老害おじさんの図鑑〜医者編〜を作ってみたら医療界の闇が可視化されすぎた件

最近SNSでよく見る「○○おじさん図鑑」。
大学教授版を見て、「これ、医者版も作れるのでは……?」と思い、半分ネタ、半分実話で作ってみた。
すると、思った以上に“あるある”が詰まりすぎてしまった。
もちろん、あくまでネタであり、すべての医師がこうだと言いたいわけではない。
ただ、医療界に長くいる人ほど、「あー、このタイプいる……」となるのではないだろうか。
① エビデンス至上おじさん
「RCTあります?」
現場の複雑さをすべて“エビデンス不足”で切るタイプ。
しかし、よく見ると論文は読んでいない。
医療界には、「EBMを語ること」と「最新知識を継続的にアップデートすること」が微妙にズレている人が時々いる。
“エビデンス”という言葉そのものが権威化している現象とも言える。
② 俺の時代は寝てないおじさん
「36時間勤務が普通だった」
昭和〜平成初期の医局文化を背負っているタイプ。
若手の労働環境改善を見ると、
最近の若者は根性がない
昔はもっと厳しかった
医者は修行
などと言い始める。
しかし実際には、昔の過酷勤務が患者安全上よかったとは限らない。
“自分が苦労したから後輩も苦労すべき”という思想は、医療界に限らず日本社会に広く残っている。
③ 専門医・学会役員マウントおじさん
名刺に資格が大量に書いてある。
○○専門医
○○指導医
○○学会評議員
○○委員会委員
更新制度には文句を言いながら、毎回ちゃんと更新する。
そして他科をうっすら見下している。
ただ、最近は専門医制度そのものが複雑化・宗教化しており、
「更新のための更新」
みたいになっている側面も否定できない。
④ カンファ絶対おじさん
「まずはカンファで」
何でも会議化するタイプ。
問題は、会議したことで“仕事した感”が出ることである。
しかも医療界は、
委員会
カンファ
WG
症例検討
多職種会議
など、会議インフラが極めて発達している。
その結果、
「誰も決めないまま次回持ち越し」
という日本的大組織病も発生する。
⑤ 地域医療を語る都会おじさん
「地域包括ケアが大事!」
熱く語る。
しかし地方勤務経験は数ヶ月。
本当に地域医療をやっている人ほど、
人が足りない
金がない
移動距離が長い
そもそも患者が来ない
など、“地味な現実”を語る。
一方、都会では「地域包括ケア」が理念ワード化していることがある。
⑥ 老健軽視おじさん
これ、個人的にはかなり根深いと思っている。
老健や介護領域を、
「病院未満」
「医療レベルが低い場所」
と誤解しているタイプ。
しかし実際には、
ACP
急性増悪対応
多職種調整
在宅復帰支援
ポリファーマシー調整
看取り
など、かなり高度な総合力が必要。
むしろ“臓器別専門性だけでは解けない領域”とも言える。
⑦ AI全否定おじさん
「医療は人間だからAIには無理」
と言う。
しかしChatGPTを触ったことはない。
これは医療界に限らず、日本全体で増えている気がする。
もちろんAIには限界がある。
だが、
文書作成
情報整理
要約
翻訳
教育支援
など、既にかなり実務を変え始めている。
“使った上で批判する”のと、“触らずに否定する”のは全く別である。
⑧ 厚労省会議おじさん
「2040」
「地域包括」
「骨太」
「検討会」
「座長代理」
を多用する。
資料は非常に綺麗。
しかし現場実装は県や市町村任せ。
これは別に個人批判ではなく、日本の行政構造そのものでもある。
国は抽象を作る。
地方は具体を処理する。
医療政策の難しさはここにある。
⑨ SNS医療インフルエンサーおじさん
毎日長文ポスト。
医療崩壊
日本終了
海外では〜
財務省が〜
を繰り返す。
しかし、なぜか異常にバズる。
現代は、
「現場で診る力」だけではなく、
「物語を作る力」
も影響力になっている。
医師も完全に“情報空間”の住人になった。
⑩ そして結局、全部ちょっと入っている
これが一番リアルかもしれない。
人は年齢を重ねると、
成功体験
専門性
過去の常識
所属組織の文化
に徐々に固定化される。
つまり、“老害”とは特定個人ではなく、
「アップデートできなくなる現象」
なのかもしれない。
そして怖いのは、
この記事を読んで笑っている我々自身も、
10年後には誰かに図鑑化される可能性が高いことである。
あなたも老害爺医になっていませんか?
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