【カナダ移民法】ファミリークラスで最も重要な落とし穴―除外家族とは?
カナダの移民制度(IRPA・IRPR)において、ファミリークラスのスポンサーシップには非常に重要かつ厳格な制限があります。
それがいわゆる 「Excluded Family Member(除外家族)」のルールです。
これは簡単にいうと、過去の永住権申請時に「申告されていなかった家族」は、将来的にスポンサー(呼び寄せ)できないという、非常に強いペナルティ規定です。
現行の125(1)(d)に基づくルールとして、実務上も頻繁に問題になります。
1. ファミリークラスの基本ルール(IRPA第12条)
まず大前提として、カナダ市民や永住者には、以下の家族をスポンサーする権利があります。
配偶者
コモンローパートナー(事実婚)
扶養子ども
親など(条件あり)
これがいわゆる「ファミリークラス移民」です。
つまり本来であれば、家族をカナダに呼び寄せることは制度として認められています。
2. しかし例外がある(IRPR 125条(1)(d))
この原則には、非常に重要な例外があります。
それが以下のルールです:
過去の永住権申請時に「申告されていない、または審査を受けていない家族」は、スポンサー対象から除外される
これがいわゆる Excluded Family Memberルールです。
3. なぜこのルールが存在するのか
カナダ政府がこの規定を設けている理由は大きく2つです。
① 虚偽申告の防止
永住権申請時に本当は家族がいるのに、
独身と申告する
家族を意図的に外す
といった不正を防ぐためです。
② 事前審査の徹底
将来カナダに移住する可能性のある家族については、最初の段階で
健康状態
犯罪歴
セキュリティチェック
などをすべて確認する必要があるためです。
4. 実際に問題になる典型ケース
このルールは、意外と多くのケースで問題になります。
ケース①:申告漏れ(結婚後の扱いミス)
例えば以下のようなケースです。
永住権申請時は「独身」で申請
申請途中または取得直前に結婚
しかし手続きが面倒・遅延を避けるため申告しなかった
後から配偶者をスポンサーしようとする
👉 結果
その配偶者は「当時審査を受けていない家族」と扱われ、スポンサー不可となる可能性があります。
ケース②:子どもを申告していなかったケース
よくあるのが以下です。
前配偶者との間に子どもがいる
親権や連絡の問題で申告が不十分
「non-accompanying」として不完全な申告のみ
👉 結果
その子どもが将来カナダへ移住したくても、通常のファミリークラスではスポンサーできない可能性があります。
ケース③:コモンロー申告漏れ
一番頻繁にあるのが以下のケース。
永住権申請前から同居しているカップル
申請書や税申告もすべて「独身」で提出
無事に永住権を取得して、パートナーのスポンサーとなり申請
コモンロー開始日を永住権申請前に設定して、長い関係をアピール
しかし、除外家族としてビザが不許可に。
さらに深刻な場合は:
虚偽申告(misrepresentation)と扱われ
パートナーが5年間の入国禁止に
スポンサーの永住権そのものも取消リスク
に発展することもあります。
5. このルールの本質
この規定の本質はシンプルです。
「永住権申請時に存在した家族は、すべて正しく申告し、審査を受けさせなければならない」
そして一度でもこれを怠ると、
後から呼び寄せることができない
永遠にスポンサー資格を失う可能性がある
という非常に重い結果につながります。
まとめ
Excluded Family Memberルールは、カナダ移民法の中でも特に注意が必要な規定です。
ポイントを整理すると以下の通りです。
永住権申請時の家族はすべて申告が必要
同行・非同行に関わらず審査対象にする必要がある
申告・審査漏れがあると後のスポンサーは不可
場合によっては虚偽申告として重大なペナルティ
📩 ご相談について
カナダのファミリークラスやスポンサーシップは、過去の申請内容によって将来の選択肢が大きく制限されるケースがあります。
特に今回ご紹介した Excluded Family Member(旧117(9)(d)・現125(1)(d))ルールは、見落としがあると取り返しのつかない結果につながる可能性があります。
過去の申請内容に不安がある
家族の申告が正しくできていたか確認したい
スポンサーシップが可能か判断したい
このような場合は、早い段階で専門的な確認を行うことが重要です。
当事務所では、カナダ移民法に基づくスポンサーシップ案件についても個別の状況に応じてアドバイスを行っております。
また、自力で申請されたケースでは、申請書類を拝見すると、意図せず「評価上の弱点」や「リスクになり得る記載の抜け」が残っていることも少なくありません。
移民申請は、単に事実を並べれば通るものではなく、どの情報をどう整理して提示するかによって、審査官の受け止め方が大きく変わります。
そのため当事務所では、プロの視点から申請内容を精査し、
不必要に弱く見えてしまうポイントを補正し
誤解を招く可能性のある記載を整理し
必要な補強資料を通じて全体の整合性を高める
といった形で、申請全体の完成度を引き上げるサポートを行っています。
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