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一番偉い人へ|心にもどかしいカタルシス

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そうは言っても、することもないのに職場に居続ける理由もない。
しばらくなにも考えず、休養をとってみるか。
五月の終盤、親族の法事で休暇をとったことを皮切りに、定時で仕事を切り上げ帰るようにした。
和尚さんのお経が下手くそだったことが一時身内で話題になり、通勤電車でしばらくYouTube動画の摩訶般若波羅蜜多心経をリピートしてみる。

暑い夏がはじまる。
ついこの間まで仕事しかしてなかった人間が、早く帰って休めと言われても何をして良いかわからない。

悪戦苦闘する同僚たちを尻目に、会社の外に出る。日が長くなった外の景色は光のコントラストが眩しく、まるで新海誠の映画のようだ。
そういえばここ一年は、暗くなってからの退勤が当たり前だった。ひと月くらい夕空を見上げては感動していた。

久しぶりに何かゲームをやってみたいと思い、何十年かぶりにポケモンを買ってしばらく遊んだ。
こんな早く帰って、飲みながらゲームをするなんていつぶりだろう。二時までやった金曜の夜もある。
仕事は遅くまで残ると疲労感が出てくるのに、自分がやりたいことはいくらでもできる。

しかし、そのうち飽きた。
とりあえずレベル上げて火力で殴れば大抵解決、という発想に至ってからはなんか全てが作業と化し、睡眠を削ることがもったいなくなった。
余談だけど最近のポケモンって、なんか丸っこくない?初代の頃のイラストレーターが描くやつはかっこよかったなあ…三十年前の担当の人の名前を調べてみたりする。

久しぶりにスポーツの試合を見たくなった。
やっぱり飲みながらプロ野球のセパ交流戦をテレビで見る。昨年に続いて日ハム、新庄ファイターズの躍進が目覚ましい。
ある時の巨人戦、完全試合達成まであと一歩のピッチングをした北山投手のファンになり、その後も登板日の試合はハイライトをYouTubeで見た。
150キロ台のストレートを主軸に組み立てる真っ向勝負もかっこいいし、彼の人柄やヒーローインタビューのやり取りに現れる質実剛健の感じが古風で、今どきこんな若者がいるのか、と。
どうもやっぱり、寡黙でストイックなキャラクターに憧れる自分がいるらしい。

あとは久しぶりに、休日に少し離れた温泉に行ったり、ただただ自分を甘やかすことをやってみていた。
じっくりお湯に浸かる、ということができない落ち着きのない子ども(昭和生まれ)だが、何回か行った時にじっと耐えて肩まで浸かり続けたら、体の芯まであったまるのを感じた。

仕事以外で自分の心がプラスに動くものを探していた。
職場は映画好きが多いらしい。私も夏は珍しく鬼滅の刃を見に行った。映画は面白かったが、あの辺とは何かを分かち合ったり、わかり合いたい気持ちは起きない。語ることはしなかった。

昨年のひところは、稼いだ残業代で一度家族を連れてふぐ鍋を食べに行ったり、ふるさと納税で遠い地域の刺身を返礼品でもらったことがある。
他にも温泉の食堂で食べたラーメンや、出張先のお昼、帰りの新幹線で飲むお酒がたまらなくおいしかった。
気がつけば赤ん坊の哺乳瓶のようにお酒を手に持っている。やっぱり食い気、飲み気がいちばんというところはなんとなく再確認した。

しかし、こうして文章を書きたいと思うほど心身のエネルギーはまだ戻ってきておらず、頭は常にぼんやりして、眠くなったら寝る、を繰り返す日も多かった。

自分なりに、わりと真剣に心身の状況がどうなっているのか、どう対処するのがいいのかを探したりしてみた。
連休明けの一時だけ、「自律訓練法」というものを知り、YouTubeの動画をみながら寝る前に試してみたことがある。
なかなか効果を実感できず二週間ほどで辞めてしまったが、当時は床についても全身ガチガチの戦闘モードだったので今の方が上手くできる気はする。

また、自分の状態がどういうものなのかと、本を探してみたりもした。これかな、と思うものに「バーンアウト」を紐解いた本がいくつかあり、腑に落ちたとともに私の気持ちを少しだけ救ってくれた本があるので、合わせて紹介しておく。

次回↓

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