。

