語学学習の「仮説」について
僕は、仮説(疑問)の構築、検証を回すやり方が語学学習で大事であるという意見を持っています。今回は、語学学習で仮説を持つとは何か、仮説を「回す」とは何かについて、説明します。
仮説とは
仮説とは何かしらの命題のことです。その仮説の理由付けがあいまいだったり、あるいはまったくなくてもよく、「なんとなくそんな気がする」という直感を命題にした仮説もあります。
語学学習の仮説の例には、以下のようなものがあります:
mustとhave toってニュアンスが違うらしいけど、実際問題としてほとんど同じなのでは?使い分けでピリピリしなくてもいい気がする。
トイレを表す表現にはいろいろあるらしいけど、ぜんぶtoiletでもいい気がする。正直そっちのほうがラクだし。
そして、仮説のいいところは、疑問が疑問を呼ぶ点、教科書をただおいかけるようなアプローチとは別の形での学習が可能になる点であり、効果的な学習を達成できます。この点については後半で詳述します。
キーワードはメタ視点
上記で仮説とは何かをかんたんに説明しましたが、「じゃあ、仮説ってどうやってみつければいいの」という疑問が生じると思います。言い換えると、「なんかこんな感じになっているのでは?」とか、「なんかこんなパターンあるよね?」という着想そのものを得るには、何をすればいいか疑問に持った人もいると思います。
仮説の特定、蓄積で重要になるのは、メタ視点です。
メタとは、「高次元の~」などと訳される言葉で、今いるレイヤーよりも上位のレイヤーで物事を考える際などに使用される言葉です。メタ認知、メタ視点などという言葉で表現されます。
たぶんこんな感じなんだろな、たぶんこんな心理でこの言葉がでてくるんだろうなという着想は、自分が知らない範囲の「メタ認知」を育てることで得られます。無知の知を把握する、と言い換えてもよいと思います。
想像を確証に変えていき、知識のリーチを広げる過程は卵の黄身と白身のようなものです。白身の部分(仮説)がどんどん広がり、それに連動するかのように黄身に相当する知識(確証)の部分が広がっていく姿が、仮説検証の語学学習です。
仮説の「仮採用」
ビジネスの世界でも、仮説を定めてそれに基づいてゴーサインを出すことがあるらしいですが、語学学習でも基本的には変わりありません。
語学学習の場合も、上記のような仮説を命題化したら、とりあえずそれを「仮採用」することがオススメです。
確証を得られる情報が手元に入るまで首を長くして待っている必要はなく、仮説を定めたら、とりあえずそれを「なりたつもの」としたほうがいいです。仮説を裏付ける(あるいは反証する)情報はいつどこからやってくるかは不確定であるため、学習のスピード感を達成するためにも、仮説のままゴーサインを出すことが大事になります。
そして、仮説の行く末はだいたい以下のようになります:
仮説の実証>思っていた通りだった。
仮説の破棄>思っていたのと違ったので、仮説の命題が反証された。
仮説の修正>仮説の大筋は間違っていなかったけど、命題の設定が不正確だったり、ミスリーディングだった。
仮説が実証されるか反証されるかのいわゆる「答え合わせ」は、すぐにできるとは限らないので、結果を焦らないようにすることも重要です。
仮説思考の立ち位置
仮説思考とは何かを僕なりに表現すると、「現状利用可能な情報、資源を可能な限り使用した結果として出した、仮の答えやポジション」です。リソースがあるかないかは関係なく、現状のリソースをできる限り使ってとにかくなんか言うことが仮説の表明になります。直感的判断であったとしても、その人のその時点までの経験の蓄積がそれなりに反映されるはずですから、当てずっぽうや博打みたいな判断よりはよくなるはずです。仮説と博打はまったく異なることは、繰り返し触れておきたいことです。
ものごとをフラットにながめてなにか言うことは重要なのですが、「完全に」フラットにながめることはできないですし、それを先にやってから、という発想になるとプロセスが過度に直列になり、「なんか言う、なんかやる」というプロセスが後手後手になります。不完全な情報の蓄積で「主観的に、かりそめの形でなにか言う」という中間のステップが必要になるのは、それをするのが生身の人間であり、リソースに制限があることが通常であるためです。
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?
