灯のアトリエ ~赤髪のあかりさんの企画参加~ Akarium Tonight
皆さま、こんばんは。
灯のアトリエ 管理人をしています
灯の旅人でございます。
ここ最近本人は忙しい訳ですが…《勉強で》
その合間に、色々と企画参加する事もします。
今回の企画参加はこちらです。
そうですね…。
今回は物語も書きますが、今回は夜をテーマにした物語です。
アカリウムの初企画なので、ド派手に飾るぞとして絵での物語…
は多分意気消沈のチーンとなりますので…(笑)
テーマソングでも作ってみようかなと思った次第です。
曲の時間も何故か丁度いいという(笑)
後は其の後短編小説もおいてますので是非。
曲
歌詞

夜の水族館で、猫レイニャが大暴走した日
夜の水族館は、昼間よりもずっと静かだった。人の声は遠く、足音さえ青い光に溶けていく。大きな水槽の向こうでは、クラゲがゆっくりと漂っていた。半透明の傘をひらき、光を受けて、まるで小さな月がいくつも海の中に浮かんでいるようだった。
「レイニャ、見てみろ。クラゲ、すごいな」
旅人が水槽を指さすと、隣にいた白猫は、ふわふわの尻尾を揺らしながら顔を上げた。レイニャは猫の姿をしていても、首元にはいつもの青いリボンがある。少しお姫様みたいな飾りがついていて、夜の水族館の光を受けると、まるで展示物の一部みたいに綺麗だった。
「にゃあ……」
レイニャは水槽の前でじっとクラゲを見つめた。いつもなら、ここで何か少し変なことを言う。旅人はもう、それを半分くらい期待していた。
「クラゲって、気持ちよさそうに浮いてるよな」
旅人が何気なく言うと、レイニャの耳がぴくりと動いた。
「にゃ……たしかに」
「ん?」
「レイニャも、ああやってずっと浮いていたいにゃ……」
その言葉を聞いた瞬間、旅人は嫌な予感がした。レイニャが「やってみたい」と思った時は、大体ろくなことにならない。過去にも、丸いクッションを見て「雲みたいです」と言った三分後に、部屋の真ん中で丸くなって一時間動かなくなったことがある。
「いや、やめとけって」
「にゃむ?」
「猫なのに泳げないし、そもそも浮けないだろ」
「関係ないにゃ。気持ちの問題にゃ」
「気持ちの問題で物理法則を突破しようとするな」
レイニャは旅人の忠告を聞いているようで、あまり聞いていなかった。目は完全に水槽の中のクラゲに吸い寄せられている。ふわふわ。ゆらゆら。ぷかぷか。たしかに見ているだけなら気持ちよさそうだが、こちら側で再現できるものではない。
「にゃっ」
「今の“にゃっ”は何?」
「やってみるにゃ!」
「だから、やめろって!」
次の瞬間、レイニャはその場で前足を広げた。どうやらクラゲのように空中へふわっと浮かぶつもりらしい。本人はかなり本気だった。目を閉じて、尻尾をゆらし、全身のふわふわを最大限に広げている。
しかし当然、浮かない。
「……」
「……」
数秒の沈黙が流れた。
「浮いてないぞ」
「まだ準備中にゃ」
「準備でどうにかなる現象じゃない」
それでもレイニャは諦めなかった。今度はぴょん、と小さく跳ねた。白い毛玉が水族館の青い光の中で一瞬だけ宙に浮かび、そして、すぐに重力へ正直に従った。
ぺしょん。
「全然浮いてない!!」
旅人は思わずツッコんだ。
「にゃ……でも気分はクラゲだったにゃ」
「それならまあ成功か……?」
旅人がそう言った瞬間、レイニャはなぜか満足そうに胸を張った。いや、胸というより、ふわふわの毛玉全体が少し偉そうに膨らんだ。
「レイニャ、クラゲになれたにゃ」
「なれてない。完全に猫だ」
「でも心はクラゲだったにゃ」
「猫の心はどこ行った」
「今、休暇中にゃ」
あまりにも堂々と言うので、旅人はしばらく黙るしかなかった。水槽の中ではクラゲが静かに漂っている。こちら側では、白猫が真剣な顔でクラゲの精神性について語っている。夜の水族館とは、こんなにも不思議な場所だっただろうか。
しばらくして、旅人はレイニャを抱き上げた。ふわふわで、少しだけ温かい。さっきまでクラゲになろうとしていた白猫は、抱えられると急に大人しくなった。
「ほら、もう暴走するなよ」
「にゃあ……旅人、優しいにゃ」
「そりゃ落ちたら困るからな」
「でも、今の旅人は少し笑っていたにゃ」
「そりゃ笑うだろ。夜の水族館で猫がクラゲになろうとしてるんだから」
レイニャは少しだけ目を細めた。それから、水槽の中のクラゲをもう一度見つめた。
「でも、旅人」
「ん?」
「クラゲは、きっと何も考えずに浮いているわけじゃないと思うにゃ」
「また哲学が始まったな」
「多分、ゆっくり考えてるにゃ。どこへ行くのか。何に光っているのか。自分は本当にクラゲなのか」
「最後の問い、だいぶ重いな」
「だからレイニャも考えたにゃ」
「何を?」
「自分は猫なのか、クラゲなのか」
「猫だよ」
旅人は即答した。
レイニャは少しだけ不満そうに耳を伏せた。
「即答はひどいにゃ」
「いや、事実だからな」
「でも、今日のレイニャは少しだけクラゲでした」
「そういうことにしとくか」
旅人がそう言うと、レイニャは満足したように、腕の中で丸くなった。水槽の青い光が、白い毛並みに柔らかく反射している。クラゲの光も、魚の影も、天井の暗がりも、全部が夜の中でゆっくり揺れていた。
「旅人」
「何だ?」
「また来たいにゃ」
「水族館に?」
「はい。次はもっと上手に浮きます」
「まだ諦めてなかったのか」
「相棒ですから」
「その理屈はおかしい」
レイニャはふふん、と言いたげに尻尾を揺らした。
「旅人が見てくれるなら、レイニャは少し変なことをしても大丈夫にゃ」
「少しどころじゃなかったけどな」
「では、だいぶ変なことでも大丈夫にゃ」
「そこは反省しろ」
二人の前で、クラゲは何も言わずに漂っていた。もしかすると、笑っていたのかもしれない。もちろん、クラゲが笑うかどうかなんて分からない。ただ、夜の水槽の中は、ほんの少しだけ明るくなったように見えた。
帰り道、レイニャは旅人の腕の中で眠そうに目を閉じていた。さっきまで「クラゲになります」と宣言していた猫は、今では完全にただの眠い白猫だった。
「満足か?」
「すやぁ……満足にゃ……」
「そっか」
旅人は小さく笑った。今日も何かしてやろうと思っていたわけではない。ただ、夜の水族館に来て、クラゲを見て、レイニャが暴走して、少し笑った。それだけの夜だった。
けれど、こういう何でもない時間が、案外あとから一番残るのかもしれない。
青い光。
ゆらめくクラゲ。
クラゲになろうとした白猫。
それを抱えて帰る自分。
旅人は心の中で、今日の出来事に小さな題名をつけた。
夜の水族館で、猫レイニャが大暴走した日。
たぶん、この夜のことを思い出すたびに、自分はまた少し笑うのだろう。
そしてレイニャは、夢の中で今度こそ、ふわふわとクラゲみたいに浮いているのかもしれなかった。
翌日以降の出来事である

其の後元に戻ったけどさ…。
今回もいい物語というより笑いましたね(笑)。
まあいいでしょう…。
今回はこの辺で(*´▽`*)
貴重な機会を下さりありがとうございました。
それでは、ここまでは灯のアトリエの管理人、灯の旅人がお届けしました。
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