百名馬一首。の覚書き
昨年2025年はJRA・京都競馬場の100周年記念の年でした。
100周年を記念して様々なキャンペーンやイベントが、現地またはインターネット上で企画・催行されました。
『百名馬一首』の企画もそのうちの一つで、日本近代競馬成立後の歴代の名馬にちなんだ短歌が募集されました。
名馬百頭を目標に短歌が募集され、京都競馬場の記念イベントという事もあって、京都競馬場に縁の深い競走馬と短歌が採用されました。
注)京都競馬場100th記念のホームページは2026.01.31. をもってクローズ。
私もいくつか(数頭の名馬)の短歌を出詠して、うち三首を採用していただきました。
採用された短歌は、百人一首のカルタ風にデザインされて名馬の挿絵も描き起こしされています。←(凄く嬉しかった!)
(´,,•ω•,,)ノ♪
この覚書きは、自分自身の記念と記録のために残そうと思って書いています。
興味のある方は、以下も引続きご覧下さいませ。
各名馬の詳しい紹介は、さらに詳しいメディアや記事に譲るとして、紹介のために簡単に触れておきます。
では、採用の三首を。
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第59回菊花賞優勝馬
セイウンスカイ
1998〜2001年に現役で活躍した競走馬です。
1998年の牡馬クラシック三冠レースのうち、皐月賞と菊花賞のニ冠を制しています。
同期に秀でた活躍馬が多く、史上『黄金世代』とも称される世代の名馬の一頭です。
短歌はセイウンスカイが菊花賞を制した姿を詠んだもの。
菊花賞は昔から『逃げ馬は勝てない』が定説で、この年の強力なライバル関係からも、逃げて良績を残してきたセイウンスカイには勝利への不安が囁かれていました。
ところがレースでは鞍上の横山典弘騎手(いまや大ベテラン)の手綱に誘われ、軽快にハナ=先頭をきってレースをリードしていきます。
最終コーナーをまわって直線を向くと、難なく後続を突き放し、ダービー馬・スペシャルウィークを2着に完封して勝利しました。
短歌はこのゴールシーンの余裕を感じさせる勝ちぶりを歌にしました。
歌のなかにセイウンスカイの特徴と名前を織り込んで名馬を称えました。


ゴール板を過ぎてもどこまでも駈け続けるかのような姿。
まだ黒っぽい芦毛の馬体の鮮やかな逃げ切りが脳裏に残っています。
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第17回秋華賞優勝馬
ジェンティルドンナ
2012年の三冠牝馬。
生涯成績は海外G1を含むG1レース・7勝。
第17回秋華賞でライバル・ヴィルシーナをハナ差で退けて勝利。史上4頭目の牝馬三冠を達成します。
秋華賞勝利後の次走は、三冠達成の勢いのままに国際招待競走のG1レース・ジャパンカップに挑戦。
歴戦の牡馬や同期の牡馬トップホース、国際招待馬の世界のトップホースとの対戦に、若馬の女の子が挑みます。
この年のジャパンカップはフランス・凱旋門賞の覇者ソレミアや、前年の牡馬クラシック三冠馬にして年度代表馬・オルフェーヴルなど、ジャパンカップに相応しいメンバーが参戦していました。
このレースでジェンティルドンナは、世界の強豪や一線級の牡馬を相手に勝利を勝ち取ります。
東京競馬場の最後の長い直線では、現役最強馬オルフェーヴルとの火花散るようなデッドヒート。
3歳牝馬とは思えないフィジカルと走破力、勝負根性でオルフェーヴルをハナ差抑えて優勝します。
3歳牝馬のジャパンカップ制覇は史上初の事でした。
ジェンティルドンナはこの年、年度代表馬に選出されます。
翌2013年も牡馬の強豪相手にG1で好走。
海外G1挑戦などを経て、秋には史上初のジャパンカップ連覇。
さらに2014年には前年に惜敗した海外G1・ドバイシーマクラシックを制覇、年末には引退レースである有馬記念に勝利して有終の美を飾ります。
そしてこの年、2度目の年度代表馬に選ばれます。
2012年に秋華賞で牝馬三冠を達成するまでは、相手も同じ3歳馬。牝馬三冠レースでは同じ3歳牝馬が相手でした。
ジェンティルドンナも3歳の牝馬の幼い雰囲気をまだ残していましたが、ジャパンカップでの勝利を機に、牡馬を相手に鎬を削る『強さ』『逞しさ』を身に纏ったように思います。
その成長を馬名の『貴婦人(伊:ジェンティルドンナ)』に当てはめて、秋華賞(華)制覇・三冠達成の場面を詠ってみました。


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第28回秋華賞優勝馬
リバティアイランド
史上7頭目の三冠牝馬。
前年に2歳牝馬のレースの最高峰・阪神ジュベナイルフィリーズを勝利し、2023年には桜花賞・優駿牝馬(オークス)・秋華賞を制して牝馬三冠を達成しました。
彼女の走りっぷりは数字上の着差以上に圧巻で、盤石に映ります。
その能力の確かさは、三冠レースの単勝オッズが全て1倍台だった事でもわかると思います。
スター性たっぷりの走りと愛らしさがあり、ニュース報道などの影響もあって主戦の川田騎手がリバティアイランドに「お嬢さん」と話しかけるのが話題になりました。
短歌はリバティアイランドと川田騎手との絆を取り上げつつ、秋華賞で三冠を達成した姿を詠んだものです。
レース後に公開されるジョッキーカメラには、勝利後にリバティアイランドをねぎらう川田騎手の声が入っています。
馬をクールダウンさせつつ、ウイニングランのためにスタンド前へと向かう川田騎手。
三冠牝馬となったリバティアイランドと川田騎手が戻ってきたスタンド前の直線。
その先には雲間からさす秋の夕日と、輝かしく照らされた雲。
高く清らかな秋の風景が広がるなか、川田騎手の染みわたるような一声。
『最高の景色だな、美しいね』
その情景を詠んだ一首です。


秋華賞の次走、リバティアイランドはジャパンカップに出走します。世界最強馬であったイクイノックスの後塵を拝して破れますが、3歳牝馬ながらに2着で入線。強さの証明を確かなものにします。
翌年は海外遠征を交えて強豪と渡り合いますが、奮戦およばず勝ち星には恵まれず。
そして三冠達成から2年後の2025年4月27日。
遠征先の香港でレース中に故障を発生。
予後不良の診断が下されて安楽死の処置がとられ、この世を去りました。
現役三冠馬の遠征先での訃報は大々的に報じられ、ファン、それ以上に関係者の方々は悲しみに胸をいためました。
秋空の下を駈け抜けたリバティアイランド。
その魂が美しい空へと還り、競馬ファンの心に刻まれ続けることを祈ります。
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最後に京都競馬場さんのポストへのリンクを貼っておきます。
百名馬一首のすべての短歌が掲載されています。(少し画像が粗いですが……ガンバレ)
https://x.com/i/status/2014171193142804575
出詠して没になった短歌もありました。
詠みたかったけれど、まとまらなかった名馬もありました。
でも楽しかったです。
他の競馬ファンの想いの強さも短歌から伝わってきて。
他の競馬場のメモリアルでもやって欲しい。
次の百年。
私は見る事が叶いませんが、どんな凄い名馬・素敵な名馬が誕生するのでしょう。
