📕高校生の感性でしか書けないインド留学記『JK、インドで常識ぶっ壊される』
📕高校生の感性でしか書けないインド留学記
『JK、インドで常識ぶっ壊される』
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2018~2021の3年間、14~17歳までを
父の仕事の関係でインドの首都デリー(タージマハルで有名)で過ごした、日本人高校生、熊谷はるかさんの手記。
高校生とは思えない文の上手さと表現力、
および高校生にしか書けない瑞々しい感性と視点で、
グイグイ読ませる。
タイトルと、本の表紙はポップな感じだが、
内容はもっと真面目な社会派で、インドで彼女が目の当たりにした貧富の差やカースト制などについて
深く考えさせる素晴らしいドキュメンタリーだった。
インターナショナルスクールに通っていた熊谷さん。
クラスメートは、親が外資系企業に勤める家出身のグローバルエリート、いわゆる、インド階層の「トップ」。
中にも、「親の仕事の関係で、海外から祖国にやってきたインド人」というカテゴリーの同級生もいる。
あるとき、インド人の親友が
「私の肌って、ちょっとダークだから、好きじゃないの」
とつぶやいた時、
著者の熊谷さんは、何と反応すれば良いのか分からず黙ってしまう。
彼女の家には、料理が上手で和食も作れる家政婦さんや、
陽気な運転手さんがいる。
階級なき日本で育った日本人の彼女は
「使用人を使う」ということが理解できず、戸惑う。
そんな時、熊谷さんのお母さんが
「でもね、誰かが雇ってあげないと彼らも生活できないのよ」
というシビアな一言を言い、
そこでもまだ、高校生の熊谷さんは
「私たちは人として平等なのに、
なぜ私が彼らを雇う側にいるんだろう?」と考えてしまう。
※ちなみに、この運転手さんには、
大学に通っている娘さんがいて、
彼はその優秀な娘さんを誇りにしている、という記述が出てくることに救われる。
(個人的な話だが、私が香港に住んでいた子供時代、自分の家に家政婦さんがいたが、
英語のできない中国人家政婦さんには、
英語ペラペラの大学生の娘さんがおり、
その娘さんは香港中文大学というエリート大学に通っていたことを思い出した。香港では、家政婦さんを雇う側は「雇い主」という「上から目線」というより、もっとドライな仕事の関係だったように思う。
本の後半は、高校の課題活動ーー毎週木曜日、
ストリートチルドレンとお話しするーー描写になる。
ストリートチルドレンの子供達は、育ってきた環境からは信じられないほど、愛くるしくて、かわいい子たちだった。
インターナショナルスクールの高校生たちは、
彼らに麻薬の恐ろしさを教え、
最後、彼らは一緒に「麻薬反対」のデモ行進をして、この本は幕を閉じる。
著者の熊谷さんは、与えられた環境で、表面だけなぞって異文化体験をしただけでなく、
自分からどんどんインドのコミュニティに飛び込み、課題を見つけていく、勇気と知恵と優しさの持ち主だった。
熊谷さんが行っていたボランティア活動は、
カイラシュ・サティーアーティ(インドの子どもの権利活動家。2014年ノーベル平和賞受賞)の草の根活動の一部だという。
サティーアーティさんについては、名前しか知らないので、こんな素晴らしい人について、自分も調べてみようと思う。
彼女は本書で
“I am doing my bit.”(私は自分の役割を果たしています)という言葉を紹介し、
「私のbitとは何だろうか?」と自問自答する。
この問いは、私自身も自分に問いかけることとなった。
若き熊谷さんから、私自身が学ばされたことは非常に多い。この本を書いてくれたことに感謝の気持ちでいっぱいである。
#インド留学
#熊谷はるか
