UVERworld『CHANCE!』歌詞の意味と解釈|BLEACHの曲ではない
UVERworldの「CHANCE!」を、僕はゲームの起動画面で覚えた。
同じ入り方をした人は多いと思う。
だから歌詞の意味を調べようとする人の多くは、たぶん「これはBLEACHのことを歌っているのか?」を確かめに来ている。
先に答えを書くと、違う。
歌詞に死神も尸魂界も一度も出てこない。
まだ売れていなかった頃のバンド自身に向けて書かれた曲が、結果としてゲームのオープニングになった。
その順番を知ってから聴くと、サビの意味がまるごと変わる。
ここでは事実と解釈をきっちり分けて、歌詞を頭から追いかけていきたい。
UVERworld 『CHANCE!』
先に少しだけ。
UVERworldが好きな人たちで集まるオフ会をやっています。
ライブ後に語り合える人がいなかったり、まわりにUVERworldの話ができる人がいなかったりする人が、実はかなり多いです。
同じ曲で同じところに刺さった人同士だと、初対面でも一気に話が進みます。
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気になる人はのぞいてみてください。

UVERworld「CHANCE!」の基本情報
リリースとタイアップの事実
リリース日:2005年10月26日(メジャー2ndシングル)
作詞・作曲:TAKUYA∞
タイアップ①:PSP用3D対戦格闘ゲーム『BLEACH 〜ヒート・ザ・ソウル2〜』オープニングテーマ兼CMソング(ゲーム発売:2005年9月1日/開発:エイティング、発売:SCE)
タイアップ②:フジテレビ系ドラマ『ダンドリ娘』エンディングテーマ(2006年)
収録:シングル『CHANCE!』/アルバム『Timeless』/『Neo SOUND BEST』『ALL TIME BEST』
シングルには1分44秒の「CHANCE! (GAME SIZE)」も入っている。
ゲーム用に尺を詰めた版が別に作られていた、ということだ。
曲ができたのはタイアップより1年以上前
ここが一番大事な事実だ。
日付を並べると、はっきりする。
曲の原型ができたのは2004年ごろ
ゲーム発売は2005年9月1日
シングル発売は2005年10月26日
原型はインディーズ時代の自主制作音源「CHANCE!04」だ。
メジャーデビューの約1年半前に、ライブで演奏するために作られたものだ。
「04」は制作年の2004年と重なる。
この音源は2015年のシングル『I LOVE THE WORLD』に、当時のままの形で収録された。
つまりCHANCE! は書き下ろしではない。
もともとあった曲が選ばれた。
ゲームのほうがシングルより2か月早く出ているのも、その流れと合う。
なお、シングルにするときに歌詞が手直しされたとされているが、どこがどう変わったのかは公表されていない。
TAKUYA∞が語っている歌詞のテーマ
TAKUYA∞は歌詞について、インディーズ時代にメジャーデビューを目指して曲作りに専念していた頃の経験が出ているとして、「自分に対する応援歌かもしれない」と語っている。
原型の曲についてはこうも言っている——インディーズの当時、まったく曲ができない時期があった。
それでも作ることだけはやめなかった。
結果この曲ができて、今に続いている、と。
BLEACHやゲームについてのバンド側の発言は確認できていない。
ゲーム側が選んだ理由も公表されていない。
ちなみにデビュー曲「D-tecnoLife」がTVアニメ『BLEACH』の2ndオープニング(第26〜51話)だったので、縁自体は前からあった。
「CHANCE!」はどんな曲か
聴いた印象は、とにかく明るくて速い。
英語の掛け声が畳みかけてきて、身体が勝手に前に出る。
ライブで最初のフレーズが鳴った瞬間の音量、あれは20年経っても変わらない。
でも中身は、思っているほど能天気じゃない。
歌詞の中でTAKUYA∞は自分の夢に「叶うはずない」と言っている。
「夢は叶う!」と言い切るタイプの応援歌ではないのだ。
無理だとわかっている。
それでも続ける。
その理由の置き方が、CHANCE! を他の応援ソングと分けている。
タイトルのchanceも、「掴んだ成功」より「まだ始められる」ほうの意味が強い。
歌い出しからして、始めるぞ、という合図になっている。
「CHANCE!」の歌詞の意味を読み解く
冒頭の歌詞の意味:励ます前に「裏切られる」と言う
英語の煽りが並んだあと、日本語に切り替わって最初に置かれるのがこの一行だ。
その気になっても いつも裏切る時代だけど
やる気になっても報われないことがある、と先に認めている。
応援に入る前に、うまくいかない現実のほうを置いている。
ここでもう、無邪気な励ましではないと決まっていると思う。
この直後に、投げ出すのはやめよう、向き合っているキミを尊敬する、と続く。
前提が暗いぶん、言葉が軽くならない。
サビの歌詞の解釈:続ける理由は「まだ光っているから」
サビの中心はこの二行だ。
叶うはずないあの日の夢が
未だに胸の中瞬くから
夢の歌なのに、その夢に自分で「無理だ」と言っている。
そのうえで「まだ胸の中で光っている」と続け、最後を「から」で結ぶ。
「から」は理由を表す言葉だから、次の行の理由になる。
何の理由か。
いつでもやり直せる、あきらめないで追いかけたい——その理由だ。
ここが歌詞の意味として一番おもしろいところだと思う。
続ける理由が「いけそうだから」ではない。
「まだ気持ちが残っているから」に置かれている。
勝てる見込みは一度も出てこない。
去年一回戦で負けて、正直もう無理だとわかっているのに朝練をやめられない。
あの感覚にかなり近い。
サビ後半の歌詞の意味:自分の話がキミの話に変わる
そして自分を励ますはずだった言葉が、同じサビの中で相手に向かう。
キミの心の声に 答えてあげたくて
サビが来るたび必ず出てくる一行だ。
心の声、という言い方が効いている。
口に出された願いではなく、まだ言葉になっていない願いのほうに耳を向けている。
自分への応援歌として書かれたのに、出てくるのはキミへの言葉になっている。
ここがCHANCE! を独り言ではなく応援歌にしていると読める。
しかも励ます側が安全な場所にいない。
同じように無理かもと思っている人間が、隣で言っている。
後半の歌詞の解釈:歌っているのはUVERworld自身
曲の後半は、雰囲気が変わってライブそのものになる。
Get down! どうだ?こんな感じがUVER!
まだ結果を何も出していない時期の曲で、歌の中で自分たちの名前を名乗っている。
続けて、周りの音楽と比べてみろと挑発し、価値は「原寸大」だと言う。
原寸大とは本物と同じ大きさのこと。
盛りもしないし、下げもしない。
今の実力そのままの大きさで出す、という宣言だ。
歌詞のこのあたりに出てくるのは、メロディー、言葉のかけら、音との会話、Player——全部、音楽をやることの言葉だ。
作品世界の言葉は一つもない。
タイアップ曲なのに歌われているのは「音楽をやっている自分たち」なのだと、ここを聴けばわかる。
終盤の歌詞の意味:「届くから」が「届かなくても」に変わる
曲の序盤で、強く願う思いは届く、と言い切っていた。
ところが最後のサビの直前、同じ歌が「届かなくても」に変わる。
言い切りを、自分で下げている。
その直後に来るのがこの一行だ。
通らない声に耳寄せ 思いは儚く薄れて行く
通らない声、つまり誰にも届いていない声に耳を近づけている。
そして気持ちが弱って消えかけていることまで認めている。
はっきりした弱音だと思う。
でも、続けてこう歌う。
キミの恋だって諦めるまでEndless line
自分から諦めるまでは終わらない、ということ。
弱さを先に認めてから、まだ終わっていないと言う。
この順番になっているのが大きい。
そして、そのあとに来るサビは1巡目と一字も変わらない。
言うことを変えなかったのではなく、前提を下げたうえで、同じことをもう一度言い直した。
ここがCHANCE! の芯だと僕は思っている。
CHANCE!の核心となる歌詞フレーズ
核心1:夢についての歌詞の意味
曲の中で、理由を表す「から」で次につながっている場所はここだけだ。
しかもサビのたびに必ず繰り返される。
繰り返しの回数でも、文のつながり方でも、他の行より重い。
曲がまったく作れない時期にも作ることをやめなかった、というTAKUYA∞の話ともきれいに噛み合う。
核心2:やり直しについての歌詞の解釈
いつだって時は最初まで戻れる
いつからでもやり直せる、という宣言。
CHANCE! というタイトルに一番近い一行だと思う。
ただ、置かれている場所が「叶うはずない」の直後なので、別の読み方も出てくる(次の見出しで書く)。
核心3:バンド名が出てくる歌詞の意味
歌詞の意味を作品と結びつけて読もうとすると、必ずここで止まる。
自分たちの名前が出てくるからだ。
CHANCE! の主人公は物語の誰かではなく、バンド自身。
その証拠として一番わかりやすい。
歌詞の解釈が分かれるポイント
解釈①「時は最初まで戻れる」の意味は前向きか、開き直りか
A:いつからでもやり直せる、という前向きな宣言。 素直に読めばこちら。僕もふだんはこう聴いている。
B:どうせ最初は何も持っていなかったのだから、そこに戻るだけ。 これ以上失うものはない、という開き直りとして読む。「叶うはずない」の直後に置かれている配置が根拠になる。
Bは歌詞から直接は出てこない読みなので、あくまで補助線だ。
ただ、売れる前に書かれた曲だと知ったあとに聴くと、Bの手ざわりも混じって聞こえてくる。
解釈②「通らない声」は誰の声か
A:キミの声。 直前で、まだ言葉になっていない相手の願いに応えたいと歌っている。だから、誰にも届いていないキミの声に耳を寄せている、と読む。僕はこちらを推したい。
B:自分たちの声。 後半は音楽活動の話が中心で、直前に「届かなくても」とも歌う。自分の音が誰にも届かない話、とも読める。
どちらで取っても、弱音を認めたうえで同じサビに戻る、という流れは変わらない。
解釈③ BLEACHとの関係をどう読むか
歌詞とBLEACHの内容に対応はない、というのが結論だ。
曲のほうが1年以上先にできているので、そもそも寄せようがない。
翌年に全く毛色の違うドラマのエンディングにも使われているのが、歌詞が特定の作品に縛られていない証拠だと思う。
ただ、走り出す速さと勢いが対戦格闘ゲームの入り口に合っていた、という「勢いの一致」はあり得る。
これは資料がないので僕の推測にすぎない。
ちなみに歌詞に出てくる「One Peace!」はpeace(平和・ピース)の言葉遊びで、どの漫画作品とも関係がない。
「CHANCE!」の歌詞が刺さる人へ
いま、うまくいっていない人に届く曲だと思う。
面接に落ち続けている。
志望校の判定が出ない。
バンドを続けているけど客が入らない。
自分でも無理だとわかっている。
それでもやめられない。
CHANCE! の歌詞は、その状態をきれいに片づけようとしない。
無理だと言い、届かないと言い、気持ちが薄れると言い、それでも同じサビを歌う。
そして書いた本人が、まさにその場所にいた。
曲すら作れない時期があった人が、やめなかったことでデビューして、20年経った今もこの歌をステージで歌っている。
歌詞の意味の一番強い部分は、実は曲の外側、その後の20年のほうにあるのかもしれない。
CHANCE!の歌詞についてよくある質問
Q. UVERworldのCHANCE!の歌詞はどんな意味ですか?
叶う見込みのない夢を、まだ気持ちが消えていないという一点だけを理由に手放さない歌だと読める。
しかも途中で「届くから」を「届かなくても」に言い直し、前提を下げたうえで同じサビをもう一度歌う。
TAKUYA∞本人は「自分に対する応援歌かもしれない」と語っている。
Q. CHANCE!はBLEACHのために書かれた曲ですか?
違う。
ゲーム『BLEACH 〜ヒート・ザ・ソウル2〜』のオープニング兼CMソングなのは事実だが、原型はインディーズ時代の「CHANCE!04」だ。
メジャーデビューの約1年半前にライブ用として作られている。
歌詞にBLEACHの言葉は一つも出てこない。
Q. 「CHANCE!04」とCHANCE!は何が違うんですか?
「CHANCE!04」は2004年ごろの自主制作音源だ。
2015年のシングル『I LOVE THE WORLD』に当時のまま収録された。
シングル化のときに歌詞が手直しされたとされているが、具体的にどこが変わったかは公表されていない。
「CHANCE!」が収録されているCD
CHANCE!
Timeless
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まとめ:UVERworld「CHANCE!」の歌詞の意味と解釈
CHANCE! は2005年10月26日発売のメジャー2ndシングル。ゲーム『BLEACH 〜ヒート・ザ・ソウル2〜』のオープニング兼CMソングだが、書き下ろしではない
原型は2004年ごろのインディーズ音源「CHANCE!04」。ライブで演奏するために作られた曲だった
歌詞の主題は作品世界ではなく、メジャーデビューを目指していた頃のUVERworld自身。TAKUYA∞は「自分に対する応援歌かもしれない」と語っている
サビの意味の中心は「叶うはずない夢が、まだ胸の中で光っている」。続ける理由が見込みではなく気持ちに置かれている
終盤で「届くから」が「届かなくても」に変わり、弱音を認めた直後に同じサビをそのまま歌い直す。これが解釈の山場だと思う
無理かもと思いながらやめなかった人が、やめなかったせいで今ここにいる。
CHANCE! の歌詞を20年ぶんの重さで受け取れるのは、たぶんそこが理由だ。
最後に。
ここまで読んでもらえたということは、「CHANCE!」がかなり刺さっている人だと思います。
「CHANCE!」の話を、直接できる相手はまわりにいますか。
UVERworldが好きな人たちでオフ会をやっています。
どこで泣いたとか、どの一行が刺さったとか、そういう話を延々できる場です。
一人で来る人がほとんどなので、知り合いがいなくても大丈夫です。
開催情報はLINEでお知らせしています。

