今も覚えている場面

・良い役者の2人

前項で大きな病氣では、時として医師の技術より、
患者を1人の人間として尊重する理解することが、
大事ではないか?と書きました。

2003年にフジテレビで放送された
「白い巨塔」(唐沢寿明さん主演)。
山崎豊子さんの代表作であり、
映像化された作品では1978年に放送された、
田宮二郎さんが主役を演じたものが、
最高傑作といわれています。

2003年版で今も忘れない場面があります。
野心あふれる外科医の財前五郎(唐沢寿明さん)の同期ですが、
患者にとことん寄り添う内科医の里見脩二(江口洋介さん)と、
財前を誤診で訴えた原告代理人の関口弁護士(上川隆也さん)の会話です。

浪速大学の圧力が強く、原告側に立つ医師の証言を得られない関口が、
里見に相談する場面です。

関口「どこの医師も浪速大学を憚って証言していただけない。
   八方ふさがりです。里見先生、癌治療において
   最も大事なことは何ですか?」

里見「話すことに尽きると思います。患者の不安を受け止め、
   納得できる治療を選べるように、手助けすること。
   医師にはそれが必要でしょう。」

関口「これまで財前さんの治療に医学的根拠の有無ばかり求めていた。
   
肝心の患者さんを置き去りにした長い医学論争に終始していた。 
   
患者さんと医師との信頼関係こそ、問われるべきですね。」

里見「そうです。」


・弁護士の戦術が変化


このあと関口弁護士は原告である佐々木親子との会話で、
このような場面が放送されます。

関口「佐々木さん。私は戦い方を間違えていました。」

佐々木(母)「先生。どういうことですか?」

関口「これまで私は財前さんの治療に医学的根拠ばかりを
   求めてきました。しかしそれでは専門的な知識を持つ、
   医師に言いくるめられてしまいます。」

佐々木(息子)「もしオヤジが生きていたら、この裁判を見てて
        オレにもわかるように説明しろ!と、
        怒鳴っていたと思う。」

関口「浪速大学の関係者で佐々木さんの手術に立ち会った人で、
   証言する人を探します。」

2003年版では佐々木氏の手術をめぐるカンファレンスに、

立ち会った看護師の記録が財前が食道癌の肺への転移を見落とした、

決定打となり二審で逆転勝訴につながります。

台詞は正確に再現出来ては
いないと思いますが、
大筋は合っているはずです。

当時は自分ががん患者になるとは、
夢にも思わなかったですがね(笑)



この場面を思い出して最初に診察を受けたときは、
患者をなんだと思っているんだと憤慨しました。

同じ手術の提案でも不信感を持ちながら受けたのでは、
予後もいい経過を辿らなかったような氣がします。

1年経って夜間に病院に行ったときに、
A医師に言うべきことが言えて、
きちんと謝罪してくれました。

お互いに納得が得られたなら、
手術は必ずうまくいくと確信しました。
私はさらにA医師に言いました。

島「先生たちにとって、癌は身近な出来事でしょう。
  しかし患者にとっては生涯に何回も訪れない一大事です。
  
先生は癌を治療してくださいますが、
  身体を治すのは私が当事者です。
  私が1年前に言いたかったことは言えました。
  あとはお願いします。」

A医師「島本さんのお氣持ちはよく分かりました。
    全力でお応えします。」


そんなわけで蟠りが解けて手術に臨めました。

※これは私が印象に残った出来事やフィクションのシーンを通じて感じたことを綴ったものであり、一般的な医療の評価や標準治療の説明を目的としたものではありません。

#膀胱癌   #白い巨塔

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