Alone Again (Naturally) 歌詞と対訳
楽曲について
Alone Again (Naturally) / written by Gilbert O'Sullivan
アイルランド生まれ・イギリス育ちのシンガー・ソングライター、ギルバート・オサリバンの世界的ヒット曲。日本では「アローン・アゲイン」という邦題で知られていますが、その後に「ナチュラリー」と続くのが正式な原題のようです。1972年にリリースされ Billboard Hot 100 チャートで6週間1位、年間シングル・チャートで2位を記録。さらに同年のグラミー賞にもノミネートされました。
カヴァー・バージョンは無数にありますが特に日本のアーティストの人気が高く、布施明、来生たかお、杉山清貴などがカヴァー。また Mr.Children の桜井和寿は自身の楽曲「Over」について、この曲の歌詞とメロディーとのギャップに影響を受けたことをライブのMCで語っています。
タイアップも多数で広く日本人に聴き馴染みがあることと思いますが、珍しいところではラブコメ漫画の古典「めぞん一刻」のTVアニメ版(1986年)のとある回で、たった1話限りのオープニングテーマとして使用され、ファンにとっては幻のOPとして語り草となっています。
曲を聴く前にイメージしたいこと
先に少し触れましたが、この曲はしばしば「メロディーと歌詞のギャップが大きい曲」の代表例として挙げられます。美しく心地よいメロディーで綴られる歌詞の内容は、結婚式当日に花嫁に逃げられた男が投身自殺を企てるも、自分と同じように傷ついた人々そして亡くなった父と母に思いを馳せ、思いとどまって帰宅する、というもの。超有名曲ということもありネット上に和訳が散見でき、本稿の翻訳内容もそれらと大差ありません……しかしながら songwriting の観点からこの歌詞を紐解くと、まさに驚きの連続!!
まずは Alone Again という完全無欠のアリタレイション。字数まで一緒のこの語句をタイトルとキーワードに用いているだけで、思わず名曲として認定せずにいられなくなります。
そして注目すべきは、曲の展開と歌詞の展開に微妙に「ズレ」が生じているところ。通常はヴァース4ライン、コーラス4ラインといったステディな楽曲進行の中に、歌詞の文脈も纏まりよく収めます。しかしこの曲は随所で1ラインずつ逸脱しているのです。本稿の歌詞はあえて「音楽的な節目」ではなく「歌詞の文脈の節目」で段落を区切っているので、音源を聴きながら歌詞を目で追っていただくと、そのユニークな「ズレの魅力」を体験できるかと思います。
そしてビートルズを翻訳した時にも感じましたが、ある程度かっちりとしたルールに従順なアメリカ人のライミングと比べて、イギリス人のそれはまさに自由奔放。特に「In an effort TO」に対応するライミングとして、whoever を who と ever に分割して TO - WHO(ever) と掛ける鮮やかな禁じ手には、度肝を抜かれてしまいました。
なんでもギルバート・オサリバンは専門的な音楽教育を受けておらず作曲もピアノも独学だそうですが、この曲の独自の songwriting についても、意図的に計算したというよりも自由奔放に作った結果という印象を受けます。時代を超えて受け継がれる名曲というのは、どこか枠をはみ出ているところがあるのですね……それではどうぞ!
歌詞と対訳
Oh, in a little while from now
しばらくたっても
If I'm not feeling any less SOUR
この苦い気持ちが晴れなければ
I promise myself to treat myself
その時が自分の身の振り方を決める時だ
And visit a nearby TOWER
まずはあの塔に登って
And climbing to the top
頂上に辿り着いたら
Will throw myself off
自らの身を投げ出す
In an effort TO make it clear to WHO-ever
どいつもこいつも 見ておくがいい
What it's like when you're shattered
打ちのめされるって こんな感じだってね
Left standing in the LURCH, at a CHURCH
教会でひとり 取り残されて佇む僕
Where people saying
招待客同士で こんな話をしているよ
"My God, that's tough she stood him up
花嫁が花婿を置き去りにするなんて残酷な話だ
No point in us remaining
俺たち今更この会場に残っている意味もない
We may as well go home"
もう家に帰ったほうがマシだな
As I did on my own
だから僕もひとりで帰って
Alone Again, naturally
結局、またひとりぼっちだ
To think that only YESTERDAY
つい 昨日までは
I was cheerful, bright and GAY
僕は陽気で、明るく、輝きに満ちていた
Looking forward TO, well, who wouldn't DO
楽しみにしていたよ 他人の代替が効かない
The role I was about to PLAY
新郎という役柄を演じることをね
But as if to knock me DOWN
でも あたかも僕をノックアウトするような
Reality came AROUND
現実に直面したんだ
And without so MUCH as a mere TOUCH
ほんの一瞬かすめただけで
Cut me into little pieces
僕の心はズタズタに切り刻まれた
Leaving me to doubt
疑念の中に置き去りにされた僕に
Talk about God in His mercy
神と慈悲の話をさせてくれ
For if He really does exist
神が本当に存在するのなら
Why did He desert me
なぜ神は僕を捨てたのか…?
In my hour of NEED?
…僕が本当に神を必要とした時に
I truly am INDEED
本当に、僕は本当に
Alone Again, naturally
結局、またひとりぼっちだ
It seems to me that there are more hearts
でも もっとたくさんいるようだ
broken in the world that can't be MENDED
この世の中には 心が修復不能になって
Left UNATTENDED
ほったらかしにされている人々が
What do we do? What do we do?
僕らはどうすれば …どうすれば良いのか?
Alone Again, naturally
結局、またひとりぼっちだ
Now looking back over the YEARS
何年もの記憶を振り返ってみる
And whatever else that APPEARS
いろんな思い出がよみがえるけど
I remember I CRIED when my father DIED
父さんが死んで泣いた事 それは絶対忘れない
Never wishing to hide the tears
あの時は涙を隠したいとも思わなかったな
And at sixty-five years OLD
そして65歳で
My mother, God rest her SOUL
今度は母さんが魂を神に預けた
Couldn't understand why the only man
理解できなかった なぜ一人の男が
She had ever loved had been taken
…彼女が愛した唯一の男が奪われてしまったのか
Leaving her to start
そうして母さんは一人取り残された
With a heart so badly BROKEN
傷ついた心をずっと抱えたままで
Despite encouragement from me
僕なりに励ましたんだけど
No words were ever SPOKEN
それ以降母さんは口を利かなくなったよ
And when she passed AWAY
そんな母さんが死んで
I cried and cried all DAY
それから毎日泣きに泣いたっけ
Alone Again, naturally
結局、またひとりぼっちだ
Alone Again, naturally
結局、またひとりぼっちだ
