知らないと騙される!?確率の落とし穴3選
40人くらいのクラスなら、
同じ誕生日の人がいる確率は、どのくらいでしょう。
せいぜい1割くらい?
直感的には、そう思うのではないだろうか。
テストのマークシートで③が4回続いたら、
次の問題は、③以外の答えな気がする…
これも、かなり自然な感覚だ。
そして、
排出率1%のガチャを100回引けば、
1回くらいは当たるだろうと思ってしまう。
正直、そう考える方が普通だと思う。
この記事は、
こうした「ごく当たり前に感じる判断」が、
数学的にはどう扱われているのかを扱う。
先に言っておくと、
どれも「感覚的には正しい」ように見える。
でも、すべて間違っている。
しかも厄介なのは、
それが計算ミスや知識不足ではなく、
人間の思考の癖そのものから生まれている点だ。
だからこれは、
頭のいい・悪いの話じゃない。
誰でも、同じように引っかかる。
この記事では、
なぜ40人で誕生日が被るのか
なぜ「そろそろ」は信用できないのか
なぜ1%は思ったより当たらないのか
この3つを、
できるだけ直感を壊さない形で説明していく。
読み終わったあと、
たぶんあなたはこう思うはずだ。
「ああ、そりゃ騙されるわ」
「確率」が人を騙す3つの罠
① 誕生日のパラドックス
【問題】40人のクラスに、誕生日が同じペアがいる確率は?
A) 10%くらい
B) 50%くらい
C) 90%くらい
A,B,C どれだと思いますか?
正解はC。約90%だ。
「えっ、365日もあるのに!?」と思ったあなた、まんまとハマりましたね。
なぜこんなに高いのか。
それは、あなたが「40人しかいない」と思っているから。
でも数学は違う見方をする。
40人がいると、「2人ペア」の組み合わせは780通りもある。
つまりこれは、
「たった40人」の問題ではなく、
780回も「同じ誕生日か?」という判定ができる問題だ。
<ここが怖い>
この錯覚、日常でめちゃくちゃ起きているのが怖いところ。
SNSで「また同じ意見の人がいた!やっぱりみんなそう思ってるんだ」
ニュースで「最近この事故多くない?」
でも実際は、組み合わせが爆発的に増えてるだけかもしれない。
世界は思ってるより密で、
偶然は思ってるより頻繁に起きる。
誕生日のパラドックスは、その現実を突きつけてくる。
② ギャンブラーの誤謬
「そろそろ来る」は、なぜ生まれるのか?
サイコロを振って、
「3」が4回連続で出たとする。
そのとき、多くの人はこう思う。
次は、3じゃない気がする。
でも数学的には、
次も3が出る確率は変わらない。
サイコロは記憶を持たない。
過去に何が起きたかは、次の結果に一切影響しない。
これを「独立事象」という。
それなのに、人はなぜ「そろそろ違う目が出る」と感じてしまうのか。
理由はシンプルで、
人間の脳はランダムをそのまま受け入れられないからだ。
人は無意識に、
偏りは短期的に修正される
全体として均等になるはず
という物語を作る。
(これを、大数の法則とかいったりする。)
でも、確率はそんな親切な振る舞いをしない。
偏りは偏ったまま、しばらく続くことが普通にある。
この誤謬が危険なのは、
ギャンブルだけの話ではない点だ。
テストで「この選択肢は続きすぎているから違う」
投資で「下がり続けたからそろそろ上がる」
人生で「ここまで悪いことが続いたから次は良いことがあるはず」
全部、同じ構造。
ギャンブラーの誤謬は、
人は確率を“帳尻合わせの物語”として理解してしまう
という弱点を暴く。
③ ソシャゲのガチャ確率
1%を100回引いても、当たらない現実
「SSR排出率1%」
この数字を見たとき、多くの人はこう思う。
「100回引けば、1回くらいは当たるでしょ。」
でもこれは、数学的には完全に誤りだ。
1%のガチャを100回引いて、
1回も当たらない確率は
0.99の100乗で、だいたい36.6%くらいだ。
つまり、
3人に1人以上は、100連しても何も出ない。
ここで重要なのは、
「確率は回数で保証されない」という点。
1回ごとの成功確率が1%である以上、
何回引いても「次の1回」は常に1%。
にもかかわらず、人はこう感じてしまう。
ここまで外れたんだから、そろそろ…
これは②で見たギャンブラーの誤謬と全く同じ構造だ。
ガチャが残酷なのは、
期待値
実際の体験
心理的な期待
がズレるように設計されている点にある。
「当たらなかった記憶」は積み上がり、
「次こそは」という物語を脳が勝手に作る。
でも確率は、
過去の努力も、金額も、感情も考慮しない。
ソシャゲのガチャは、
確率を誤読する人間の心理を、完璧に突いた装置だと言える。
まとめ
誕生日も、サイコロも、ガチャも、
すべて同じ数学で動いている。
それなのに、
人は毎回「今回は違う」と思ってしまう。
確率は冷たいが、現実。
でも、直感は平気で嘘をつく。
このズレを知っているかどうかで、
騙される側に立つか、構造を見る側に立つかが決まるのではないだろうか。
