人は、何を見て「これは自分に関係がある」と判断するのか
こんにちは。☀️
灯の旅人です。
灯の研究所、第3回です。
前回は、noteを開いた読者が、タイムラインに並ぶすべての記事を見ているわけではないという話をしました。
記事が画面へ表示されていても、その存在へ気づいてもらえるとは限りません。読者は、今の自分が気になっていることや、以前から知っている発信者の記事を優先して見ています。
けれど、同じタイムラインを眺めていても、ある記事では指が止まり、別の記事はそのまま通り過ぎていきます。
その違いは、どこから生まれるのでしょうか。
今回は、
人は、何を見て「これは自分に関係がある」と判断するのか。
noteの記事を選ぶ読者の視点から観測していきます。
今回の研究全体については、こちらの入口記事で紹介しています。
▶ 研究案内|人は、なぜその人をフォローするのか
これまでの記事はこちらです。
▶ 第1回|毎日書いているのに、なぜ存在を知られないのか
▶ 第2回|人間は、なぜ目の前の情報をほとんど見落とすのか
▶此方のマガジンにまとめていきます。
読者は、内容より先に「自分との関係」を見ている
発信者は記事を書くとき、どうしても内容を中心に考えます。
何を伝えるのか。どこまで詳しく書くのか。文章は分かりやすいか。最後まで読んでもらえる構成になっているか。
時間をかけて書いたからこそ、中身をしっかり見てもらいたい。そう思うのは、とても自然なことです。
けれど、タイムラインを眺めている読者は、その時点ではまだ記事の中身を知りません。
最初に見えているのは、タイトル、見出し画像、発信者の名前やアイコン、冒頭に表示される短い文章くらいです。
読者は、その限られた情報から、
「これは自分が読む記事なのか」
を判断しています。
つまり、記事が優れているかどうかを確かめる前に、
自分との関係がありそうか
を見ているのです。
発信者は中身を見ています。
読者は、まず入口を見ています。
この視点の違いを知らないまま反応だけを見ると、
「文章が悪かったのかな」
「自分には書く力がないのかな」
と、自分を責めてしまうことがあります。
けれど、まだ記事を開かれていないのなら、内容の価値を否定されたわけではありません。
ただ、読者が自分とのつながりを見つけられなかっただけかもしれないのです。

同じ記事でも、止まる人と通り過ぎる人がいる
たとえば、
「毎日書いているのに、なぜ存在を知られないのか」
という記事が流れてきたとします。
毎日noteを書いている人。投稿を続けているのに反応が増えず悩んでいる人。フォロワーやPVが伸びず、発信の方向に迷っている人。
そうした読者なら、タイトルを見た瞬間に、
「これは自分の話かもしれない」
と感じるかもしれません。
一方で、noteを書いていない人や、発信について特に悩んでいない人にとっては、今すぐ読む理由がありません。
記事の質が変わったわけではありません。
見る人によって、その記事との距離が違うのです。
だから、すべての人へ読まれるタイトルを作る必要はありません。
むしろ対象を広げすぎると、誰のための記事なのか分からなくなることがあります。
たとえば、
「人生について考えたこと」
というタイトルがあったとします。
人生は、ほとんどすべての人に関係があります。
けれど範囲が広すぎるため、仕事の話なのか、人間関係の話なのか、生き方についてなのか、タイトルだけでは判断できません。
読者は「人生は自分にも関係がある」とは思っても、
「今この瞬間に読みたい」
とは感じないかもしれません。
大きなテーマとして関係があることと、今の自分に必要だと感じることは、同じではないのです。
誰へ向けた記事なのかが見えると、指が止まる
記事を多くの人へ届けたいと思うほど、発信者は対象を広くしたくなります。
誰にでも役立つ記事です。
年齢や仕事に関係なく読めます。
すべての人に知ってほしいです。
そう言いたくなる気持ちは、旅人にもよく分かります。
せっかく時間をかけて書くのなら、一人でも多くの人へ届けたい。
けれど読者が最初に見ているのは、その記事が何人へ向けられているかではありません。
今の自分へ向けられているように感じるか。
そこを見ています。
毎日書いているのに読まれない人。
AIを使いたいけれど、どれを選べばいいか分からない人。
創作を続けているのに、自信を失いそうな人。
ゲームをしたいのに、なぜか起動する気力が出ない人。
そのように具体的な状態が見えると、当てはまる読者は立ち止まりやすくなります。
対象を絞ると、読まれる人数まで少なくなるように感じるかもしれません。
けれど実際には、誰に向けた記事なのかが明確になることで、必要としている人へ見つけてもらいやすくなります。
一人へ向けて書くことは、読者を減らすことではありません。
同じ気持ちを抱えていた人が、
「これは自分のことでもある」
と気づける入口を作ることなのです。

読者は、自分の言葉で悩んでいる
発信者と読者では、同じ問題を違う言葉で捉えていることがあります。
発信者は、
認知の広がり。
情報設計。
発信者像の形成。
記事同士の関連性。
といった言葉で考えているかもしれません。
しかし読者が普段考えているのは、
「毎日書いているのに読まれない」
「フォロワーはいるのにPVが増えない」
「自分が何の人なのか伝わっていない気がする」
「何を書けばいいのか分からなくなった」
といった、もっと身近で直接的な悩みです。
発信者が使いたい言葉だけで記事を作ると、内容は正しくても、読者が自分との関係を見つけられないことがあります。
読者がまだ知らない言葉を、入口に置いてしまうからです。
今回扱っている「認知」という言葉も、最初から難しい説明だけを前へ出していたら、立ち止まる人は少なかったかもしれません。
けれど、
毎日書いているのに、なぜ存在を知られないのか。
という身近な悩みから入れば、
「自分にも起きている」
と感じてもらいやすくなります。
難しい構造を扱うほど、入口は読者が普段使っている言葉にする。
その先で、新しい見方へ少しずつ案内する。
それが、読者と記事の間に橋を架けることなのだと思います。
タイトル・画像・冒頭を、同じ方向へ揃える
タイトルだけで、記事のすべてを説明する必要はありません。
読者が最初に必要としているのは、記事の全内容ではなく、
自分と関係があるかもしれないという手掛かり
です。
タイトルで問いを示す。
見出し画像で、その問いの雰囲気や構造を伝える。
冒頭で、どのような人へ向けた記事なのかを明らかにする。
この三つが一緒に働くことで、読者は読むかどうかを判断できます。
タイトルではnote運営の話に見えるのに、見出し画像はまったく別の内容を示している。
冒頭を読んでも、何について話す記事なのか分からない。
そうなると、読者が最初に感じた関心は途切れてしまいます。
反対に、
タイトル・見出し画像・冒頭の文章
が同じ方向を向いていれば、
「やはり自分が気になっていた話だ」
と確認しながら読み進められます。
一つの要素だけですべてを伝えるのではなく、記事の入口全体で同じ読者へ語りかけることが大切なのです。

今回の観測結果
人は、記事の内容を詳しく読む前に、
自分との関係がありそうか
を判断しています。
その手掛かりになるのが、タイトル、見出し画像、発信者の名前やアイコン、そして記事の冒頭です。
読者は、誰にでも関係のある広い言葉よりも、今の自分が抱えている悩みに近い言葉へ立ち止まります。
今回の観測から見えてきたのは、
読者は、記事が優れているかを判断する前に、
その記事が自分のためのものかを判断している。
ということです。
自分のための記事だと感じられたとき、タイムラインに並ぶ一つの記事は、
読む理由のある記事
へ変わります。
今回の内容を自分のnoteへ置き換えるなら、まず確認できるのは次の二つです。
この記事は、どのような状態の人へ向けて書いているのか。
タイトル・見出し画像・冒頭が、その人へ同じ内容を伝えているか。
この二つを見直すだけでも、書きたいことと、読者が受け取る入口のずれを見つけられるかもしれません。
第1部を終えて
ここまでの第1回から第3回では、
記事が存在していても、読者に気づかれるとは限らないこと。
読者は、目の前にあるすべての記事を見ているわけではないこと。
そして記事を読む前に、
「これは自分に関係があるか」
を判断していることを観測してきました。
ここまでが、この研究の第1部です。
次の第2部では、記事そのものではなく、
発信者が他者の中で、どのような人物として認識されるのか
を観測していきます。
第4回のテーマは、
人は、なぜ発信者を一瞬で分類してしまうのか。
です。
AIの記事を書けば、AIの人。
ゲームの記事を書けば、ゲームの人。
さまざまな内容を書いていれば、何を書く人か分からない人。
読者は、わずかな情報から発信者をどのように理解しているのでしょうか。
灯の研究所では、第2部以降も、毎回一つの見方と、自分の発信で見直せることを持ち帰れる記事を無料で公開していきます。
無料で第1部をここまで読んでくださり、本当にありがとうございました。
記事が届かないとき、つい自分の文章力や才能を疑ってしまうことがあります。
けれど、まだ見つけてもらえていない。自分との関係を見つけてもらえていない。
そんな、文章の外側にある理由も存在します。
この3回が、自分を責める前に、少しだけ別の角度から発信を見つめ直す手掛かりになれば嬉しいです。
灯の研究所の観測は、ここからさらに深い場所へ進みます。
第4回は、明日17時ごろ公開予定です。
此方のマガジンに総てまとめていきます。
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ここまで歩いていただき、ありがとうございます。
もし何か感じていただけたなら、その想いをそっと置いていっていただけると嬉しいです。