The Boys Are Back in Town 歌詞と対訳
楽曲について
The Boys Are Back in Town / written by Phil Lynott
アイルランド出身のシンガー、フィル・ライノット率いるロック・バンド、シン・リジィ(Thin Lizzy)。1969年の結成当初はアイリッシュ・トラッドとロックの融合を試みたサウンドでしたが、試行錯誤の末にツイン・リード・ギターを全面に押し出した独自のハード・ロック・スタイルを確立。1976年アルバム「脱獄(原題:Jailbreak)」でバンドは苦節7年目のブレイクを果たします。フィル自身の作詞・作曲によるこの曲は同アルバムB面1曲目に収録され、シングルとしてもリリース。本国アイルランドで1位、イギリスで8位を記録するのみならず、米 Billboard Hot 100で12位、カナダでも8位を記録し、グループ最大のヒット曲となりました。
遅咲きの苦労人ということもあってか、多くの同世代のハード・ロック・バンドがベテラン化していく70年代後半において、シン・リジィはセックス・ピストルズなど次世代パンク・ロッカーや、メタリカやボン・ジョヴィ(同曲をカヴァーしている)などアメリカの後輩たちにもリスペクトを持って受け入れられます。フィルは1986年にドラッグ禍により36歳の若さで他界しましたが、後続への影響は絶大で、後にアイルランドの国民的英雄としてダブリン市内に銅像が建つほどです。
曲を聴く前にイメージしたいこと
ワルであることに憧れを抱く街のティーンエイジャーたちの元に、夏が近づくある日、ビッグ・ニュースが舞い込んでくる。遠い彼方へ去ったはずの伝説の不良グループが、今日この街に戻って来たらしい。酒に喧嘩にナンパに明け暮れる俺たちの夏は、ヤツらの帰還で最高に熱くなりそうだ。いつもの店に集合してヤツらを迎え入れよう。さあ、みんなに知らせるんだ!
街の不良少年たちの青春群像を鮮やかに描写。この曲における The Boys のモデルは英マンチェスターで60~80年代に活動したギャング組織「クォリティ・ストリート・ギャング」と言われています。70年代当時フィルの母はマンチェスターで芸能人やサッカー選手御用達のちょっと違法なホテル兼バーを経営。ギャングの連中もそこに出入りしていて、フィル自身が彼らとの交流を持ったことで着想を得たようです。
興奮したキッズがまくし立てるように、メロディから大きくはみ出す自由奔放な言葉運び。一方でビシバシと見事に着地する語尾のライミング。そのコントラストが楽曲に強烈なメリハリと独自のグルーヴをもたらしています。詩集を3冊出版しているロック界きっての文人フィル・ライノットのまさに真骨頂。バンドの代名詞であるツイン・リード・ギターが奏でるフレーズも相まって、何度聴いても気持ちが高揚しますね……それではどうぞ!
歌詞と対訳
Guess who just got back TODAY?
なあ いったい誰が帰ってきたと思う?
Them wild-eyed boys that'd been AWAY
遥か彼方から ワイルド・ボーイズのご帰還さ
Haven't changed, hadn't much to SAY
何も変わってなくて 言葉も出なかったね
But, man, I still think them cats are crazy
でもな 相変わらずクレイジーなヤツらさ
They were askin' if you were AROUND
お前がこの辺にいないかって 尋ねてたよ
How you was, where you could be FOUND
どこに行けば お前に会えるのかって
Told them you were livin' DOWNTOWN
伝えておいたからな お前はダウンタウンで
Drivin' all the old men crazy
いつも大人たちを困らせてるって
The boys are back in town
ヤツらが町に帰ってきた
The boys are back in town
ヤツらが町に帰ってきた
The boys are back in town
ヤツらが町に帰ってきた
The boys are back in town
ヤツらが町に帰ってきた
You know that chick that used to dance a LOT?
いつもダンスを踊っていたあの女を 覚えてるかい
Every night, she'd be on the floor, shakin' what she'd GOT
毎晩のように ダンスフロアで腰を振っていたっけ
Man, when I tell ya she was cool, she was red HOT
いい女だな 色っぽいなって お前に耳打ちした時
I mean, she was steamin'
そうさ、あの女 怒り出したんだ
And that time over at Johnny's PLACE
ジョニーの店が はねた後だった
Well, this chick got up and she slapped Johnny's FACE
あの女 立ち上がってジョニーに平手打ち!
Man, we just fell about the PLACE
それを見て俺たち 腹を抱えて笑ったよな
If that chick don't wanna know, forget her
あの女が真犯人を知ろうとしないなら もう時効さ
The boys are back in town
ヤツらが町に帰ってきた
The boys are back in town
ヤツらが町に帰ってきた
The boys are back in town
ヤツらが町に帰ってきた
The boys are back in town
ヤツらが町に帰ってきた
Spread the word AROUND
周りに知らせるんだ
Guess who's back in TOWN?
誰が町に帰ってきたと思う?
You spread the word AROUND
知らせるんだ
Friday night, they'll be dressed to KILL
金曜日の夜 ヤツらは着飾って
Down at Dino's Bar and GRILL
ディノのバー&グリルに繰り出す
The drink will flow and blood will SPILL
酒が溢れるばかりか きっと血を見るかもね
And if the boys wanna fight, you better let 'em
ヤツら喧嘩っ早いからな 好きにさせておけ
That jukebox in the corner blastin' out my favourite SONG
店の隅にあるジュークボックスが俺の好きな曲をかける
The nights are gettin' warmer, it won't be LONG
夜がだんだん熱くなってるから もうすぐだ
Won't be long till summer comes
そう、もうすぐ夏が来る
Now that the boys are here again
さあ、ヤツらのご帰還だ!
The boys are back in town
ヤツらが町に帰ってきた
The boys are back in town
ヤツらが町に帰ってきた
The boys are back in town
ヤツらが町に帰ってきた
Spread the word around
周りに知らせるんだ
The boys are back in town
ヤツらが町に帰ってきた
The boys are back, the boys are back
ヤツらは町へ ヤツらは町へ
The boys are back in town again
ヤツらがまた 町に戻ってきたぜ
Been hangin' down at Dino's
ディノの店に たむろしてるってよ
The boys are back in town again
ヤツらがまた 町に戻ってきたってよ!
この曲の邦題は「ヤツらは町へ」。いかにも昭和期の週刊少年ジャンプに掲載されそうな作品名ですが、筆者は響きが好きなので翻訳にも踏襲させて頂きました。
shakin' what she'd got……shake what someone got で尻や腰を振って踊ることを指す慣用表現のようです。続く red HOT とのライミングとも相まって、彼女が steaming(耳から湯気が出るほど真っ赤になって怒る)するほどのエロいフレーズということなのでしょう。
we just fell about the place……fall about the place は「転げ回る」「腹を抱えて大笑いする」を意味する慣用句。あの女いい身体してるぜと友人に囁いたら、小耳に挟んだ彼女は勘違いして俺じゃなくてジョニーに一発平手打ち!これまたいかにも青春マンガのような描写で微笑ましいです。
