転生悪女の黒歴史89感想
前置き
長いです、読み飛ばして下さい、私は楽しかったです
【ギノポン】
かつての「腐った薔薇」が嘘のように、今や天然の癒し枠になるとは思いませんでした。
ニースの真心云々のシーンで、1人だけ「?」となっているのがギノポンらしくて本当に可愛いですね。
個人的には、ギノポンに「その結婚ちょっと待った!」くらい乱入してほしかった気もします。
大好きな姉様を取られて今どんな心境なのか、彼の本音を詳しく知りたいところです。
【コノハ様】
ほとんど何もできずにソルが帰ってきて、彼女の意思とは関係なく、そのまま結婚してキスをする流れに……。
しかも、夫となるソルが想っているのは自分ではなく妹。
姉様にとって「結婚」とは、自分を幸せにするためのものではなく、義務か何かのシステムなんでしょうね。
本当にこの方も不憫でなりません。作中で一番、個人の感情を置き去りにされている気がします。
【オロロン】
オロチ君、弟の詳しい話もまだ聞いていない段階なのに、憎き悪女から泣きつかれてヒントを求められたら一緒に考えてくれるの、聖人過ぎませんか?
作中ではやられキャラポジションだけど、本当に人間が出来ていると思います。
意外と感情的にならない冷静さがとにかく凄い。
研究情報そのものは教えなくても、資料のある場所を教えてくれるなんてお人よしが過ぎる! しかも鍵まで貸してくれるなんて、本当に良い奴すぎて全力で褒めちぎりたいです(笑)。
まぁ、ここにニースがいたからこそ成立した会話なんだろうけど。
あと、オロチ本人は安易に情報を渡さないけれど、彼の研究自体が物語の重要な鍵を握っていた、という展開の持っていき方が最高でした。
【ヨミ君】
心は(強制力で)コノハに惹かれるように作られていても、魂はイアナを求めている感じが、個人的にめちゃくちゃツボで好感度しかありません。
ギノに対しては丁寧な口調を崩さず、コノハに惹かれている建前があるからこそ、形式的にイアナを探す形になっている構図も良いですよね。
それなのに、イアナを見つけた瞬間の顔が完全に「好きな女の人を見る目」になっていて、もう最高of最高。大好きです。
あと個人的な印象ですが、ヨミってコノハのことはちょっと雑に扱っている気がする。逆に、イアナには口を開けば塩対応なのに、扱い自体はすごく丁寧な気がするんですよね。
記憶を失ってもなお、無意識の「魂」のレベルでイアナを求めている感じが本当に萌える。要所要所で仕留めに来るヨミ君、尊すぎてありがとう……。
【ヤトリん】
ニースの「真心」のくだりで、ヤトリが止めなかった理由が明かされてスッキリしました。そっか、彼は「真心を返してほしかった」から静観していたんですね。
一応婚約者候補だし、今回の指輪の件は思うところがあったんだろうな。
イアナから「心にギノがいるくせに」と痛いところを突かれた際、ヤトリがどう感じたかはまだ詳しく描かれていませんが、まずはその辺りの決着をつけてからイアナにアプローチするのが筋というもの。
それでもなお「真心を返してほしい」という結論に至ったのなら、それを今後どうイアナに伝えるのか、今からすごく楽しみです。イアナの心を求めるなら、自分もそれに見合うものを捧げないと不公平ですしね。
また、「真心を返してほしいから黙っていた」という本音の吐露が非常に興味深かったです。
表向きは優しく受け流しつつも、やっぱり指輪の扱いには引っかかっていたんだなと。
加勢も守りもしなかったあの無言は、ニースとイアナのやり取りを彼なりに肯定していたからなんですね。
イアナに「心がないのに渡すなんて失礼」と指摘されたときの笑みは、きっと図星を隠すための誤魔化しだったのかな、なんて想像してしまいます。
動かないということは「嫌われ役のリスクは背負わない」ということでもあるので、賢い反面、人によっては狡猾に見えるかもしれない。
メンタル強者に見えるヤトリの、そんな人間らしい「弱さ」が垣間見えて、大変萌えました……!
【シャノウ君】
ここでニースの対抗馬としてシャノウ君が動いたのは面白かったです!「イアナ自身に、みんなの気持ちと向き合う義務も責任もない」というのは、本当にその通りだし、大事な大前提ですよね。
シャノウ君って一見感情的に見えて、実はすごく論理的なタイプ。流石は警察、と唸らされました。
かなり現実主義で、いま目の前にある事実や情報を何より大切にする人なんだな、と今回改めて実感。
必要とあらば、リスクを背負ってルールを破る度胸も持ち合わせているところが本当に素敵です。
どこまでもイアナちゃんの味方でいようとしてくれて、本当にありがとうと言いたいです。
【ニース】
前回に引き続き、今回も完全に話題を持っていかれました。こちらの盲点を突くような発想に度肝を抜かれ、ここ数日はニースのことばかり考えていたくらいです。
彼は人の心の機微にものすごく敏いタイプですよね。ソルの心理を的確に察知していたし、それを言葉にする能力も高い。
私はどうしてもニースを責める気にはなれなくて。むしろ、相手の痛いところをあえて言葉にできるのは、彼なりの優しさだと思っています。
おそらくニースはイアナちゃんに恋をしている。普通なら、好きな女の子に嫌われるのが怖くて「真心」なんて要求できないはずです。周囲がイアナちゃんを甘やかして本質を言えずにいる中、そこに踏み込める強さは本当に凄いなと。
イアナへの恋心はあれど、彼にとってソルは家族同然の存在。だからこそ、イアナがソルを傷つけた事実を許せなかったのも理解できるし、どこまでもソルの絶対的な味方でいようとする姿勢には、深い愛情と優しさを感じます。
そして、ラストの「イアナは化け物」というセリフに込められた真意について。
ニース自身、ソルを光の舞台に立たせるために組織に残り、重い制約を背負うような「凄まじい自己犠牲の人」です。しかもそれをソルに恩着せがましく言うつもりも一切ない。
そんな彼ですら、イアナの自己犠牲を見て「化け物」と評したのは、自分のような『愛ゆえの犠牲』とは根本的に違う、イアナの『大切な人のためなら、その人に嫌われても構わない』という、突き抜けすぎた精神の異常性に恐怖したからではないでしょうか。
ニースの行動や内面をMBTIの軸に当てはめた場合の分析メモ
【E】(外向型)の補足:
ニースは周囲の人間(ソルやイアナなど)の感情や動向に常にアンテナが向いていて、自らアプローチしていく外交的なエネルギーがあります。
【N】(直観型)の補足:
「ソルの未来の可能性やリスクを考えて、重い制約を背負う」という着眼点はまさにN(直観・未来志向)の特徴です。目の前の現実だけでなく、背後にある意味や「これから起こりうる未来」を読んで動いています。
【F】(感情型)の補足:
ニースの行動原理の根底にあるのは、論理(データや損得)ではなく、ソルへの家族愛やイアナへの恋心といった「人との繋がりや情熱」です。
【P】(知覚型)の補足:
「生身の人間を観察し、柔軟性が高い」という部分、まさにP(柔軟・状況対応型)そのものです。ガチガチの計画(J)に縛られるより、その場の状況や相手の反応を見て臨機応変に立ち回るのが上手いですよね。
結果として導き出された**「ENFP(運動家タイプ)」は
ニースの「愛嬌があって世渡り上手に見えるけれど、内面はもの凄く情熱的で、理想や大切な人のためにすべてを賭けられる」**というキャラクターって感じだね。
【イアナちゃん】
今回、なりふり構わず必死にオロチくんの元へ駆け込むイアナちゃん、すごく応援したくなりました。
自分が訊ねる立場にないことも、相手に迷惑をかけていることも自覚した上で、「ソルを救うためなら手段を選ばない」と言わんばかりの強さがある。感情に溺れず、どこか合理的に動けるところが格好良いです。
ただ、イアナちゃんって思考が本当に自罰的。ニースの言葉をきっかけに、「自分は人の心をないがしろにしている」という事実と、誰よりも誠実に向き合って傷ついている気がします。
「自分がソルの欲しがる言葉を持っていなかったから、彼を傷つけた」と考えてしまうのも彼女らしいです。
だけど、ソルが本当に求めているのはイアナちゃんの「心」そのものなんですよね。
もしイアナちゃんがツンデレ気味に「あなたがいなくても寂しくない」なんて、今にも泣き出しそうな顔で強がって見せたら、ソルにはそれだけで十分伝わるはずなのに。
そこの絶妙なすれ違いがもどかしくて。それも彼女なりの愛なのですが、イアナちゃんには前世の記憶があるからこそ、「結婚=双方が合意し、望むもの」という現代の価値観が根底にあるんですよね。だからこそ、ソルの選択を尊重して「応援する」と言ってしまった。
イアナちゃんは1ミリも悪くないからこそ、このズレをどうにか埋めてあげたい……! 彼女なら「知識」として割り切れるはずだから、恋愛における前提条件のバグを早く修正(インストール)してほしいなと思います。今回は感情のズレというより、根本的な価値観のズレが切ないです。
それはそれとして、「絶対助けるから」というコマのイアナちゃんには、ゾクッとするような言葉にできない狂気を感じてめちゃくちゃ萌えました。
死ぬわけにはいかない、ソルは絶対に助けたい、その一心で限界を超えて壮絶に足掻いた結果、周囲から「化け物」扱いされてしまう。この、歪だけど圧倒的な主人公パワーが本当に大好きです。
【ソルきゅん】
今回のソル、どちゃくそ「病んだ乙女」モード全開でめちゃくちゃ萌えました……!
優しい言葉をかけ、細やかに気を遣い、執事として誠心誠意これ以上ないほど尽くした数時間後。あんな風にあっさり手放すようなことを言われたら、傷つくなという方が無理です。
「思えば彼女は最初からこういう人間だった」と冷徹に分析しつつも、本音ではただ「イアナに必要とされたい」だけなんですよね。
それなのにイアナから「プロだから引き継ぎを気にしてるのよね」なんて見当違いな気遣いをされたら、「俺は側にいたいのに、イアナ様は俺を必要としてくれないの?」と絶望してしまうのも当然です。心が折れて冷めてしまう心理描写がリアルで本当に切ない。
読者は、ソルがまるでヒロインさながらにイアナを想って行動する姿を見届けているので、彼の献身が「本物の愛」だと知っています。
でもイアナ視点だと、どうしても「仕事としての義務」に見えてしまう。
お互いに相手を大事に想っているのに、決定的なボタンの掛け違いが起きている……このすれ違い、本当に最高すぎます。
そもそもソルは、義務だけでここまで心を尽くせる性格ではないからこそ、イアナの「お仕事発言」には到底納得がいかないはず。
「俺はイアナ様にとって『大勢の中の大切な1人』に過ぎない」という嘆きは、裏を返せば「イアナ様の特別(1番)になりたい」という男の子としての真っ当な独占欲の表れ。拗らせ方が最高に愛おしいです。
【ソル補足】
ソルは今回、すごく内的思考が目立っていますよね。
何かあってもすぐに口に出したり周りに当たり散らしたりせず、自分の中で悶々とループさせて感情を消化(あるいは深化)させようとする。
エネルギーのベクトルが完全に自分の内側に向いているので、元からの性格も含めて間違いなく**【I(内向型)】**。
彼は「これまで自分が具体的にどんな言葉を尽くし、どう行動してきたか」という過去の事実(ログ)をベースに現実的に思考を組み立てているので、抽象的な可能性よりも現実や経験を重視する**【S(感覚型)】**。
そして今回、ものすっごく「感情的に寄り添うこと」や「心を尽くすこと」に重きを置いているのが伝わってきたので、意思決定の基準は間違いなく**【F(感情型)】**。
元暗殺者だけど基本的には秩序や自分の役割(執事の職務など)を大切にするし、物事を曖昧にせず、関係性にきっちりとした位置づけ(答え)を求める傾向があるので**【J(判断型)】**。
【総合】
ソルにとっての愛情表現とは、まさに「相手に誠心誠意尽くすこと」。
彼は「自分が真心を込めて誠心誠意尽くしていれば、イアナ様は自分を認めてくれて、側に置きたいと思ってくれるはずだ」という思想を抱いていました。
だからこそ、イアナちゃんが最も得意とする「メタ的な仕組みや大局を捉える機能(N)」をソル自身は苦手としているがゆえに、「自分の真心が相手に通じれば、たとえお金がなくなってもずっと側に置いてくれる」という、ささやかで一途な未来の夢を見てしまったんだと思います。
「真心が伝わりますように」という願いは、自分の真心が通じることでその夢が叶うと信じていたからこそ出た発言。
それなのに、前世の価値観(S劣勢)を持つイアナちゃんに「お仕事(プロの引き継ぎ)」として客観的に手放されてしまったため、彼の夢は木っ端微塵になってしまいました。
ここで、ソルが自分の真心を「劇薬ですよ」と恋する乙女のように言ったのは、「この重すぎる愛を俺はちゃんとしてきたから、後戻りできない副作用(独占欲や執着)があるから覚悟してね」という意味だったんだろうなと。
夢を砕かれ、感情(F)のキャパシティを超えて傷ついた結果、今度はひねくれた理屈で脳内を満たす「内的思考(Ti)」の暴走が始まってしまった。苦手なN(直観)が「俺はもう大勢の中の1人に過ぎない、要らない存在なんだ」という最悪な未来の悪夢を見せ、それを内的思考で悶々とループさせて分析しているからこそ、今回のあのプツンと冷めて病んでしまった姿に繋がっているのだと思います。
誰かの役に立ちたいというISFJ特有の献身的な光が、届かなかった反動で特大の闇(病んだ乙女)へと反転してしまう、ソルにはこれ以上ないほどぴったりで、切なすぎる属性です。
ここまで読んだ強者っているのかな、
長くてごめん
