She's In Love With The Boy 歌詞と対訳
楽曲について
She's In Love With The Boy / written by Jon Ims
アメリカのカントリー歌手、トリーシャ・イヤウッド。元々ソングライターのデモ・テープに仮歌を入れる専門の裏方シンガーだった彼女ですが、ソロアーティストとしての素質をガース・ブルックスに見出され(後に二人は結婚)1991年、26歳の時にガースの口利きによりアルバム「TRISHA YEARWOOD」でデビューを果たします。
同アルバムの1曲目を飾るこの楽曲は、デビューシングルとしてリリース後いきなり Billboard のカントリーチャート1位を飾る大ヒット。アルバムも売上200万枚超を記録し同年の主要な音楽賞を多く獲得しました。以降トリーシャは90年代を通じてコンスタントに活動を続け、数々のグラミーを受賞するなど同時代のニューカントリーを代表する存在となります。
作者はジョン・イムズなる人物。あまり資料が無くて詳細がわからないのですが、同時期のリーバ・マッキンタイア「Fallin’ Out of Love」などを手掛けるナッシュビルの専業ソングライターのようです。
曲を聴く前にイメージしたいこと
片田舎に住む少女ケイティはボーイフレンドのトミーに夢中。しかしケイティの父はトミーのことを「見どころがない」として交際には猛反対。父の心配をよそに二人はデートを重ね、ついには将来を誓い合うようになります。ところがある夜、帰宅が遅くなった二人を父が厳しく問い詰めます。そこに仲裁に入ったケイティの母が父に語る、ある事実とは…?
この曲のハイライトは「Her daddy says」で始まるプリ・コーラスに仕込まれた巧妙なトリック。当初この daddy はケイティの父を示していますが、間奏後の3番でケイティの母の父(つまりケイティの祖父)に転換されます。そこから進んでいく、母娘に受け継がれる慈愛に満ちた温かいストーリー展開。それはまるで1本の映画を観ているような感覚!ぜひ本編でお楽しみください……それではどうぞ!
歌詞と対訳
Katie's sittin' on her old front porch
ケイティは 古びれた玄関ポーチに座って
Watchin' the chickens peck the GROUND
ニワトリが餌をつつくのを眺めてる
There ain't a whole lot goin' on tonight
今夜も 何も変わったことが起こらない
In this one-horse TOWN
そんな廃れきった片田舎
Over yonder comin' up the road
道の向こう側からやってくる
In a beat-up Chevy TRUCK
オンボロのピックアップトラックから
Her boyfriend Tommy, he's layin' on the horn
ボーイフレンドのトミーがクラクションを鳴らす
Splashin' through the mud and the MUCK
泥と土を 跳ね散らしながら
Her daddy says, "He ain't worth a LICK
ケイティのパパは言う そいつには見どころがない
When it comes to brains, he got the short end of the STICK"
頭が悪そうだし 貧乏くじを引くことになるぞ
But Katie's young and man, she just don't CARE
でもケイティはその若さゆえ 気にせずに
She'd follow Tommy ANYWHERE
トミーにどこまでもついて行く
She's in love with the boy
その子が好きなのね
She's in love with the boy
その子が好きなのね
She's in love with the boy
その子が好きなのね
And even if they have to run AWAY
たとえ 駆け落ちしてでも
She's gonna marry that boy SOMEDAY
いつかきっと二人は結婚することでしょう
Katie and Tommy at the drive-in movie
二人はドライブインシアターの
Parked in the very last ROW
最後列に車を停めた
They're too busy holdin' on to one another
抱きしめ合うのに夢中で
To even care about the SHOW
映画なんて見向きもしなかった
Later on outside the Tastee Freeze
終演後 アイスクリーム店の駐車場で
Tommy slips something on her HAND
トミーはケイティの手に何かを忍ばせて
He says, "My high school ring will have to do
こう言った この卒業記念リングで我慢してね
'Til I can buy a wedding BAND"
僕が結婚指輪を買えるようになるまでは
Her daddy says, "He ain't worth a LICK
パパは言う そいつには見どころがない
When it comes to brains, he got the short end of the STICK"
頭が悪そうだし 貧乏くじを引くことになるぞ
But Katie's young and man, she just don't CARE
でもケイティはその若さゆえ 気にせずに
She'd follow Tommy ANYWHERE
トミーにどこまでもついて行く
She's in love with the boy
その子が好きなのね
She's in love with the boy
その子が好きなのね
She's in love with the boy
その子が好きなのね
And even if they have to run AWAY
たとえ 駆け落ちしてでも
She's gonna marry that boy SOMEDAY
いつかきっと二人は結婚することでしょう
Her daddy's waitin' up 'til half past 12
パパはずっと待っていた 夜中の12時半に
When they come sneakin' up the WALK
二人が忍び足で家に帰ってくるまで
He says, "Young lady, get on up to your room
そしてこう言った お前は自分の部屋にいなさい
While me and Junior have a TALK"
パパはこの若造とちょっと話があるから
Mama breaks in, says, "Don't lose your temper
そこにママが割って入る あなた落ち着いて!
It wasn't very long AGO
ほんの ついこの間まで
When you yourself was just a hayseed plowboy
あなた自身 ただのさえない田舎者だったでしょう
Who didn't have a row to HOE
めんどうな仕事を避けていたのは誰かしら
My daddy said you wasn't worth a LICK
私の父は言っていたわ あなたには見どころがない
When it came to brains, you got the short end of the STICK
頭が悪そうだし 貧乏くじを引くことになるぞって
But he was wrong and honey, you are TOO
でも父は見立て違いをしていた あなたはどう?
Katie looks at Tommy like I still look at YOU"
見つめ合うこの二人は あの日の私たちと一緒
She's in love with the boy
この子が好きなのね
She's in love with the boy
この子が好きなのね
She's in love with the boy
この子が好きなのね
What's meant to be will always find a way
二人は 運命に導かれていく
She's in love with the boy
この子が好きなのね
She's in love with the boy
この子が好きなのね
She's in love with the boy
この子が好きなのね
What's meant to be will always find a WAY
二人は 運命に導かれて
She's gonna marry that boy SOMEDAY
いつかきっと 結婚することでしょう
old front porch……広い玄関ポーチにロッキングチェアが置かれ、そこに腰掛けるケイティを想像してみてください。まさに典型的なアメリカの片田舎の風景。画像検索するとイメージが膨らみますよ!
one-horse town……「馬一頭で事足りるほどの小さな町」転じて「さびれた片田舎」を示すそうです。
beat-up Chevy truck……beat-upは「使い古された」という意味の形容詞。Chevyはシボレーですが、Chevy truckで後部に屋根のないの荷台を持つピックアップトラック全般を示します。アラン・ジャクソンの「Chattahoochee」など多くのカントリー楽曲に登場する、これまたアメリカの片田舎を象徴するマストアイテム!
short end of the stick……損な役回りになる、不利な立場、貧乏くじという意味。長さの違う藁を使ってくじ引きをしたことに由来するみたいです。
Tastee Freeze……ソフトクリームを専門とするファストフードのフランチャイズ・チェーン(正しくはTastee-Freez)。ティーンエイジャーのデートスポットとして伝わりやすいのか、ジョン・メレンキャンプの「Jack & Diane」等、アメリカンロックの歌詞の中に時折り登場します。
hayseed は干し草の種子。plowboy は鋤を引く(もしくは、鋤を引く馬などの家畜を引いて導く)少年。2つ合わせると、転じて超ウルトラスーパー田舎っぺ少年ボーイみたいな感じでしょうかね。
a row to hoe……鍬(hoe)で列(row)を作る過酷な農作業。転じて「骨の折れる仕事」を示す慣用句で「hard row to hoe」「tough row to hoe」といった使われ方をするようです。
ドライブインシアターの最後列で抱き合う二人、代用品の婚約指輪……ナッシュビルを舞台にソングライターを志す若者たちを描いた映画「愛と呼ばれるもの(1993年)」の劇中で、類似した描写が随所に出てきます。この映画はトリーシャ自身が本人役で重要なパートを演じており、この曲も挿入歌として使われています。仮歌シンガーから成功まで上り詰めたというトリーシャ自身の経緯も含めて、映画制作にあたってこの楽曲から多いにインスパイアされたのでは、と想像しています。
