Ophelia 歌詞と対訳
楽曲について
Ophelia / written by Robbie Robertson
ザ・バンドが1975年に発表したアルバム「南十字星(Northern Lights – Southern Cross)」に収録した楽曲。翌1976年のバンド解散劇を追った映画「ラスト・ワルツ」でも演奏シーンを観ることができます。作者は同バンドのギタリストでこの時期バンドの主導権を握っていたロビー・ロバートソン。ドラムのリヴォン・ヘルムがメイン・ボーカルを担当しています。
その後ソロに転じたリヴォンがコンサートで歌い続け、彼の死の翌年2013年にリリースされたトリビュート・アルバム「Love for Levon」ではケンタッキー出身のバンド、マイ・モーニング・ジャケットがカヴァー。その他、カントリー界の大物ヴィンス・ギルも1994年の映画「マーヴェリック」のサウンドトラックでこの曲をカヴァーしています。
原曲はゆったりファンキーな8ビートですが、ギブソン・ブラザーズや日本のテキーラ・サーキットなどによって演奏されている、ブルーグラス向けに2ビートにアレンジされたバージョンも魅力的です。
曲を聴く前にイメージしたいこと
器量は良く無いがその独特の魅力で既婚男性を手玉に取る魔性の女・オフィーリア。そんな彼女に骨抜きにされるのは、これまた最高の女を求めては不貞を繰り返すクズ男。ある日オフィーリアは恨みを買った人々から居場所を突き止められ、逃れるために男の前から忽然と姿を消す。置き手紙を胸に男は茫然自失……筆者はそんなプロットを(勝手に)設定しました。
オフィーリアという名前で真っ先に想起するのは「ハムレット」に登場する悲劇のヒロイン。ですが作者のロビー・ロバートソンは、この曲の着想を「グランド・オール・オプリ」や「Hee Haw!」など数々の人気番組に出演し長く活躍したコメディエンヌ、ミニー・パールから得たと発言しています。ミニーの本名が Sarah Ophelia Colley Cannon ということで、シェイクスピアを思わせる本名とミニーの実像にギャップ萌えしたというところでしょうかね。
文学的・宗教的な固有名詞を用いたり、The Second Coming(キリストの再臨)といった聖書用語を使った思わせぶりな表現は「The Weight」にも見られる策士ロビーの常套手段。一見難解そうに見えて、歌詞そのものにアレコレ考察するほど深い意味は無いのでは、というのが筆者の見解です(笑)。それよりもロック界屈指の歌人ロビー・ロバートソンの綴るライミング、それが生み出す言葉のリズムに乗ったストーリー展開の妙こそが、この作品の真の魅力だと思います……それではどうぞ!
歌詞と対訳
Boards on the window, mail by the DOOR
窓は板で塞がれて ドアの傍には置き手紙
What would anybody leave so quickly FOR?
いったい何故 そんなに足早に立ち去るのか
Ophelia, Where have you GONE?
オフィーリア お前 どこ行った?
The old neighborhood just ain't the SAME
ご近所付き合いは 至って希薄だから
Nobody knows just what BECAME of
お前が何者なのか 誰も知らないはずさ
Ophelia, Tell me, what went WRONG
オフィーリア 教えろよ 何があった?
Was it something that somebody said?
誰かが 告げ口したってことなのか?
Mama, I know we broke the RULES
ああ 俺たち 確かにルールを破ったが
Was somebody up against the law?
法に触れるようなこと してないよな?
Honey, You know I'd die for YOU
ハニー、俺はお前のためなら死ねるのに
Ashes of laughter, The ghost is CLEAR
笑顔の記憶は灰になり 幽霊のように雲隠れ
Why do the best things always DISAPPEAR like
お前みたいな最高の女は 何故いつも居なくなるのか
Ophelia, Please darken my door
オフィーリア またひょっこり現れてくれよ
Was it something that somebody said?
誰かが 告げ口したってことなのか?
Honey, you know we broke the RULES
ああ 俺たち 確かにルールを破ったが
Was somebody up against the law?
法に触れるようなこと してないよな?
Honey, You know I'd die for YOU
ハニー、俺はお前のためなら死ねるのに
They got your number, scared and RUNNING
あいつらに正体を見破られ 恐れて逃げたのか
But I'm still waiting for The Second COMING of
でも俺はまだ お前の再降臨を待っている
Ophelia, Come back home
オフィーリア 帰ってきておくれ
The old neighborhood just ain't the same……古くからの隣人は同じではない=古い隣人と今の隣人は同じではない、と解釈した上で意訳しました。
The ghost is clear……これは ”The coast is clear” 海岸はクリアだ →(密貿易で)警備員がいない → 転じて「邪魔者はいない」という慣用句をもじったフレーズかと思われます。幽霊のように忽然と姿を消したオフィーリアの様子を示すユニークな表現です。
darken someone's door……招かざる客が訪問してくること。通常、Never darken my door again! (二度とうちの敷居をまたぐな!)みたいにネガティブに用いるので、ここは厄介者のオフィーリアに「二度と来るな…いや、来いよ!」と言っているようなノリツッコミのような感覚かもしれません。
They got your number……直訳すると「電話番号を知っている」ですが、get someone's number で「本心を知る」「正体を見破る」といった意味の慣用句になります。
