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新人を育てる文化が消えるらしい。エンジニアも。

新卒採用をやめた大手企業

大手の富士通が新卒一括採用をやめるらしい、というのが数日前にXで話題になりました。特にIT界隈では「これからは新人・若手を会社で育てる、という文化がなくなっていくだろう」という予測を立てる人が多くいます。

これは私も同意見で、今後加速度的に「新人を育てる」というシステムがなくなっていくだろうと予測しています。

これは会社の体質的問題だけはなく、AIの台頭によるものも多分にあると考えています。

今回は、AIと新人育成の関係性について、自社Web開発界隈に長く身を置く私なりに解説したいと思います。

システムエンジニアという職種ではどうか?

そもそも論①:多くの人が勘違いしているエンジニアのなり方

職種としてのエンジニアではなく、能力としてエンジニアに「成る」ために必要なものがありますが、多くの人が勘違いしています。

スクールを卒業していれば立派なエンジニアだ!資格に受かれば立派なエンジニアだ!

こう思い込んで行動している人が多いです。そうして何十万ものお金と、貴重な時間が数ヶ月単位で無駄になります。そういう人に限って「今日の積み上げ」とか言ってXでポストしたりしています。

Xにポストしていてもエンジニアにはなれません。

積み上げとか言っている人がいたら大体が情報商材屋です。騙されないよう気をつけて下さい。そんなことしている暇があったら一行でも多くのコード書き、一行でも多くの技術ブログを読み漁ってください。

そもそも論②:システムエンジニア(SE)になるには

能力として十分なエンジニアになるためには、以下の条件が必要だと考えています。

  • 自分の能力を伸ばしてくれる上司がいる

  • 自分の能力にあった課題を与えてくれる人がいる

  • 詰まった時に程よく手助けしてくれる人がいる

つまり、自分のことを育ててくれる人の環境に身を置くことが大事です。また、このような環境は大多数の場合、お仕事である(=
会社に勤めることである)ことが多いと思います。

大多数の場合、というのを補足しておくと、時々趣味の開発でも似たような環境になることがあるという点を考慮しています。自分よりできる友達と一緒にゲームを作る、みたいな環境のことです。ただ、このような恵まれた環境は狙って作れるものではない(=再現性が低い)点に留意してください。

逆に、いきなり個人開発から始めたり、スクールのような環境に身を置いた人は、大成しないことが多いか、結局その次のステップで路頭に迷っていることが多いです。私が過去にメンタリングした人で、スクールに数十万かけて卒業したのはいいが、その次お仕事になる気がしない、という人が2人くらいいました。

結局一人で頑張ってても、自分の成長はすぐ頭打ちになってしまいます。この認知ギャップを取っ払ってくれる環境に身を置くことがとても大切です。

エンジニアにはコードレビューという文化があります。書いたコードを他の人(多くの場合は上司)に見てもらうことです。そのコードレビューの場で、「もっとこういう書き方をしたほうがいいよ」「この書き方をしているのはなんで?」などフィードバックを貰い、それにあわせて修正してくことで、エンジニアは成長することができます。

新卒育成・新人育成スキームの素晴らしさ

本題に戻りまして、これらのことを考えると、エンジニアになるための最も近道は新人育成のレールに乗ることです。単純に大学を卒業して新卒採用されて、という話ではなくて、能力的に満ち足りてないペーペーを採用してくれて、育てる気概がある会社に入る。これが大切なのです。

冒頭のニュースは新卒一括採用をやめるという話でしたが、それはいわゆる「形式化された就活」という話に留まらず、この風潮が広がると次第に「誰も新人を育てられなくなる」時代が来ます。つまり、「誰もあなたを育ててくれない」という時代が、眼の前に来ているわけです。

新人のやること

かつての私もそうでしたし、私が会社で指導した後輩もそうでしたが、多くのペーペーは「優先度が高くないけど治ってたら嬉しいこと」を課題として与えられることが多いです。

できる人がやれば30分で修正・追加できるが、他にやることがあるから手が回っていないタスクです。

できる人がやれば30分で終わりますが、できない人からしたら高い壁でして、大体1〜2日かかってコードを完成させます。そしてコードレビューを経て結局また手直しして、1日くらいかかり、トータル3日くらいかかってタスクが終わります。

できる人の30分と、できない人の3日のトレードです。一見分が悪そうですが、こうやってエンジニアの卵は育っていきます。これがだんだんと、「できる人の30分タスクを1日でできた」「できる人の30分タスクを1時間でできた」「できる人の1日タスクを5日でできた」……のようにステップアップしていくのです。

AIが新人の機会を奪っていく説

以上が再現性の高いエンジニアの成り方だと考えていたのですが、時代が変わってきました。

AIの登場です。

AIはできる人ほど使い物になりませんが、新人よりかは使えます。できる人が30分で終わるタスクを、数分で終わらせてきます。(できる人が1日で終わるタスクは終わらせるのが難しい点に留意が必要です)

簡単であれば簡単であるほど、AIが一瞬で終わらせてきます。

できる人が30分でできるタスクを、「できる人がAIを使って3分で終わらせることができる」のであれば3日かけて新人に振る必要はありません。

よく、「AIはまず最初にソフトウェアエンジニアの仕事を奪う!」と言っている人がいますが、これは間違いです。

「AIはまず最初に新人ソフトウェアエンジニアの仕事を奪う!」が正しいです。そしてこれは「予測」ではなくて「もう起きている」ことです。

今からエンジニアになりたい人へ

というわけで、今からエンジニアになりたいと思っている人、あるいはエンジニアになろうと思って奮闘している人。時間は限られています。程々に急いだ方がいいです。

無駄なことをしている暇はありません。日本の企業が新人を育てるのを諦める前に、新人として企業に属しましょう。

あなたは新人です。全てを事前にマスターする必要はありません。等身大の自分と、それをメタ的に認知していれば、「伸びしろがあるな!」と思われて採用されるかもしれません。

少なくとも採用をやっていた時に「スクール卒ですポートフォリオはこれです」みたいな人は全員書類で落としていました。それ以外に魅力が無かったからです。

魅力的な新人になるために日々精進する。もちろんプログラミングもキャッチアップする。これで十分なのではないでしょうか。


今回は少し攻めた内容になりましたが、今後もこのような発信を続けていきたいと思います。新人育成、メンター(メンタリング)、採用あたりの知見に基づいて記事を作っていきます。私の過去の経験や業界にロックインされた知見ではある点ご留意ください。業界が違えば常識は違うかもしれません。

質問などがございましたら、コメントやXのDMでお願いします!

また次回の投稿でお会いしましょう。

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